砕ける北の仮面
みなさん、こんにちは!こんばんは!おはようございます!
評価やブックマーク、いつも支えになっています!ありがとうございます。
突然ですが、朔仁はさっじー、栄虎はえこくん、舟音はあかっち。羅潔と瑛太と東狐、じゃなくて拓也の良いあだ名が見つからないです!!!
苗字からとるのもありかな〜と思ったのですが、あだ名ってそもそも意味不明につきますよね(笑)
これからの関係性でメンバーが勝手にあだ名を付けてくれるのを待つべきなのか・・・。
もし「こんなあだ名どう?」というアイデアがあれば、ぜひ感想で教えてもらえると嬉しいです!
ちょっとしたお願いでした。それでは本編をお楽しみください!
父は厳しかった。組長である父は物心ついたときから厳しかった。
剣道、柔道、空手道・・・俺は様々な武術を叩き込まれた。泣くことも許されず、ましてや甘えることなど1度もしなかった。いや、できなかった。
「父上!剣道で1位を取りました!」
部下を連れて歩いていた父を見つけ、俺は声高らかに報告した。実力を示せば褒めてもらえると思ったのだ。
「・・・。」
父上は一瞬立ち止まって、振り返ることさえせず歩き出した。
「ッ父上!!!」
俺は走って父上の裾を掴んだ。が、振りほどかれた。その拍子に俺は転んだ。
(これで父上は心配してくれるはず!)
現実はそんなに甘くない。
「立て。」
そのあまりにも冷たい声に、当時の俺は息をのみ素早く立った。俺はその時、初めて殺気というものを本能的に理解した。
「すみません。」
このような無様を晒すことは、父上の顔に泥を塗ることと同義だ。
「・・・次はない。」
父上の姿が見えなくなるまで頭を下げた。
「坊っちゃん。坊っちゃん大丈夫ですか?」
父上の姿が見えなくなっても頭を下げ続けた。
初めて人を殺した年、日付、曜日、場所、全て覚えている。いや、覚えさせられている。切り裂く感覚、殴り潰す感覚、思い出すだけで吐き気がする。だから逃げたかった。だからあの家を秘密にしている。
誰とも仲良くできない自分に嫌気がさしたから、俺はアイドルオーディションに応募した。
ああ、俺が真っ当な人生を歩んだ少年で、純粋なアイドルになれたら良かったのに。
「っ。」
規則正しく鳴る電子音、真っ白な天井、消毒の匂いがする部屋。
「皆、寝ちゃってるじゃん・・・。」
(今は、朝の5時か。)
「皆、待っててくれたんだな。」
こわばっていた表情が緩む。
(皆、無事でなりより・・・。)
瑛太の腕には縄の痕がついていた。
「・・・っ、ごめん。」
横たわっていた男は体を上げ、寝ている瑛太の手をとった。
「っん。あれ、寝ちゃってた!?って東狐!み、皆・・・。」
「しー。寝かせてあげて。」
体を上げた東狐は人差し指を唇に当てながら言った。なぜだか俺は、その顔を見たら安堵した。
「分かった。」
さっきは皆、騒がしく心配して看護師さんに怒られたもんなー。
「・・・それはそうとて、お前どういうことだよ!」
皆を起こさないように小声で叫んだ。俺は正直頭にきていたのだ。何か隠してると思えば、想像以上だし無許可でGPS付けているわで問い詰めないわけにはいかない!
「僕・・・いや、俺はヤクザの息子だ。異例の若さで次期組長とも呼ばれている。分かるだろ?俺は人を殺してきた。関わる以上、今回みたいな危険がつきまとう。邪道を歩いてきたんだよ。・・・俺はアイドルをやめる。金輪際、お別れだ。」
「・・・。」
窓から映る外は街灯が消えて暗い。病室の温かなオレンジ色のライトは、東狐の顔の影をより強くする。
確かに、危険だ。関わらないほうが良い。
「・・・嫌だ。認めない。俺はアイドルやめていいなんて言ってない。俺はお前のことを友達だと思ってるぞ!お前が素じゃなくても友達だし、メンバーだ!確かに素姓は知らない、だけどお前は、東狐はデビュー前俺の緊張を解いてくれたし、俺を助けてくれたッ。」
気づいたら俺は泣いていた。少し冷静になったほうが良い。でも、これだけは今、伝えないと!
「ッ俺の大切なメンバーを、友達を不徳と言うな!・・・東狐はすごいんだぞ!周りが見れてるし、こまめな気遣いができる。ピュアカラに必要なんだよ!お前が北狐だとしても俺にとって、皆にとって東狐だ!あと、今抜けるのは早すぎるっ!」
無きながら怒鳴り散らかす声が静かな病院に響いた。それを東狐は目を丸くして聞いていた。
「お、俺は皆にとって、ピュアカラにとって必要なのか?」
「必要だっつってんだろ!」
窓から日の出が見えてくる。
(俺の視界だけでなく心まで明るくなったのは、日の出のせいだろうか。)
「・・・あ、甘えても良いのか?」
「そもそも甘えも頼りもしねぇからこうなったんだろ、バカ!一人で抱え込みすぎだ、ボケ!」
「そ、そうか。甘えて良いんだな。」
東狐は赤子のように微笑んだあと、わっと泣き出した。俺も言えたいことが言えたし、これで危機は消え去ったかな。
「ングッ。・・・グフッ。」
なんだ?
「アーハハハハハッ!ひー、おもしろい。お前ら泣きすぎだろぉ。ハハハ、お腹いてぇー。」
舟音と、栄虎が涙とともに大爆笑しだした。
「あかっち!?それに、えこくんまで・・・。よく見れば朔仁と羅潔まで!」
「・・・俺ら、瑛太がでかい声出したから起きたよ。」
「すごい怒鳴り声だったよー。」
と、朔仁と羅潔が言った。あれ?聞こえちゃってたの。恥じぃー。
「ンッグフッ。そんで東狐く〜ん。アイドルするよね?」
咳払いしながら栄虎が問う。
「うん。俺の名前は北狐拓也。25歳。本名の自己紹介は初めてだな。改めてよろしく。」
東狐・・・。あ、北狐って呼んだほうが良いのかな?
「あの〜、呼び方ってどうすれば・・・?」
羅潔が代わりに聞いてくれた。
「俺は東狐だよ。芸名がってこともあるけど、皆にとって俺は東狐だろ?な、瑛太。」
「そうだな。改めてよろしく東狐。」
「おぉい。俺らもな!」
賑やかに和解した俺たち。北狐の仮面が崩れた。
だが、次の瞬間今度は雰囲気は崩れる。
「俺、父上にヤクザやめてアイドルすることを言うよ。」
今回はついつい熱が入って文量が多くなってしまいました!いつもは1000字ちょいくらいなのですが・・・。
どうしても削りたくない、大切なエピソードだったのでそのままお届けしました!
父上に正直に話すという、東狐の爆弾発言で終わった今回。果たして東狐の運命はいかに・・・?
次回もどうぞお楽しみに!




