ギーシ・フンケキ島10・オッス!炎絵の鳥君
21:ギーシ・フンケキ島10・オッス!炎絵の鳥君
文は走った。白く巨大なキバ岩の森の中を。遠くの一点を見つめたまま走った。太陽は一番高い位置にいる。首筋は汗で光る。文は走った。一つも休まないで走った。青い空の下がやがて赤い空の下にかわっていくまで。そして一番星が姿を見せる頃、
「あ、あ、あ!」
森は途切れた。
「あ、あ、あれか!?」
古く、乾いている、白く巨大な、四角い石の台のある、赤く乾いた場所にたどり着いた。
「はあ、はあ、はあ、疲れたーーーーーーー。
あれ?鳥がでてこん。あれ?
・・・・・・・・・・。うーんうーん。
・・・・・・・・・・。寝るか。
ぐーーーーー。ぐーーーーー。んかっ、くーーーーー。く、くーーーーー」
文は眠ってしまった。
文はいつの間にか乾いた赤い大地の上につったっていた。大地の上には、オレンジ色と赤色と白色の混ざり合った雲々が山や海をつくっている。とても美しく温かい感じでゆっくり形を変えてゆく。
↧§
遠くの空に白く燃える何かがいる。そして僕を呼んでいるみたいだ。雲がこんなに近くにある。雲の山や海はなんか温かいし綺麗だ。天国だとしたら、走りすぎで死んじゃったのかい!?僕は死にたくないんだよ!サクライさんを1人にするのはかわいそうさ!遠くの空にいた何かはゆっくりとこっちに近付いている。何か怖いよ!僕、泣くよお!遠くの空にいた何かはこの間夢に出てきた炎絵の鳥だった。ほっとした。お迎えの人じゃなくてよかった。
「オッス!炎絵の鳥くん!」
『文。ワシはおまえが気に入った。どこまでもデタラメなやつだが、一応善悪の区別をしているようだし、何よりもとてつもない冒険心にあふれている』
「お!褒めてくれるとはありがたい!」
『・・・。永遠の冒険心が欲しいのだろう?知っている。島に来たお前たちをずっと見ていた。とても、おもしろかった。久しぶりイイ時間を過ごした』
「そ!そうだった。永遠の冒険心がいるんだった。そ!そうだ。炎絵の鳥くん、はやくくれ!」
『・・・。しかし、生きる間、いや生まれかわってこれから先ずっと冒険者でいることになるぞ。カクゴあるのか?』
「僕は僕さーーーーーぁ!!!」
『・・・・・・。ま、よかろう。では・・・』
体の中に僕の持ち物が光っている。それは赤いハートで冒険心という名だ。その中にかすかに炎絵の鳥が描かれている。
ボウズ頭の子供が見える。僕と同じくらいの歳だろう。黒い半そでと半ズボン姿だ。その子供を思い続けている3人の子供と4匹のネコたちが見える。デブとやせとメガネの女の子と黒ネコと赤毛のネコと茶と黒色の斑のネコと白色のやせたネコだ。
§↧
文は石の台に背をもたれた恰好で目を覚ました。夜だった。夜風が髪の毛をなぜていく。汗はすっかり乾いていて文はなんだかやる気が出ていた。ふと石の台を振り向くと炎絵の鳥がはっきり強く燃えていた。文は炎絵の鳥にお願いを言った。
「僕を背中に乗せてみんなのところへ飛んでくれ!」
青い夜空の下、赤く燃える鳥は白い石の台の上で、ボウオッ!と文に答えた。




