説教会
「っつーことで、東狐の復帰お祝い!兼、説教会。」
最初は明るくて、最後だけ暗い。それもそのはず、聞きたいことがたくさんあるんだわ。
北狐組の事務所から戻ってきた報告を受けて俺達は内心、緊張していた。あんなに豪語していたが、ヤクザだらけのとこに正々堂々「裏切ります。」というようなものだ。
無事じゃないかも___と思った反面、会った時の東狐は怪我がないどころか清々しい顔をして
「つくづく父上という立場だな。」
と言っていた。そして今に至る。
「東狐、説明よろしく。」
リーダーらしく、栄虎が仕切る。
「俺は東狐じゃなくて、北狐。北狐組っていうヤクザの組長の息子だ。」
東狐は自分自身のこと、家族のこと、人を殺したことがあることなどを詳しく、分かりやすく説明してくれた。
「皆とお泊まり会した家、秘密基地なんだ。呼出しくらったから寝れなくて遅刻しちゃったけどね。・・・やっぱり、俺は皆みたいに輝けない。」
東狐が下を向いて呟いた。
「人殺しは良くない。でもお前の手をとり、離さないと決めたのは僕・・・いや僕達だ。だろ?皆。」
リーダーの言葉にすぐに「ああ。」と心強い返事が返ってくる。
「罪を認めて輝こう。東狐!」
栄虎が東狐の前に手をだす。
「地獄まで付き合ってやるよ。」
「僕もついてくよ。」
「・・・六人でMystery Pure Colors。」
「病院で散々言ったろ。」
舟音、羅潔、朔仁、俺、十人十色の反応して手を栄虎の手に重ねた。
「ほら。輝こうぜ東狐。」
「ッうん!うん!」
涙ぐみながら東狐が力強く手を重ねた。
「Mystery Pure Color最高!!!」
重ねられた手の隙間から照明の光がさし、6人の手が輝いた。
「はい!堅いお話終わり!仕事もたくさんあると思うけど、今は退院祝いで飲むぞー!」
東狐の復帰の後、俺達はメンバーとともにバラエティ番組や動画サイトの収録がたくさんあった。
「個性出てておもしろいって好評だよ。」
「だけどそれよりも、こっちの方が話題だよねー。」
舟音と羅潔の視線がこちらを向く。
「・・・これでしょ?」
そう。東狐が俺にべったりなのだ。
「おい、東狐!プライベートで密着すんな!瑛太は一応、瑛華なんだぞ!」
「良いじゃん。今まで甘えたことなかったんだから、反動だよ。それに瑛太は瑛太だよー。」
栄虎が俺にくっついてる東狐を引っ剥がそうと試みている。てか一応、瑛華ってなんだよ。一応も何も本名は瑛華だぞ。
「・・・おもしろ。」
「さっじー。これ面白いかぁ?」
「うん。」
今日もカッコ可愛い〜!
「えこくん。もう良いよ。好きにさせときゃあ満足するでしょ。」
「瑛太がこう言ってるよ!」
「ああ、じゃあ好きにしなさいな!」
子供と母親みたいで面白いな。・・・でもちょっと動きにくい。
「東狐ー。俺がちょっと離れてほしい時は離れてくれる?」
「もちろん!」
「ちぇ。僕が言っても微動だにしなかったのに。」
こうして生まれた俺達の仲良しコンビは、ファンの間で『にんじんコンビ』と呼ばれるようになるのであった。




