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第26話 深層、攻略開始

 「広い、広い!」


「真っ白だー。」


広い空間に双子の声が響く。

ここは、入り口を通った先。


足元は、確かな地面。

しかし、周囲はどこまでも続く白だ。

壁も、床も、天井も、境界すら曖昧で、距離感が狂いそうになる空間だった。


「全員、いますか?」


マルグリットが受験者たちを振り返る。

そこには、リリスたちを含めた25人の姿があった。


「よかったです・・・。全員いますね。」


安堵の空気がその場に広がる。

しかし、次の瞬間にラヴィエンヌの一言がその場を切り裂いた。


「安心するのは、まだ早い。」


そう言い、彼女が指さす先にあったのは、一直線に伸びる道。

そして、そのさらに先に見える漆黒の扉だった。


「扉だー。」


「黒い、黒い!」


「これ・・・誘導されているんですよね?」


マルグリットがぽつりとつぶやく。


「そう、露骨なくらいにね。」


ラヴィエンヌは肩をすくめる。

その隣で、リリスはその扉へと続く道をじっと見つめた。


「だからこそ、罠ははりにくいんじゃないかしら?」


「でもでも、嫌な予感がするよ!」


「危ない気がするー・・・。」


リリスとリュシエンヌ、エリーヌの言葉を聞いてマルグリットは一瞬考え込む。


「とりあえず、進んでみたらわかるんじゃないですかね?班で固まって進んでください。」


重い空気を取り払うように、明るい声でそう告げる。


「それでは、先ほどと同じ編成で進んでください。何があっても、絶対にはなれないでください。」


今度は、場を引き締めるような、緊張を帯びている声。

その声に答えるように全員が頷き、前を向いた。



 白い空間に足音が響き始める。

25人で2列に並び、道を歩く。

先頭にラヴィエンヌとマルグリット、殿をリュシエンヌとエリーヌ、リリスが務める。

全員が黙々と足を動かす中、一番初めに声を上げたのはエリーヌだった。


「ねぇ。」


彼女は、後ろを歩くリリスを振り向き、扉を方向を指さす。


「変だよ。」


それを見たリュシエンヌが扉へと視線を向け、驚いたように目を見開いた。


「ほんとだ!近づいてないよ!」


彼女の声は思いのほかよく響き、一同が足を止めた。


確かに、全員が進んでいるはず。

距離感が狂ってきているのかしら?

いや、違う――


「空間が、歪んでいるのかしら?」


リリスがつぶやくと同時に、何かが探知圏内に侵入した。


「全員、固まって!」


全員が真ん中に集まり、構えた時――地面にドンッと重たい振動が伝わった。


「来ます!」


マルグリットの言葉と同時に、ラヴィエンヌの目の前――扉の方向にある地面に亀裂が走る。

その亀裂の中から、たくさんの夜狼が姿を現した。


「ひっ!」


だれかが悲鳴をこぼした。

夜狼の数は、およそ50――いや、それ以上かもしれない。


夜狼の数を確認しつつ、リリスはラヴィエンヌたちの方へと駆けよる。

リリスはラヴィエンヌに並び、マルグリットへと視線を向けた。


「ええっと、何ですか・・・?」


2人に視線を向けられ、困惑するマルグリット。

彼女を見て、ラヴィエンヌは短く言葉を発した。


「指示。早くして。」


その最中も、夜狼は2人が咄嗟に張った結界に突撃し続けている。

このままでは、破られるのも時間の問題だ。


「な、なんで私なんですか!?お二方のほうが・・・。」


マルグリットは自信なさげにそう口にする。


「マルグリットが、一番適任よ。私たちに指示を頂戴。」


その時、バキンッと音を立てて結界にひびが入る。

マルグリットは覚悟を決め、口を開いた。


「ラヴィエンヌ、リリスはかく乱。」


「了解。」


その言葉と同時に、2人は駆けだした。

その背後では次々とマルグリットが指示を飛ばす。


「2班、3班は結界を形成。4班、5班は2人の援護を。」


指示が伝わると同時に、全員の表情が引き締まり、すぐに魔法が展開された。


「マルゴ!私たちは何したらいい?」


「みんなを、守る?」


「2人はラヴィエンヌとリリスの2人が取り逃した夜狼の討伐をお願いします。」


「「わかった!」」


こうして、受験者たちvs.夜狼の対決が始まった。

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