戦闘
28:戦闘
地上に残っていた者は、4つの列車の中でそれぞれ待機している。その列車の中でテンネコは空から降りてくるものに怯えた。
「ヤマくん戦闘の用意!すぐに!」
5分後ヤマくんの指揮で戦闘態勢が整った。
「あー。本格的に恐えよ」
岩陰でアー助が言った。
「うん何が来るかわからんしね。オレも怖い」
同じ岩陰でアデが言った。
ヴフォオフォフォフォーーーーーォォオ!
風を切る風の音とともに、黄土色の巨大なものが見え、さらに巨大な赤色がその上に見えた。地上の者達はじっとそれを見た。すぐに黄土色がバグンだと分かり、地上のものは赤色の方を攻撃した。
バウン!ガ、ガン!
赤色の巨大なものは弾丸や火の玉や風の刃などを受けわずかな間動きを止められた。その隙にバグンとキーポは岩陰へ隠れた。その岩陰へカトリーがさっと走ってきた。大きな瞳に不安をいっぱい浮かべている。
「ザオはどしたの?」
「ああ・・・」
バグンは話しだそうとした。
「真っ二つになって落ちた。おの赤い獣はとんでもなく力持ちだ」
キーポは言った。カトリーは身体の中で膨れ上がった不安が一点に向かって流れ集まっていくのを感じた。
「バカモノゥ!」
カトリーは大きな声と同時に長い鼻から黄色いギザギザの光線を放った。その光線は赤い獣の目玉を焼いた。
「ぐの!ひ、い、いてえな」
赤い獣は両手で焼かれた目を押さえながら地面に降りた。ドスーーーーーンと。
「でてこいおまえら」
赤い獣はたくさんある岩陰に隠れている者達に言った。アー助は真っ赤な顔をして岩陰から飛び出した。赤い獣はアー助の方へ駆けた。ドドドドド、早いリズムの低音で地面が震えた。
プハっ!
アー助が口を開いた。その口からは特大の火の玉が飛びだした。赤い獣は走ってぶつかりそうになったが火の玉のスピードがのろかったので寸前で避けた。赤い獣はアー助をにらんだ。アー助は、アハハ、と小さく笑った。
ボオウ!
避けられた火の玉はクイッと向きを変えて赤い獣に命中した。
「ア、ギイャア、オ、オ、オ、オ・・」
赤い獣は地面を転げまわって火を消した。長く美しかった赤い毛はちりちりの黒こげになっていた。赤い獣は黒い獣になりキレた。黒い獣はドドドドドドドドドドドとアー助の前まで走った。ガコンという音は、吹っ飛んだアー助と、振り上げられた黒い腕を残した。アー助と同じ岩陰に隠れていたアデはシューシューと音がたつほど頭を熱くした。
「やいと!」
アデは黒い獣の足に頭突きした。ゴテッと遠くの方でアー助が落ちる音がした。アデは黒い獣の左足に頭を押し付けたまま身体ごとドリルのように5回転した。黒い獣はすぐにアデを蹴飛ばしたが左足には深い穴が開いた。
ダ、ダダダダダダダダ、ズダ、ダアアダ
影地球の兵士たちはピストル、マシンガン、バズーカなどで獣を攻撃した。黒い獣は両手で頭を覆って伏せたが何発かはまともに当たった。数十分後、影地球の兵たちの銃器の球が切れた。黒い獣が伏せていた辺りには煙や埃が舞っている。みんなは息をのんでいる。やがて空気が動き、煙や埃が消えた。しかし黒い獣の姿は見えなかった。
「ネコだ!」
誰かが叫んだ。みんなも目を凝らして見ると、そこには黒こげのネコが倒れていた。誰かが石をぶつけたが動かなかった。他の誰かが歩み寄ると、ウーゥ、ニャアアァァァァァアァァァアァーーーーーーーーー!という大きく響く鳴き声とともにネコの体中の毛が逆立ち次の瞬間に空に吸い込まれるように消えた。
「あ!」
キーポはガハッと口を開けた。
「いかん!」
バグンは焦って怒鳴った。空には巨大な円がある、そのことがキーポとバグンの頭をよぎった。




