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26:再生
「4匹の手下のネコたちは、1匹以外はみんな破壊作業に区切りをつけたぞ。あれだけ影地球に傷をつけたからな。後は強力な一発で全て終わりだ。全ての人ゴミ(黒い風を浴びた人々)を集めマジャが最期の一発を放つんだ。空からな。もうすぐ、もうすぐ影地球は終わるんだ」
シュガー・リョウは虚空をみるような目で文を見ながら言った。文はすこし焦りを感じた。
「なんてことを!このデブ!お前の友達もみんな消すつもりか?このボケ!!!4匹のネコと、デブいやつと、やせたやつと、メガネの女の子までも消すのか!!!!」
文は焦りと怒りが合わさって怒鳴った。シュガー・リョウは目をまん丸にした。なぜオレンドとキモとカモンのことを文が知ってるんだと思った。何故お前が・・、と言いかけたが、今更そんなことを聞いても仕方が無いと思い止めた。今はオレンド達のことを考えない方がいいと思った。
「ええか、よく聞け!オレは黒い風のせいでカアさんを無くした。そのことは、とてつもなくつらかった。心が悲しい空気で膨れ上がって破裂しそうになった。そしてカアさんが死んだのはオレが生まれたせいだ。オレは死ぬべきだと思い何度も死のうとしたが黒い風はオレをそうさせなかった。そして、そうさせなったのには理由がある。人は心があるから考え苦しむオレがカアさんを無くした時の破裂しそうだった心も無ければ苦しまずにいれたんだ。オレはこの黒い風で人々を解放してやろうと思った。だけどもっといい方法を思いついた。破壊だ。全てが生まれ考え出す前に破壊するんだ!」
文はさらにキレて怒鳴った。
「友達まで破壊する気?!!今生きている人達まで破壊する気かい!!!!」
シュガー・リョウの両目がぐらぐらっと揺れた。
「お前は逃げただけだ!お前を苦しめるものに負けて逃げたんだ!!!きちんと考えることをしないできちんと生きることから逃げた臆病者だ!!!」
シュガー・リョウは文の言葉にむかついた。そして、頭に血管を浮かべて怒鳴った。
「お前に何が分かるかーーーーー!!!!!アホそうな目をしているお前に!!!!!」
「ずっと側にいてくれたネコたちと、ずっとお前のことを想い続けている友達を破壊するようなバカよりは分かるっ!」
シュガー・リョウは体中の力が抜けていくのを感じた。そして計画を実行するためだけに使っていた心が真っ白くなっていった。それから今まで時々涙が頬をつたっていた訳がわかった。真っ白になった心にはオレンド、キモ、カモ、キズ、マジャ、やせネコ、オフザケさんの顔が次々に浮かんできた。シュガー・リョウは文の言葉によって閉ざしていた心が開けたのを感じた。シュガー・リョウの、まん丸な目からは涙があふれ次から次から流れ出ている。シュガー・リョウは壁に向かって走り丸窓から外へ出た。そして穴のあいた風船のように空を飛んで行った。太った身体がとんでもないスピードでとんでもない飛び方をして行った。文は急な出来事なので20秒間あたまが回らなかった。
「あ!あーーーーー。炎絵の鳥くん!」
文は丸窓から顔を出し炎絵の鳥を呼ぶと、その背中へ飛び降りた。
「あのデブ追って!」




