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コワモテ!  作者: リソタソ
誰がための
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94/105

真夜中の……集会?

 真夜中の駐輪場に、バイクのヘッドライトの明かりが差した。浮かび上がるバイクや自転車、そして人影。

 懸の到来を目を細めて迎え入る数人の仲間たちの頭数に、このみも当然加わっていた。

 夜中に集められるのはかなり久しぶりのことだった。内容次第では、あまりにも下らないことを理由に集めたのなら、絶対に来ないと誓ってスマホの画面を見たこのみも、事情を知ってすっ飛んできた。

「ねぇ、どうだった?」

 バイクを降りる懸に、このみが問うた。

「案外平気そうだったぜ。顔もパンパンに腫れてるのに、骨とか内臓とかには異常なしだって。順一は今にも死にそうだ、なんて言ってたけどな」

 ヘルメットを外しながら言った懸の言葉に、このみひとまずほっと息をついた。

「順一の容態なんてどうでもいいわよ。それよりも、誰にやられたのかちゃんと覚えてたんでしょうね。殴られて記憶喪失になってた、だなんてオチはつかないでしょう?」

「ああ、そのことなんだが……」

 懸はヘルメットをハンドルにかけ、どすんとバイクに腰を下ろした。

 ふぅ、と息を吐く。その一息がこのみを初めとした懸の仲間たちの間に風のように駆け抜けた気がした。

「やったのはあいつ……元番長だ」

 え、と一部の仲間たちが驚きの声を上げた。

 誰かなんて重要じゃないでしょうに。別に、元番長がまだこの町にいたって不思議でもなく、自分を倒した懸達を恨んで手を出してきたなんてことは容易に考えられる。子供っぽくて、まさに番長らしいけど。

「……それ以外にも何かあるのね?」

 このみは、懸のもったいぶった口ぶりから、ただそれだけじゃないことを察した。

 頷いた懸は、もう一度息を吐いて、大きく吸った。

「元番長の野郎と、ワン公……大神一和が一緒にいたそうだ」

 このみも目を丸くした。

「なんか話してたらしくてよ……順一はあの二人が仲間がどうとか言っていたらしい」

「仲間? それってどういう……」

「さあな。順一も良く聞こえなかったらしいが、あいつはずっと大神と元番長が繋がってんじゃねえかってまくしたてていたが……」

「あいつと元番長が? ありえないわよそんなの」

 大神一和と元番長の関わりなんて、このみには何ら思い浮かばない。仲がいいとも悪いとも聞いたことはないし、あの二人で喧嘩し合ったなんて噂が立ったこともない。接点が一つもないのだ。

「俺もそうは思うけどよ……まぁ、あの二人が一緒にいたのは事実だ」

 懸が立ち上がる。

「何がったにせよ、どんな関係があっても、俺達のやることは一つだ」

 ぐるりと周囲を見渡す。全員の胸中に闘志が燃え始めた。

「俺らの仲間に手を出しやがった元番長に、痛い目見てもらおうぜ。大神も探すんだ。何があったか、俺がとっちめて訊いてやる」

 おう! と発した声が辺りに轟いた。

 次々と仲間たちが散らばり、移動し始めていく。

 このみは……。

 大神一和に何かがあった。そのことを知らせた方がいいだろうか。叶恵に……。

 もしも元番長と繋がっていたとして、叶恵ははっきりいって関係ない。大きな喧嘩になるだろう。そうなったら叶恵は足手まといだ。

 ただ、大神に何があったかもわからない。何かあったとして、彼の力になれるとしたら。その役目を背負うのは自分達では決してない。

 役割を背負えるのは一人だけ。叶恵だけ。

 ……連絡、しておこう。何があったとしても……。


ども、作者です。


やっと終わりの話に手を付けられはじめました。はい、進捗酷いです。

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