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第27話 夜狼戦

 白い空間に、魔法の光と咆哮が乱れ飛ぶ。

リリスの蔦が背後の受験者を護るように広がりつつ、夜狼の核を貫く。

ラヴィエンヌは氷刃で首を切り落とす。

しかし――


「減ってない・・・?」


リリスはそう呟き、再び蔦を動かす。

確かに、全員で夜狼を倒している。

それなのに――


「夜狼の数、減ってないよー。」


「なんでだろ!」


リリスのすぐ横で、双子がそう言いながら夜狼の群れに突撃していく。

リュシエンヌはその身に炎をまとい、体当たりをする。

それをエリーヌが風を操ってサポートしていた。

その時、誰かの声が響いた。


「見て、あそこ!」


その声を聴き、リリスは一瞬周囲に視線を巡らせる。

そして、つい先ほど倒した夜狼に目を止めた。


その身体が黒くなり、ボロボロと崩れる。

その中心から、鈍く光る魔石が露出した。

次の瞬間――それがドクン、と脈打ち、複数に砕けた。


「何が起きてるの・・・?」


先ほどとは違う声が響く。

複数に砕けた魔石が光を放ち始める。

それらが、新たな夜狼へと再形成されていく。


「そんなことって・・・。」


その場に動揺が走った。

倒せば倒すほど、敵は増えていくのだ。

まるで終わりが見えなかった。

その時――


「ねぇねぇ!これ、変だよ!」


「全部、おんなじだよー。」


リュシエンヌとエリーヌが駆け戻ってくる。

そして、リリスとラヴィエンヌの袖をグイグイとひいた。


「ほらほら!魔力の流れが全部一緒!」


「全部一つだよー。」


その言葉で、2人の動きが一瞬止まる。

リリスはいつも通り、無表情のまま、ラヴィエンヌは二ヤリ笑みを浮かべて口を開く。


「全部、本体の一部ってことかしら。ラヴィエンヌが倒した夜狼と同じじゃない?」


「それなら、核を探すのが手っ取り早いか。」


その瞬間――ドクン、と扉の方向から強い魔力の脈動が響いた。

それに、リュシエンヌがピクリと反応する。


「あれあれ!」


「あそこに、核がある。」


その言葉を聞き、全員が覚悟を決めたような表情を浮かべる。

扉に核があるということは、夜狼の群れを突破する必要があるということだからだ。


全員の目がマルグリットに向いた。

その視線を受け、マルグリットはわずかに視線を下げる。

しかし、すぐに顔を上げて宣言した。


「方針変更です!」


その声によどみはなく、迷いなどみじんも感じさせなかった。


「全員、守りを固めてください。強行突破します!」


わずかにざわめきが広がる。

だが、誰も異を唱えない。


「リリスとラヴィエンヌが先導。双子は中央で守りを固めつつ、位置の指示を。」


「「了解。」」


「「はーい!」」


即座に陣形が一気に変化する。

受験者たちは、守りを固めつつ前へと進み始めた。


しかし、その時に動きを変えたのは、受験者たちだけではなかった。


「リュシエンヌ、エリーヌ!」


どこからか、悲鳴に近い声が上がる。

中央部にいた双子へと殺到し始めたのだ。

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