第34話 おでかけ準備
――2週間後。
「――ということで、現在は行方不明となった受験者たちの捜索が続いているわ。学校も責任を取り、人事部の上層部は解雇。関わりがあった教員は全員取り調べが行われているから、今年の入学は1か月後になりそうね。」
お母様が手元の書類をめくりながらそう言う。
私は頷き、口を開いた。
「合否の発表は?」
「・・・生き残った生徒全員。それと、あなたたちの後に受験した合格者ね。」
お母様は顔を上げ、私をじっと見つめた。
「リリスは、この学校に行きたいの?別の学校でもいいけれど・・・。」
私はわずかに視線を下げる。
・・・私は、どうしたいのだろうか。
脳裏に、一緒に戦った人たちのことが思い浮かぶ。
リュシエンヌ、エリーヌ、マルグリット、ラヴィエンヌ――。
「私は・・・」
私はお母様の顔をまっすぐに見据える。
自分の気持ちなんて、わからない。
どうしたらいいのか、わからない。
どうしたらいいのか、わからない。
でも――
「あの学校に行きます。」
どうしてか、もう一度彼女たちに会わなくてはいけない気がする。
「わかったわ。契約書にサインしておくから、必要な物を揃えに行きましょう。」
お母様は、理由を聞くことなくすんなりと頷く。
そして、資料の内の1枚を抜き出した。
「出かけるから、部屋で出かける準備をしてきなさい。」
私はその紙を受け取り、椅子から立ち上がった。
部屋に戻り、折りたたまれた紙を開く。
そこに書かれていたのは、日用品と文房具、制服などたくさんの品々。
そんな時、背後からトンッと衝撃を受ける。
「リリス!何見てるのー?」
クレだ。
彼女は私の背後から手元をのぞき込む。
「入学までに用意しなくてはいけない物のリストよ。」
「へー。」
「今から揃えに行くから、準備の手伝いをして頂戴。」
「了解!」
クレはピシリと敬礼する。
動きはきびきびとしているものの、その顔は緩み切っていた。
「リリス、これとかどう?」
クレが持ってきたのは、淡いコーラルオレンジのワンピース。
ふんわりとしたひざ下のフレアスカートに白い襟。
私が着たことのないものだった。
「ええ。これにするわ。」
私はこくりと頷き、準備を始めた。




