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「あなたのことはもう忘れることにします。 探さないでください」〜 お飾りの妻だなんてまっぴらごめんです!  作者: 友坂 悠


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ニーアのお屋敷に。

「ありがとうアランさん、それじゃぁ、明日は朝からくるね」


「おう。待ってるよ」


 にこにこと見送ってくれるアランさん。

 これだけ立派なお店もできて、従業員さんも揃ってる風なのに、これ以上あたしにできることあるんだろうか?

 そんな疑問も湧いたけど、それでもね。

 アランさんが、新しいお店をオープンするときに、これはもうお飾りでもいいからあたしにいてほしい、そう思ってくれたのなら。

 あたしはその期待に応えたいと思う。


 お飾りって言葉は本当はあまり好きじゃなかった。

 けど。

 あたしがそこにいるだけで、アランさんが安心できるなら。

 それって。


「招き猫みたいなものよね」


「え? ハルカ、それってどういう意味?」


「ふふ。飾っておくだけで商売繁盛家内安全、って言うじゃない?」


「あたしがそうだっていうの?」


「そうよ。アランにとって、きっとセリナはそう言う存在なんだわ」


 そっかぁ。

 うん。それも悪くないなぁ。


 お飾り、にも、こういう意味があるなら。

 お飾りって、本来は名ばかりの存在、みたいなネガティブな意味で使われるし、あたしもそう思ってた。まっぴらごめん、だって。


 でも、縁起物の飾りは嫌なものじゃない。

 あたしのことを、縁起がいいからオープンの時にいて欲しい、って言うくらいの意味で思ってくれてるなら、それはそれでまあいっか。って気分。


 あ、もちろん、頑張るよ。

 あたしにできることは頑張って、少しでもアランさんの力になりたい。そう思ってる。


 ふふ。

 明日から、頑張るよー。



 ギディオン様が、なんとなく神妙なお顔でこちらを見ていたのはちょっと気になった。


 何か心配事でもあるの?


 ◇◇◇



 お屋敷に着いたらお姉様が出迎えてくれた。


「もう、遅かったじゃない。セリーヌのマナが帝都に着いたのはとっくに感じてたのに、全然こっちに向かってこないんだもの。心配しちゃったわ」


「はう。お姉様ごめんなさい。ちょっとドーナツ屋さんを見てきたの」


「ふふふ。まあそんなところだと思ったわ。さあ、夕食の準備ができてるから、先にお食事にしましょう? そのあとはお風呂ね。大浴場を沸かしてあるから、もういつでも入れるのよ」


「ありがとう、お姉様」


「あ、その子達がセリーヌの猫ちゃんたちね。可愛いわー」


 ニーアお姉様、ミーシャとノワールに気づくと二人をまとめて抱っこして。


「いいなぁ。可愛いわぁ。あなたたち、わたくし、ニーア・カッサンドラよ。仲良くしてね」


 そう言ってミーシャとノワールに変わりばんこに頬擦りする。


「にゃぁ」「ニャァ」


 二人とも、一応猫のふりしてるけど……。

 抱っこは気に入ってる?

 嫌がってはいないみたい。


 ――この娘も心地よいマナをしているな。

 ――そうね、とってもいい気持ち。


 そんな心話が聞こえてきた。


 そっか。お姉様のことも気に入ってくれたみたいでよかった。


 みんなが仲良くしてくれたら、嬉しいなぁ。


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あなたがすき、だったから……。
新連載始めました。 氷雨そら先生、キムラましゅろう先生主催、 シークレットベビー企画参加作品だった短編、「あなたが好きだったから」を長編化しました。
お楽しみいただけると幸いです。

電子書籍出版しました!
書報です!!
こちらで連載していた四万字程度の中編(番外追加して現在は五万字くらいになってますが)をプロットに、大幅改稿加筆して10万字ほどの本になりました。 電子書籍レーベルの「ミーティアノベルス」様より、10月9日各種サイトからの配信開始となります。 タイトルは 『お飾り』なんてまっぴらごめんです!! です♪ よろしくお願いします。
友坂悠
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