ギーシ・フンケキ島11・やりー、やりやがったぜ
23:ギーシ・フンケキ島11・やりー、やりやがったぜ
ヤマくんたちと傷ついていた他の影地球の兵士は、昨日テントをはった場所で休んでいる。兵士たちはテンネコに傷を治してもらったのでだいたい元気になった。テントの数が不足しているためよっぽど具合の悪い人以外は外に寝転がっている。ヤマくんチームは輪になって外に寝転がっている。ヤマくんはみんなが寝静まってから隣のサクライさんに話しかけた。
「文が帰ってきたら、いよいよシュガー・リョウとの決戦だ。・・・その決戦で僕たちが勝利を収めて、影地球も地球も滅びの危機を無事に乗り切ることが出来たら・・・、」
ヤマくんは30代の男の持つ子供の顔で照れ笑いをした。サクライさんは薄眼で星空を見ている。
「・・・またこんなことが起こっちゃうと、ややこしくて忙しくなるから、その前に・・・一緒になろう」
サクライさんは目をつむって、2秒してひらいて、ドキドキしながらほっとして、
「いえす」
と言った。2人はドキドキしながらほっとして手を繋いで、目をつむった。
「おめでとー!!!」
みんなが大声で言った。みんなはなんとなく眠れずに起きていたのだ。2人はびっくりした。
「オレをうらぎりやがってバカな女だ」
サクライさんから離れたところで上半身を起こしてキーポが言った。サクライさんはさっと起きてだっと走ってキーポの顎をけり上げた。キーポは、えぐ、と言って深い眠りに落ちた。みんなは眠気が覚めてしまったので上半身を起こし、坐りこんでそれぞれ話をしはじめた。カトリーは長い鼻でザオの頬をつついた。
「ねえ、・・・まだくやしい?」
ザオはしばらくそのままじっとして、さっとカトリーの耳に口を寄せて言った。
「ちょっとはくやしい。でも次は勝つぜ」
カトリーはザオの頬に自分の頬を寄せた。
「単純に立ち直るのがザオのいところ!」
「コノヤロ」
ザオは笑った。
「文のやつうまくやるかな?」
アー助はテンネコに聞いた。
「文君はきっと、なんでもそれなりにやる人ですから、それなりにうまくやるでしょう。心配ないと思うよ」
テンネコはあぐらをかいて坐るアー助を見上げて言った。
「なあなあ」
アー助は言いながら耳をほじくった。
「テンネコ今日は疲れたろ?」
返事が無いので下を見ると小さなおなかをふくらんだりひっこんだりしながらテンネコは静かに眠っていた。アー助はやさしく頭をなでた。
「おつかれさん」
「アー助、テンネコ寝たん?」
隣のアデが小声で聞いた。
「おう疲れちょるんじゃろう。寝かっしゃろうや」
アー助が言うと。アデは可愛い頭をこくりと動かした。
「シュガー・リョウどうやって倒すんかねえ?」
アデは聞いた。
「分からんけど文しか近付けんじゃろ?オレらあは永遠の冒険心持ってないからの」
「そうだね。応援しよう。・・・シュガー・リョウやっつけたら帰るん?地球に」
アデはアー助の目をみて聞いた。
「帰る、じゃろう・・・。と思う」
「ま、倒してからの話だね」
「そうだな」
タチバナさんはバグンのふかふかの腹が気に入ってベッドにしていた。
「バグンの腹は寝心地いいね!」
「そうか。・・・さっきからメガネのオヤジが暗闇からこっちを見てるぞ。あれは何者だ」
タチバナさんはバグンに言われて下の暗闇を見た。メガネのレンズが月明かりに反射してうすく光っている。
「オッサン!オッサンもバグンのお腹に乗りたいの?」
メガネに反射する薄明かりの動きで頷いたことが分かった。
「だったら早く言えよ」
バグンはメガネ外人を手でつまんで腹に乗せた。
「どう?オッサン」
タチバナさんは隣のメガネ外人に聞いた。
「い・・・いい乗り心地っしゅね。はい」
「ねえ、見て、ここじゃ夜になると光る石がたくさん浮かぶのね。とても不思議でステキ」
メガネ外人は空を見上げた。昨日の夜アー助とみたように巨大な石が浮かび、ぼんやりと光っている。
「そっしゅね。あは、なんかタチバナさんが言うと、ほ、本当心からステキっておもえるっしゅね」
「あっは。何で!?」
タチバナさんは短い髪をかさかさと躍らせてメガネ外人の方を見た。2人はしばし向き合った。タチバナさんは答えを待っていた。メガネ外人は答えを待つタチバナさんを見ていた。
「タチバナさんの感性は豊かでいいっしゅねえ」
「それはどうも」
「うふ、ま、また今度も、た、旅したいっしゅね」
「オッサンと旅するの楽しいしまた旅したいね。でも、その前にもうひとふんばりして影地球を救わないとね!」
ね!といいながらタチバナさんはメガネ外人の脊中を叩いた。
「そ、そっしゅね!やる気でたっしゅ!」
メガネ外人は1人誰よりも熱くなった。
ボボボボボオオ ボオオオオオ・・・。メガネ外人の中の熱くなった炎くらいの激しい炎が夜空の闇を赤く染めている。夜の空に浮かぶ鳥が他の炎をみんなは見た。おお!という声がどこかで上がり次第にあちこちで声が上がる。大歓声のに包まれながら鳥は地上に降り立った。
「やあ!成功したよ」
文は鳥から降り、右手の人差指で鼻の頭を掻きながら言った。
「やりー、やりやがったぜ!」
アー助は大声で叫んだ。
「さすが文!」
ヤマくんチームのみんなも大声で言った。




