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ギーシフンケキ島4・文とバグン
13:ギーシフンケキ島4・文とバグン
文とバグンは雲の上から湖のほとりに降りた。文は湖に頭を突っ込んで水を飲んだ。
「バグンくん水飲まないの?」
「オレは水より肉食いたい」
文はその辺のオタマジャクシを手づかみで取ってはバグンに投げた。バグンは口を開いて次々に食べた。
「いつもあんなふうに飛んでるの?ぽいぽいぽい」
「いいやいつからか飛ばなくなっていた。ぱくぱくぱく」
「なんで?ぽいぽいぽい」
「ぱくぱくぱく。いつでも飛べるって思ってたら、いつでも飛ばんようになっていたんだ」
「あんなに楽しいのに?ぽいぽいぽいぽい」
「ぱくぱくぱく。当たり前が続くとな、そんなもんだ。・・・けどそういうのに限って大切なものが多いんだ」
「ふーん。僕ちょっと疲れたから寝るね。ぐーぐーぐー」
バグンは耳の翼を手入れしながら、むかし親に抱かれて眠っていた日のことを思った。当たり前の場所を与えられていた日々の事を。
「今度は与える番かもな」




