↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ルノと旅する吸血鬼  作者: 立木ヌエ
トワイライト編
PR
87/110

ノーコメントと死の予行

「——」


 遠くから声をかけられている。


「——きなさい」


 何を言っているのだろう。

 もっと聞きたい。


「——起きなさい」


 起きなさい?


「起きなさい寝坊助。いつまで寝てるの」


「そろそろ妾も我慢できないわ。これ以上眠るようなら……」


「四肢を固定したうえで車輪に括り付け、空中で高速回転させる見世物にしてやるわ」


 聞き捨てならない恐ろしい脅迫。

 ルノは勢いよく起き上がりボヤけた頭を一瞬にしてフル回転させる。


 ふわふわのベッド……豪華な装飾の広い部屋。

 ここはいったい……


「やっと起きたわね寝坊助。少し薬が強すぎたかしら」


 衣装棚に乗った状態で銀色の少女がルノを見下ろしていた。

 ルノは次第に自分の置かれた状況を理解していく。


 自分は攫われたのだ。


「…………」


 どうすればいいのか。場所は分からない。逃げる力も無い。

 まず、相手を知るべきだろうか。


「やっぱりまだ惚けているのかしら。困ったわ」


 扇で自らを扇ぎながら、少女はルノの全身をまるで吟味するかのように観察している。


 見た目的にはルノより少し上……12歳くらいに見えるが、どうもその通りの年齢には思えない。

 これがルノを見るまわりの感覚なのだろうか。


「あの、あなたは誰、ですか」


 ルノが問いかけると少女は満足そうに笑うと、ぱっと棚から飛び降りて長い髪をさらりと手で横に流した。


「アリスよ。アリス・ルディアス。坊やはルノだったかしら」

「妾も一応吸血鬼狩りね。銃弾坊や……えーっと、そう、アーヴァンスと同じよ」


 食い気味に答えると、アリスは躊躇いなく名乗る。

 吸血鬼狩り。メルトが眷属化していたとかいう吸血鬼狩りとは違ってアリスの瞳は紺色だ。


「うん、ぼくはルノ。それでアリスさん」

「なんでぼくを連れてきたの」


 アリスは妖しく微笑んだと思えば、いつもの間にかふわりとルノの横に座っていた。

 

 花のような匂いがルノを包み込むように香る。


 温かな空気と反対にルノの心臓の鼓動が冷たく早くなる。


「なんでだと思う?」

「……」


 アリスに問い返され、ルノは黙りこくった。

 なぜ自分が狙われたのか?


 自分には攫われる理由がある……メルトと旅をしていたから?魔眼を持っているから?たまたま?


 どれかひとつに絞るにはどれも決めてに欠けている。


「………………わかんない」

「そう、それなら分からないままでいなさい」


 くすくすと笑うと、アリスは首を傾け横からルノの瞳を凝視する。


 質問に答える気はあるのか。そんな疑念を抱くも、自身の攫われた状況を改めて振り返る。

 

「じゃあ、あの吸血鬼狩りの人たちはなんで眷属になってたの」

「あと、眷属になるってどういうこと」


 ルノが体を傾け正面から顔を合わせると、アリスは笑ったままで悩むようにからかうように体を左右に揺らした。


「あれは……そうねぇ。言うなれば吸(・)血(・)鬼(・)の(・)た(・)め(・)……かしら」

「それと、眷属化は吸血鬼が血を与えることによってなる主従関係。眷属は一度に一人の吸血鬼の眷属にしかなれない」

「……吸血鬼のため? どういうこと?」


 明らかな矛盾。ボスが吸血鬼であることに加えて吸血鬼のために吸血鬼狩りが眷属になるというチグハグな状況に訳が分からなくなる。

 眷属化について分かっても、それ以前の謎が増えた。


「これ以上ないヒントよ? 妾もこれ以上話したら答えになってしまうわ」


 アリスは掴みどころの無い答えを寄越すと、次の質問はまだかと手で催促してくる。

 どこか距離が近いアリスに、ルノはだんだん絆されてしまいそうになる。


 ……こんなにも質問に素直に答えてくれるが、信用してもいいのだろうか。

 質問の答えははぐらかされ続けているし、そもそも自分を誘拐した相手だろう。


 こんな時、相手が分からない時、何を聞けば良いのか。


「…………じゃあ次は」


 アリスが顎に手を当て傾けるのを見ると、ルノはアリスの瞳を見つめる。

 ルノ自身、この目(魅惑の魔眼)を恐れて逸らしがちだったが、この質問だけは、絶対に相手を見て聞かなくてはいけない気がした。


「あなたはなんのために生きているの?」


 ちゃらけた様子で揺れていたアリスがピタリと止まり、その表情が硬くなっていく。

 ルノを見つめる目はまるで高貴な人が自身に合う美術品を見定めるかのようなものだった。


「…………よもや、そんなことを聞いてくるなんて、意外だわ」

「あまりに抽象的で、あまりに楽観的な問い、数ある疑問で何故それを選んだのかしら」


 アリスは扇子を強く握りしめたかと思うと、ぱっとベッドに放り投げた。


「興が冷めたわ。その質問にはノーコメントよ。はぁ……そうね、久しぶりに人と話して楽しくなってしまったけれど、妾って人と反りが合わないのだったわ」


 ノモトのように感情が顕になるのではなく、ただ凪いでいる。その様子にどこか距離を置かれた心地がした。


 どうにも腑に落ちない。

 ここまで温度が変わるのは何故なのか。久しぶりに人と話したとはどういうことなのか。人と反りが合わないとは過去に何があったのだろうか。


 自分がおかしな事を聞いたとは微塵も思わない。アリスの反応が過剰に思えて仕方がない。


 アリスは無表情のまま立ち上がると、ルノに向けて指を振った。


 ルノはその指の動きに合わせるように立ち上がる。

 驚く間もなく、歩き出したアリスの後を追うように足がひとりでに動き出した。


 抵抗しようともがくも、まるで足全体を空気の塊で抑え込まれたかのように少ししか抵抗できない。


「これから夢想坊や……ではなく、えーそう、ログネスの元に連れていくわ。お利口坊や(ルノ)と話がしたいみたいよ」

「ログネスさんって……?」

「それくらい自分で考えなさい」


 別人かのように冷たく変わってしまったアリスの後を、ルノはただついて行くしかない。


「(……せめてメルトさんたちの力にならないと)」


 しかし、心は前向きだ。


 部屋を出て高級感のあるきらびやかな廊下を歩く。


 全体的に少し暗めで、窓の外側には深めの屋根が付いているのがその要因だと気づく。

 それと同時に壁や天井を見上げると、ルノは既視感を覚えた。


「あれ、あの絵……シャンデリア…………さっき通ったとこも」


 全部見覚えがある。

 たった一度、しかし確かに見た。歩いた。


 ここは……


「■■■■(ノーデン)さんの屋敷……あれ、でも燃えて……」


 ルノが小さく呟くと、足が止まる。

 正面に顔を向けるとアリスが立ち止まりルノを見つめている。


 その顔には抑えきれないような好奇心が見える。

 口角は上がり、また先程までの掴みどころのなさと謎の距離の近さが戻ってきていることが見てとれた。


「お利口坊や。どこでその魔術をかけられたのかしら?」

「え、まじない? それは……禁書庫……です」


 ルノが言葉に詰まりつつ答えると、アリスは真っ白な歯を見せびらかすように口を大きく開けて笑う。


「なるほど! お利口坊やではなく奇天烈坊やだったのね!」

「いや、これはとんでもない坊やね! ログネスが気になったのにも納得よ!」


 アリスは手を叩くと気づく間も与えずルノに近づく。


「いい? 貴方はそのまま、嘘偽り無い本心を話しなさい。そうしたらあっちの坊やの珍しい顔が見れるかもしれないわ」

「は、はい」


 アリスに気圧されて承諾すると、アリスがまた進み始める。

 しかし、ルノの足は勝手に歩き出すことがなく、自分の意思で自由に動かせた。


 指を振った様子もなかった。機嫌が良くなったから魔法を解いたのだろうか。


 ルノは鼻歌を歌うアリスを横目に屋敷内部をじっと見渡す。

 なぜここがノーデンの……ブラドホワイトの屋敷によく似ているのか、その疑問を胸にルノはアリスの後を追っていった。



◆



 アリスが元の様子に戻ってからすぐ、その部屋には辿り着いた。

 他の部屋と比べて扉の時点で装飾が豪華で、屋敷の主の部屋であるということは誰が見ても明らかな程だ。


「着いたわ。ここがログネスの部屋。いつも思うのだけれど、妾に渡した部屋より豪華で癪ね」

「そうなんだ……えっと、ログネスさんって……」

「ああ、ボスよボス。吸血鬼狩りの」


 さらりと答えると、アリスは扉に手を伸ばす。

 ルノがその腕を慌てて掴むと、アリスが首を傾げた。


「どうしたのかしら。もうすぐそこなのよ?」

「…………吸血鬼狩りのボスがぼくと話がしたいって言われても……怖い…………」


 アリスはそんなルノを見つめると、特にどうってことないとでも言うようにそっとルノの手を腕から離した。


「大丈夫よ。別にログネスは即断するような事はしないわ」


 そう言ってアリスは扉を雑に叩くと、中からの返事も待たずに開いた。


「ログネス……様ー! 連れてきたわよー!」

「ああ、入ってくれ」


 男の声が聞こえると、アリスがさっさと部屋に入ってしまう。

 扉の前に立ち、すくむ足を踏ん張りながら動かす。


 扉をくぐり抜けると、ルノの右側から声が聞こえた。


「やぁ、久しぶり……と言っても、顔を見せるのははじめましてかな」

「私はログネス。ユンデネぶりだね。ルノ君……だったかな?」


 整った容姿、穏やかな笑顔、声すらうっとりする程に優しい。

 そんな藍色の男が椅子に座っている。


 藍色の髪を見た瞬間、クラナタールが残した考察が頭をよぎった。


 どの作品にも現れ、強大な力を持った藍色の敵。どう転んでも作品内で倒す事が出来ない絶望の象徴だと、クラナタールは書いていた。

 今対峙しているログネスの印象からは遠い存在だが、今は全てが疑わしい。


 固まるルノを見ながら、アリスはどこからか持ってきた椅子に座っている。

 さらに指を振ると、ルノの背面から小さな椅子が動いてやって来て何かの力によって座らされる。


「……あの時、神仕者と戦ってた吸血鬼、ですよね」

「そうだ。覚えていてくれて良かった」

「そう緊張しなくてもいい。私は別に君の血を吸うだの、殺すだの、そんな事をするつもりじゃないんだ」


 ルノがしどろもどろになっていると、ログネスはアリスを小突く。


「おもてなしだ。君、そういうの好きだろう?」

「そうね。妾もおやつ時だとは思っていたし、アフタヌーンティーにしましょう」


 アリスはそう言って部屋を出ていく。


 ——全てが怪しい。


 ユンデネで出会った時の芝居がかった様子と似て非なる紳士的態度。

 攫って起きながら緊張するなといったことを言い出す状況とのズレ。

 おそらく吸血鬼(メルト)といることを分かっているのにアフタヌーンティーと言い出す目的の掴めなさ。


 その全てがログネスという吸血鬼の本質を探らせまいとしているようだった。

 もしかしたら今見えているログネスすら偽物で、呼吸も何もかもが嘘偽りなのかもしれない。


 全身がじわりと汗ばみ、椅子に座っている感触すら曖昧になっていく。

 時間が経つ。アリスは部屋を出ていってしまったため二人きりの空間。沈黙の中ログネスは何も言わずにただルノを見るか、手元にある新聞や何か書類のようなものを読んでいる。


 本当に何がしたいのか分からない。時間がさらに経ち、これ以上の沈黙は堪えられない。


 ルノがそう考えた時、それを解消したのは扉を開けて入ってきたアリスの一言だった。


「ちょうど用意したところだったようだわ! 今日も美味しそうね!」


 ルノが目を向けるとアリスがケーキスタンド等を浮遊した状態で持ってきていた。


 アリスが指を振ると、ログネスとルノを挟んだ部屋の中央にカタカタと置かれていき、それぞれにティーカップが手渡される。

 あっという間に優雅なお茶会の用意が完了した。


「ではいただこうか」


 ログネスがそう言ってティーカップを傾ける。

 その仕草は上品で絵になる。


 アリスもまた上品で、全ての仕草が慣れ親しんだ動きのように見える。


 ルノが思いきって紅茶を喉へ流し込むと、あっさりとした熱が喉と鼻を通り抜けていった。


 ……かなり美味しい。心が安らぎ落ち着く。ここが敵地の最奥であるということを忘れそうになるくらいだ。


 ほっと息をついていると、アリスが指を振ってクッキーをルノの口元に運ぶ。

 シンプルなバターの風味が薫るもので、紅茶の風味によく合う。


「緊張もほぐれたようだね。それでは会話に入ってもいいかな?」

「……はい」


 ログネスの言葉にルノは気を引きしめると、机にティーカップを置く。


「ではまず、君を誘拐した理由を話そう」

「至ってシンプル。君は人質だ」


 ログネスがさっとルノを指した。


「君が一緒にいる少女……メルト、そう名乗っているんだったか。彼女をおびき寄せる為のね」

「どうも君たちには奇妙な絆があるようだから利用させてもらう」


 奇妙な絆と称された二人の関係。

 そう言われると、メルトとルノはどういう関係なのか。


 吸血鬼と人。姉と弟。保護者と被保護者。

 ……傷ついたものと傷つけたもの。


 呼び方は様々。自分たちがどれに属するのか、それを検討した事はほとんどない。

 強いていえば、メルトはよく、自分を姉と自称しているくらいだ。


 また頭がごちゃごちゃにされてしまった。


「……おびきよせて、どうするの。なんでメルトさんをそのまま連れてこなかったの。ここはどこなの。なんで吸血鬼を殺しちゃうの」


 頭の整理というには質問をいっぺんに吐き出しただけの行為。今の自分が得るべき情報をただ並べただけの行為だった。


 ログネスは突然質問を吐き出したルノを見ると、チラリとアリスを見る。

 アリスはにまにまと笑っている。


「おびき寄せるのは話がしたいからだ。私はメルトと知り合いなんだ。メルトを連れてこなかったのはそれでは彼女に敵視され続けると思って君の協力が必要だったんだ。ここはトワイライトの領主屋敷だ。私が建てた」


「そして、吸血鬼を殺すのは吸血鬼が吸血鬼に戻るためだ」


 ルノが吐き出した疑問に次々答えると、ログネスは真剣な表情を浮かべた。


 あまり納得出来ない答えが並ぶも、無視する事なく誠実に答えた。

 特に、吸血鬼が吸血鬼に戻るとは一体どういうことなのか。


 戻るも何も、言葉全てが意味不明だ。


「……やっぱり連れてきて正解だった。君とは話がしたかったんだ。いや、聞いて欲しいことがあったんだ」

「君のモヤモヤ、よく分かる。何故? どうして? 物事の理由が、源流が知りたい。私も同じなんだ」


 ログネスの語り口が変わっていく。段々と熱を帯び、会話する相手そのものを飲み込んでしまいそうな程に声が響いているようだ。


「私が少しずつ教えよう。共に悩もう。とびきりの答えを見つけよう。だから、君には協力して欲しいんだ」

「……協力?」


 ログネスが目の前に歩いてくると、ルノの瞳を覗き込むようにしゃがむ。


「そう、君のその頭脳は人々の役に立つ。私が今後君の知りたい事の為に誠心誠意協力する。だからお願いだ」

「その、知識を求める純粋な瞳で、真実を見つけて欲しいんだ」


 わざとらしく手を広げるログネス。少しその動作に圧倒されかける。

 一挙手一投足が彼をボスたらしめているのだと、ルノは肌で感じとった。


 ただ、ルノは一筋縄ではいかなかった。


「何言ってるか、わかんない」

「………………なんだって?」


 ログネスの目が揺らぐ。


「全部わかんない。何してほしいのかもわかんない。ぼくが知りたいことに全然答えてくれない……メルトさんもだけど、教えてくれないことだらけ」


 この男とメルトを比べる事に躊躇いはある。しかし、二人の吸血鬼はどうも回りくどかったり、本心を遠ざけてくるようだ。


 知識を求める純粋な瞳で真実を見つけて欲しい?なんだそれは。


 生憎、普段のように待っていられる程、今のルノに余裕はない。


 だからまた、あれを聞くことにした。


「ログネスさん、だから、せめてこれだけはちゃんと答えて。そうじゃないと、ぼくはあなたの話を聞きたくない」


 聞きたくないと、初めて口にした。

 ログネスは先程の一瞬の動揺を感じさせない笑みで、静かに立ち上がった。


「……分かった。一体何が聞きたいんだい? 何故私がボスなのか、とかかな? それならば……」

「ちがう」


「あなたはなんのために生きているの?」


 絶対に知らなくてはならないと、心が訴えていた。

 ルノの濃紺の瞳とログネスの赤い瞳が交差し、ログネスは口を開けたまま少し硬直した。


「……なんのために生きる? 目的……?」

「………………生とは、死の予行だろう?」


 ログネスは心底どうでもいいとでも言うように、首を傾げる。

 横ではアリスが意味深に微笑む。


「何故、過程を気にするんだ? 苦しみに価値を見出す意味が分からないな」


 ここに来て、アリスだけではなく、更なる複雑な返答が返ってきた。

 何故過程を気にするか?そこが自分たちの生きる今なのではないか。


 それをこの男は苦しみと呼ぶのか。


「…………なんとなくだけど、ぼく、ログネスさんのことがわかった」

「そうか、良かった。それでは君に頼みたいことの詳細を——」

「あとぼく、あなたが嫌いかも。だからお願いは聞かない」

「……なるほど?」


 ここに来て驚く事ばかりだ。嫌いだなんて、初めての感覚を覚えた。

 ただし、ルノはそれを悪い事とは思わなかった。


 誰だって嫌いな人が一人くらいはいるだろう!


「……まぁいい。君の価値は分かった……アリス」


 ログネスはまた紳士的な笑顔を浮かべると、自らの机へと戻った。


「はいはい、また妾の番ということね。あ、そうだ。暇だし誰か呼んでもいいかしら」

「……計画に支障をきたさない程度にすればいい。少し想定外があったせいで眷属化が滞っているんだ。人手不足ってやつだよ」


「(眷属化が滞ってる……?)」


 ルノが疑問をまた増やすと、アリスが部屋の扉を勢いよく開けた。


「さぁ奇天烈坊や。戻るわよ。あ、それか屋敷の案内でもしましょうか」

「……うん」


 結局アリスという人間は掴みきれない。そう思うルノだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。