一件落着・・・・・・だけど!?
その後、私たちはお化け屋敷で揉めていた警察官と懸さんの仲間たちに鉢合わせた。ことの黒幕である麻薬のバイヤーを突きだして、このみちゃんのために救急車を呼んでもらったまではよかったんだけど。そこからが大変だった。
一応、みんなの潔白は証明できた。バイヤーの持っていた麻薬と下中君のヘルメットに仕掛けられていた麻薬が同じものだってことと、バイヤーがもともと指名手配犯で有名だったこともそれを後押しした。でも、さらに下中君と面識がない事やアリバイを成立させることにすごく時間がかかった。
それに私たちも参考人として警察署に連れていかれて、遊園地から出て長い間拘束されちゃった。
私たちはそこまでかかわりが無かったから、早めに解放されはしたんだけど、外に出たころにはもうすっかり日が暮れていた。
帰りの電車も終電に乗ることになった。
「……ふあぁ」
電車の中で、私はついつい大あくびをかいてしまった。はっとして、顔を隠してワンちゃんの方を見上げる。
「ん?」
ワンちゃんはその時になって私の方を向いたから、どうやら大あくびをしたのは見られていなかったみたい。良かった。
「それにしても、災難だね、懸さんも」
懸さんは、あの場所で堂々と喧嘩をした、ということもあって、暴行罪の嫌疑がかけられてしまい、それが正当防衛であることを証明しなくちゃならなくて、奮闘している。仲間たちも懸さんが解放されるまでは署を離れるつもりはないらしかった。
「……だな」
ワンちゃんは言葉数少なに同意した。ワンちゃんもさすがに疲れているみたいだ。
それにしても、私はみんなに助けられてばっかりだなぁ。前々からずっと、何事かあるたびに誰かに助けてもらってる……私も、そんな風に誰かの助けになるようなことがしてみたいなぁ……暴力とかは無理だけど。でも、事件とかあがあったら、颯爽と駆けつけて解決に導けるようになりたいな。できれば、事件とかは無い方がいいんだけどね、こんな事件が無ければ、もっと早くに帰れたし、しっかりとデートもでき……。
あれ、デート……って、あ!!! 今日は私たちはデートに来たんだった!!!
あああああああ、予定も立てたのに、楽しみにしていたのにぃ……全部、全部台無しになっちゃったあああああああ。
私、撃沈。とほほ……とんだ災難だよ。
と、うなだれていると、こつん、と私の肩に何かが当たった。
「ん?」
見てみると、ワンちゃんの頭部だった。
「わ、ワンちゃん!?」
ワンちゃんの顔を覗き込んでみると、目を瞑って、鼻から規則正しい息を吐き出していた。どうやら、眠っちゃってるみたい。
「寝顔、見られたくないって言ってたのに……」
すっかり疲れ切ったのか、それとも安心しきったのか、ワンちゃんの眠りは深そうだ。
その寝顔を見ていると、胸がかっと熱くなった。こうして、寝顔を見せてくれるってことは、少なくとも、私といることに慣れて来てくれてるってことなのかな? と、ちょっと都合のいいことを考えてみる。
「ま、たまにはいいよね」
私は彼の頭をなでる。デートの代償にこれぐらいはしてもいいよね。
電車は揺れながら、私たちを終点まで運んでいく。この時間が、もっともっと長く続きますように、と願いながら、私は電車の揺れに体を預けた。
ども、作者です。三話終了です。そして、四話が……ちょっと次の更新は間が開いてしまいます。待ってくれる人、いたら待っていてください。
12/6追記 ども、お久しぶりです、作者です。忙しない十一月が終わり、やっと小説執筆の再会のめどが立ちました。一応四話の物語構成はすでにほぼできているので、年末には投稿を再開できるように書きはじめる所存です。
従来通りに全部できてから投稿するので、目標通りに投稿が再開できるかどうかはまだわかりませんが、もうしばらくお待ちください。(待ってる人がいたら(笑))




