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コワモテ!  作者: リソタソ
誰がための
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63/105

作治君の・・・・・・危険?

「作治君、倒されては……いないよね?」

「もちろんだよ。この人の手下が入って来たのと同時にね、しゃがみ込んで移動していたんだ。机や椅子に隠れて移動しようとしていたんだけど、本当に気付かれないだなんて! ははは、喜んでいいのかな、悲しんだ方がいいのかなぁ……」

 作治君が悲しそうな顔をする。悲しんでるじゃん。

「でも、おかげで助かったよ。凄いね、作治君」

「あはは。まぁ、叶恵ちゃんの役に立てたのなら、喜ぶことにするよ」

 そう言って、彼が私の方に近づいてきた。

「彼らを倒すことはできたけど、まだ終了じゃないみたいだ」

「ってことは……」

「まだ、どこかに敵がいるのかもしれないね。二階の教室の中か、一階の教室の中か……折角だし、優勝目指して頑張ってみようか。叶恵ちゃん」

「うん」

 優勝が見えてきた。泥沼も倒されちゃったけど、作治君が入れば、なんとか優勝できそうな気がする。

 なんたって、利根田も倒しちゃうんだもん。

 あ、でも、私だって頑張らない……と……。

「誰を、倒すことができた、ですってぇぇぇぇ?」

 私は思わずその場に立ち尽くした。

 作治君の背後で、立ち上がる男の姿が見えたから。

 他でもない、利根田だ。

「もう何も関係ないわっ!!! アタシをこけにしてくれたアンタら殴り殺してやるわあああああ!!!」

 利根田は、もうカラーボール戦争とかどうだっていいって感じで、作治君の頭めがけて、握り締めた拳を突き出す。

「あ、あぶな……」

 作治君はまだ利根田に背を向けていた。

 このままじゃ、作治君が危ない。

 彼が気付いていないというわけじゃないだろうけど、叫ばずにはいられなかった。

 だけど……。

 作治君は利根田の方なんてちっとも見ないで、体を横にずらした。

「えっ?」

 利根田の拳が空を突く。

 それからは、あっという間の出来事だった。

 作治君が利根田の腕を片手で掴んだかと思うと、もう片方の手で胸倉をつかんでいて、利根田の体が浮いた。

 作治君は彼に背を向けていて、利根田を持ち上げ、柔道の背負い投げで、利根田を放り投げていたのだった。

 がっしゃーん! と大きな音を立てて、利根田の巨体が整列されていた机や椅子を弾き飛ばして、床に落ちた。

「ふぅ」

 作治君は涼しげな顔で、利根田を見下ろす。

「知らなかったでしょ。僕って柔道も得意なんだよ」

 作治君はにこっと笑った。

「し、知ら無いも何も……あ、あんた。誰よ……あんた、みたいなやつ、アタシ、しら、ない、わよ……」

 がくっ、と利根田は気絶したようだった。

 私はしばらく、何も言えなかった。

 作治君が、巨体の利根田をあっさりと放り投げちゃうなんて。

 信じられなかった。

「あ! これって、暴力、だよね……ま、不味いなぁ。失格になっちゃうかも」

 そんなとんでもないことをしでかした作治君だったけど、私の方を見た時には、自分のやったことを悔いてか、とても情けない顔をしていた。





ども、作者です。


文量一枚半。短回ですね、とっても。

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