第二話 どうやら「ざまぁ」展開に遭ったようです。
レオンハルトの訃報は、外見の形式こそは手厚くも、たった一通の封書をもって私に伝えられた。
レオンハルトは、【魔王】を討つための道中で、死んだ。
…………。
――――レオンハルト、逝ったぁあああああああ!!!!
逝っちゃった……! 本当にレオンハルト死んじゃった…………!!
レオンハルトの告別式でちらと見かけたリリアは静かに涙を流していたが、私の頬に伝うのは一滴の涙ではなく、どうしようもなく浮き出た冷や汗である。私はどうなるというの……?
宙ぶらりんな立場。社交界に遅れを取らないために、急ぎ行動を起こさなければならない場面ではあったが、しかし悪いことは重なってゆくものだった。
レオンハルト亡きあと、私が謀略によりレオンハルトを奪い取ったという、根も葉もある言いがかりが、噂に近い形で噴出して広まったのだ。
馬鹿な――私を選んだのは紛れもなく、レオンハルトよッ!
そう私が声高に叫んでも、噂の信憑性は少しも薄れなかった。不味い。
ただでさえ立場が宙ぶらりんな今、そんな噂が流れては、それをもみ消す工作に立ち回る余裕も力もない……! ――などと、血の気を引かせた、そのタイミングで。
アルヴェイン家から。
実はレオンハルトは近々、私へ婚約破棄を突き付ける心づもりであった、という秘密裏が明かされた。
終わった……。
それが、レオンハルトと特に近しい使用人からの告白であったのか、はたまたアルヴェイン家の父母がなんらかの事情から明るみにしたことなのか――そんなことも知る由ないままに、私は、立場的な意味でも膝から崩れ落ちた。出どころなど、そんなことすら関係ない……。
ヴァレンティア家の力は決して大きくない。
今、拠り所のないまま、そのような人を遠ざける噂が色濃く流れたという事実。
私の立場は、失墜する――――。
それだけは、もはや、明らかなことだった。
私が……?
この、ヴィオラ・ヴァレンティアが?
この世の絶望に堕ちた、――まさに、そのようなタイミングであった。
この私へ、奇妙な召集がかかったのは。




