第九章 虚校忌譚(1)
第九章 虚校忌譚
2011年12月19日(月) 放課後
22日に終業式が控えていて、その次の日が冬休みのはずが放課後、怪奇現象が起きてしまい、校内の人々が混乱するなか、3つの陣営の主要人物「山本ゼツ(やまもと)」「鎌田弦雄」「柳原ガーゴイル(Gargoyle Yanagihara)」が動き出す。
生徒会広報「山本ゼツ」は臨時ながら生徒会側の指揮を執り、生徒・教職員・外部関係者を問わず協力者に「校内に残っている人員を一人でも多く避難させてほしい。」と。避難が終わり次第、彼が対処するそうだ。
帰宅部幹部「サイスマン」こと「鎌田弦雄」は危険を顧みず、異変を調査するらしい。
新派閥「桃姫FC」副長「柳原ガーゴイル」は校内を跋扈してる異形を討伐するつもりでいる。無論、生徒に手伝いを求めている。
さて、怪異についてだが、大別していわゆるモンスター的な位置付けである「異形」、地形の変化や時空間の歪み、怪音などの「現象」、どちにも分類できぬ「アザー」からなる。
生徒会側(「黒井清子」、「鈴木アーサー」、「ダイアナ・アトラス」と「ハイペリオン・ザ・インキュバス*表向きは帰宅部だが実質生徒会側」)、帰宅部側(「黒澤杏璃」、「郷田健太」)、新派閥「桃姫FC」側(「兵藤源郎」「衣笠典子」「遠藤魂二」)の3つの陣営に分かれ、行動することになる。第九章開始と同時にいきなりの非日常を乗り越えるために動き出した。
...。
「(レベッカに似た赤薔薇のアキンド:)商売にちょうどいい。」
【Phase-1】
「杏璃」と「健太」は帰宅部の方針に従い、この学園の異変を調査している。
「(杏璃:)...去年の3月の話になりますけど、逃げ場のひとつとしての候補だった例の都市伝説にそっくりですね。」
「(健太:)結局のところ行き損ねたけどね。傲慢先輩の邪魔がなければ、雅史は都市伝説の中...なんてね。」
2人の前に現れたのは、異形、現象でもないアザー「赤薔薇のアキンド」。
「(赤薔薇のアキンド:)やぁ。このレベッカいかが?」
「(杏璃:)れ、レベッ...誰ですか?この学園の外部関係者ではありませんね。どうやったらこうなるでしょうね。」
「(健太:)たまたま現象に巻き込まれたとか?」
「(赤薔薇のアキンド:)冗談がうまいよ。この私を誰だと思ってるかな?世界の有名人、レベッカとは私のことだよ。この本あげるから、同行願おう。」
「(杏璃:)あたしの知っているレベッカは、無差別に本をばら撒くような人ではないはずです。...いいでしょう。迷い込んだというなら、あたしとともにこの学園の異変を調査してくれますか?」
「(赤薔薇のアキンド:)包容のある人がいて助かるよ。よし、本を売りつけよう。」
「赤薔薇のアキンド」は帰宅部2人「杏璃」「健太」とともに行動することになった。
次、新派閥の場合は...。
「(源郎:)おりゃあぁ!!!!」
手持ちの斧で怪異を斬る「源郎」。そう、異形の討伐である。
「(魂二:)さすがは先輩!!僕も頑張らないと!!」
「源郎」に続き「典子」は椅子を持ち上げ、異形に向けて振り回す。
「(典子:)気色悪い怪異は殲滅してやらないとな。」
そんななか、「レベッカ」に似た怪異と同行している「杏璃」と「健太」を見かける。
「(典子:)!!」
「(魂二:)...よく見ると、レベッカじゃん!!どうしてここにいるんだろう?」
「(源郎:)...この学園に迷い込んだにしては、雰囲気違わねぇか?」
「(魂二:)...典子先輩、どうしたの?」
「(典子:)......。」
「典子」は「赤薔薇のアキンド」と同行している「杏璃」と「健太」に近づき、問いかける。
「(典子:)杏璃、これはいったいどういうこと?どうしてこいつなんかと。」
「(杏璃:)この人はどういうわけか、この学園に迷い込んだ部外者なので、あたしとともに脱出する方法を探しているだけです。」
「(典子:)質問になっていない。こいつから離れろ。また気がおかしくなる。」
「(健太:)...あぁーそういえば2年前、典子がおかしくなったのはレベッカのせい、とでも言いたいのか。でも過ぎたことだし、大目に見ようや。」
「(典子:)...ごめん、距離を取る。」
「レベッカ」に似た姿を見て気がおかしくなりそうなので、「典子」は「赤薔薇のアキンド」から離れ、距離を取ることに。
「(赤薔薇のアキンド:)私を見て気が動転したかのように見える。私の顔に何か付いてるのかな?」
「(杏璃:)...気にしないでください。あなたには関係ない事情です。」
新派閥の2人のもとに戻った「典子」。
「(魂二:)...典子先輩、気は確か?」
「(典子:)平気な顔をしてレベッカとつるむあいつらとは相容れない。レベッカに似た怪異を討ってほしい。」
「(源郎:)なんなら、おれが討ってやろうか。」
「赤薔薇のアキンド」を討つと「源郎」は「杏璃」と「健太」に近づく。
「(源郎:)2人とも得体のしれないやつから離れろやぁ。」
「(健太:)まーた新派閥か。悪いけどレベッカから離れないよ。なにせレベッカはヒーローだからな!!」
「(赤薔薇のアキンド:)あー、なるほど。有名人の私は邪魔者だと思って討つつもりか。上等だ、回避に自信があるんでね。やるならやるがいい。」
「源郎」は手に持っている斧を上げて、振り下ろす。
「(赤薔薇のアキンド:)おっと、残念でした。私に勝とうなんて百年早いぜ!!」
生徒会広報の協力者として人員の避難を誘導している「清子」は「レベッカ」に似た怪異、それを追いかける「源郎」を見かける。2人に声をかける。
「(清子:)源郎さん、いったい何事ですの!?」
「(源郎:)なにごともなにも、見てわからんか?怪異を討つためにな。」
「(清子:)ふぇ?どう見てもレ...レベッ...?そこのあなたがたはレベッカさんのそっくりさん...ですの?」
「(赤薔薇のアキンド:)だったらどうする?」
「(源郎:)忌々しききさまをぶった斬るってんだ!!」
「源郎」は「赤薔薇のアキンド」を怪異だと思って斧を振り回す。
「(赤薔薇のアキンド:)おっと、私は怪異じゃな...どっちでもないか。それにお嬢さん、さすがは雅史の恋人といわれただけのことはあるね。雅史のことをよろしくね。」
「赤薔薇のアキンド」の発言に「清子」の反応はいかに?
「(清子:)ま、雅史さんとはどういう関係でして!?どうして雅史さんのことを知っていますの!?」
「(赤薔薇のアキンド:)信じてくれないだろうけど、私は並行世界から来た赤薔薇のアキンド。並行世界の雅史のことなら知っているとも。彼だけじゃなく、ハンナもね。」
まるで2人を知っているかのような発言に「清子」は戸惑うものの、「赤薔薇のアキンド」の素性を知るためには同行する選択も。
「(清子:)...どうやらあなたがた赤薔薇さんをより詳細に知る必要ありそうなので、ご同行願いまして?帰宅部おふたりや源郎さんなんか無視して、まずは人員の避難誘導からいきましょうかね。」
「(赤薔薇のアキンド:)それならお安い御用。なにより困ってる人を助けることがレベッカの役目だし、一肌脱ごうじゃないか。」
「(清子:)では、ご協力お願いいたしますわ。」
未だに斧を振り回す「源郎」のことは放っておいて、「赤薔薇のアキンド」は「清子」とともに人員の避難誘導の手伝いをすることになった。
「(源郎:)こらぁー、おれを無視すんなぁ!!」
「(健太:)この辺にしといてよ源郎。」
「(源郎:)...帰宅部のくせにナマイキな。」
帰宅部のひとりである「健太」に止められることでフェードアウト...。帰宅部、新派閥の出番はここまでとし、ここからが、いやハナっから「赤薔薇のアキンド」をメインとする話だから第二部の実質主人公「清子」と同行するのは当たり前のことである。
「(清子:)さ、焦らずに学園の外まで避難してくださいませ。」
「(赤薔薇のアキンド:)慎重にな。」
ところが、どこから出てきたのか「トンカラトン」のような異形が襲い来る。
「(赤薔薇のアキンド:)トンカラトンと言え。トンカラトン...違うな。ただの包帯誠CCOだし、巴投げでなんとかなりそうだ。」
「(清子:)皆さん、怪異なんか気にせずに避難してください!!人を襲うことしか動かない包帯怪異は燃やしておきますわ。」
「清子」の掌から発する炎魔法「フレイムスローワー」は既存の魔法(氷や雷)より高威力で、前列の敵を焼き払うくらいだ。あまりにも強いゆえに、よっぽどの理由がない限り使ってないが怪異がうろついている状況である今、また炎の力を解き放つときだ。
「(清子:)あまりにも大きすぎる力ゆえか、一瞬のうち怪異は灰になりましたわね。」
「(赤薔薇のアキンド:)よし、人員を守りつつ怪異を迎撃しよう。」
人員を狙う包帯怪異を焼き払い、避難経路を確保する「清子」。Phase-1の敵将は現象タイプ怪異。この現象は順番を間違えると取り返しがつかなくなるという。現象と連動する異形「2択カード」は「清子」に選択を迫る。
「(2択カード:)ふたつにひとつ、どっちを選ぶ?」
「(赤薔薇のアキンド:)そういや昨年、似たようなことがあったな。青を選ぶんだ、お嬢さん。」
「(清子:)では、青にしときますわ。怪異さん、よろしくてよ?」
「(2択カード:)...後悔することになるかもよ。」
青を選んだ結果、何も起きなかったかに見える。いや、まだ終わっていない。現象と連動する異形がもうひとり。
「(異形:)ぽぽっぽぽっぽ。」
「(赤薔薇のアキンド:)八尺か?お嬢さん、どうよ?」
「(清子:)怪異が次々と湧き出ては面倒ですわね。怪異に付き合っている暇なんてありませんわ。そろそろ終わりにしましょう。」
「(赤薔薇のアキンド:)よし、時間稼ぎは十分したことだし、一気に畳み掛けようか。」
メンドク星だか面戸供祭だか怪異が湧き出ては、とても面毒犀ので、「清子」の究極奥義「コメットストーム」で怪異を一掃する。現象の正体が判明した。人員の避難が終わった今、生徒会広報が対処してくれるので、「清子」はまもなく撤退するのだが「赤薔薇のアキンド」は生徒会の方針に反して「清子」に異変の調査をさせようとしたその時。
幕切れは唐突に訪れた。
「(清子:)あら、鐘の音を鳴らすタイミングが違うかしら?」
本来ならばありえない時刻に鳴り響く鐘の音を合図にするかのように、校舎内を混乱の渦に巻き込んだ怪異達は次々に姿を消していった。
「(赤薔薇のアキンド:)...時間か。」
残るのは元の世界の光景。避難誘導におわれていた者、討つべき相手を見失ったもの、謎を謎のままで受け入れるしかできない者達は、窓ガラスの外を見やり事態の収束を知る。
「(清子:)赤薔薇さん...?」
異形の宴は日没とともに終わりを告げた。周りを見回しても「赤薔薇のアキンド」の姿はない。彼女は何者なのか、わからないまま「虚校忌譚」は終わる。
「(弦雄:)...なんか全部消えちゃいましたね。俺はしばらくの間残って調査を続けてみるんで、ここにいる皆さんは帰って身体を休めといてください。」
「虚校忌譚」が終わってなお、帰宅部幹部「サイスマン」こと「鎌田弦雄」は引き続き調査を続けることにしたのであった。
「(清子:)結局のところ、赤薔薇さんは何者かしらね...。レベッカさんによく似てらっしゃる。では、帰りますかね。」
「赤薔薇のアキンド」はなぜこの世界に来たのか、「レベッカ」に似ているのか、「清子」は疑問を抱いたまま下校していった。
冬休みに入って2011年12月24日(土)〜25日(日)、2日間にわたって「ミヤモト」主催のフェスティバルのフィナーレであるトーナメントが開催された。「清子」と「和子」は「チーム風紀委員」として参加しており、一回戦の対戦相手「チームアンデッド」の2人「アンデッドルチェ」「アンデスギーター」と戦い、勝ち進むも二回戦で敗退。相手が悪かったのか。
「(ダイス:)私に勝とうだなんて100年早い!!」
「(アレグロ雪郎:)俺はバランス型なんでね。」
「(ミント彩香:)ちょっとばかりか、やりすぎたみたい。」
ちなみにこの大会のためにまた来日した「ラファエル」は「ダイアナ」や「ハイペリオン」とともに「チームアトラス」として参加しており、一回戦の相手を打ちのめしたが二回戦の対戦相手が強かったのか敗退。
「(ラファエル:)さすがは光帝といったところか...。雅史、すまない。」
「(ダイアナ:)...この前の怪異に疲れたからといって、あたしのせいじゃないよ。」
「(ハイペリオン:)学園長は何を考えているのか謎だしな...。」
敗退した5人は「チームシチメン」としてトーナメントに参加している「レベッカ」に顔合わせることはなく退出、決勝まで進んだ「ガジュ」の雄姿を見ることはなかったが、「チームフォルテシモ」として参加した3人「ミュゼット」「カルウ」「チイア」、「チームけいおん」2人「ブチョ」「バニラ」は最後まで「ガジュ」の雄姿を見届けたという。
「(清子:)...最後まで見ておくべきだったのかしら。」
「(和子:)いいんですよ。イイんちょう抜きの大会なんて、つまらないものですから。ひよっこの頑張りを見ても仕方がありません。」
「(清子:)どのみち、レベッカさんに会うことはありませんわ。この前、レベッカさんに似た赤薔薇さんに会いましたがどういう人物なのかは詳しく知ることは叶わないまま過ぎ去りましたがね。」
「(和子:)夢の世界で会えたらいいですね。布団をかぶって寝たいな。帰ろう。」
学園での奇妙な出来事は終わったが、「虚校忌譚」はそう簡単に終わらない。新年を迎えようが、まだ続く。




