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コワモテ!  作者: リソタソ
誰がための
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85/105

頼れる……頼もしさ


 何はともあれ、まずは学校を終えてしまわないと。

 昼まで過ごしたけれど、やっぱり今日もワンちゃんの姿は無し。今日来てくれていれば、何も心配は無かったのだけれど。

 とりあえず、教室で時間を過ごす。心なしか、今日は人との会話が少ない気がした。

 そんなときに、私に声をかけてくれる人が一人いた。

「ねぇ、ちょっといいかな叶恵ちゃん」

 作治君だった。

「ん、なに?」

「多分知らないと思うけど、僕は昨日休んでてさ。ノートを見せてほしいんだけど」

「え、休んでたの?」

「はは、声をかけた人みんなそう言うんだよ。覚えられないのってちょっと不便だよね、ははは」

 ごめん。作治君は笑っているけれど、本当に知らなかったから申し訳ない。

 私は昨日の授業で使ったノートを取り出して、

「あ。数学は提出しちゃったから……」

「そっか。じゃあそれ以外はちょっと借りるよ」

 受け取った作治君はすぐには自分の席に戻らず、しばし私の顔を伺って、

「どうしたの? なんだか元気なさそうだけど」

 と心配そうに尋ねた。

「そ、そうかな?」

「鏡見たら自分でも分かりそうなくらいだよ」

 そんなに元気無さそうな顔をしてるかなぁ……まぁ、実際に元気がないのは本当なんだけど。

「叶恵ちゃんが元気じゃないなんて……何があったの?」

「私だっていつも元気じゃないよ」

 風邪を引いた記憶はないけれど。

 でも、どうしようか。作治君にワンちゃんのことを言うべきかどうか、少し悩む。このみちゃんにも言っていないんだけど……。

 作治君も友達で、この学校に来てからは最初にちゃんと話せた相手だ。なのに、彼の存在感が薄いせいか、すごく仲がいい友達っていう感じでもない。

 そのせいか、つい口が軽くなってしまった。

「あの、ワンちゃんが……」

 何があったか、彼に教えることにした。

 作治君は驚いたような顔をして、

「そうだったんだ。良かったら、僕も手伝うよ」

 と言ってくれた。

「本当?」

「もちろんだよ。こういうときじゃないと僕も役に立てないからね、ははは。言ってて自分で悲しくなってくるなぁ」

 作治君お得意の自虐だ。

 でも、作治君の提案は素直にうれしかった。

「君が心配するなんて、よっぽどだよ」

「そうかな? 私、いつも何かを心配している気がするけど」

「それを他人に漏らすのが珍しいって感じかな。いつもは自分で解決しようとして……」

「あはは、否定できないかも。でも、そんなに行動的でもないと思うけど」

「僕からすればよっぽど行動的さ」

 いつだかに、作治君が私のことが変ったとかなんとか言ってたけど、彼にはそう見えていたからなのだろう。

 でも、今は行動的にならなくっちゃね。ワンちゃんを探さなくちゃいけないし。

「きっとすぐに見つかるよ。きっと遠くになんて言っていないだろうから、探せばあっという間さ」

 そう言って励ましてくれる作治君の言葉が、とても頼もしかった。

ども、作者です。なんとか日曜日中に間に合いました(^_^;)




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