第6話「小鬼と日本とサトウキビ」
「さて、どうするか……」
俺は異世界にきていちばんの危機に直面している。
松明が灯す暖かい光。
地面に広がる枯葉。
目の前に佇む素朴な木の檻。
そう、捕縛された。
ーー時は遡って30分前。
俺は漫画やアニメで見るようなゴブリン村を目の前にしていた。
正直ようやく異世界に来たという実感が湧く。
「まぁゴブリン程度なら倒せるか。」
ゴブリンといえばRPGでも雑魚敵って呼ばれることが多い魔物だ。
「お前ゴブリン舐めすぎな。」
「だって俺チート持ちだよ?仮にもチート持ち主人公がそんな雑魚に倒されると思うか?」
「俺は知らんぞ。」
「上等じゃボケ。」
このAIはどうしても好きになれない。
俺はゴブリン村に侵入した。
「お、あれがゴブリンか」
ゴブリンは子供のような見た目をしていた。
「よし、万片物検索!」
初めて俺はスキルを使った。
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〈解析結果〉
小鬼 LV13
種族:ゴブリン
スキル:投擲LV1 短剣術LV1
図鑑説明:最もメジャーなゴブリン。知能が通常の魔物より高いため群れで行動することが多い。小鬼が多いと感じたら近くにゴブリンの村があるかもしれない。
支給アイテム
・ポテチの袋
・キッ○ン泡ハ○ター
・お酢
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おお!すごい!こんなふうに出るんだ!
解析結果を見てテンションが上がってた俺は少し時間が経ってから気づいた。
「なんで一人暮らし始めたての大学生のキッチンに置いてある物みたいなセットなんだよ!」
そう、なぜか支給アイテムが謎の日常品なのだ。
ポテチの袋とか異世界にあっちゃダメだろ。
いやダメではないのだが。
というかゴブリンレベル13なんか。
ちなみに俺はどれくらいのレベルなのか。
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〈解析結果〉
佐藤 稔 LV10
種族:人間(転生者) ジョブ:未定
スキル:万片物検索LV1
図鑑説明:空から落ちてきた別世界からの転生者。
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「レベルひっく。」
いや、まあ転生初期って考えればまぁ……
というかジョブってあるんだな。異世界っぽくていいな。
まあレベル差も一応少ないしこれならギリ戦えるか?
俺は木の枝を拾った。
「死に晒せクソゴブリンーッ!」
(バキッ)
え?木の枝が折れた?
「あ、いえ、ちょま-」
「ギィギギギ……」
なんか集まってきた。
多分侵入者に対して警戒しているんだろう。
「ギィー!ギギギィ!」
「ギギギィ!」
ん?なんか様子が……
「あまりにも弱いから笑われてますね。」
「的確な情報ありがとう無能AI。」
「ちなみにレベル10とレベル13では結構戦力差は大きいです。高レベル帯は少しのレベル差、3とか4くらいならなんてことないですが、低レベル帯のレベル差はかなり大きいです。」
「うん、言うのが遅いよ。」
「私は忠告してましたが。」
「ぐう」
「ぐうの音が出るなら大丈夫ですね。」
だいじょばないです。
って言うかなんか助っ人外国人並みのデカさのやつ来たんだけど……
一応……
「万片物検索。」
俺は小声で発動させた。
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〈解析結果〉
大小鬼LV25
種族:ゴブリン
スキル:棍棒術LV2 打撃強化LV3
図鑑説明:小鬼の特異種。1.8m〜3mのゴブリンが主に大小鬼として扱われる。基本は小鬼と同じだがパワーが高く、基本群れない。もし群れでいるならば、そこにはリーダーとなるゴブリンがいるだろう。
支給アイテム
・なし
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レベルたっか!
「というか支給アイテムなしってどういうことだよ!」
「おそらくこのゴブリン村自体が戦闘イベントなのかもしれませんね。」
「天才的な推測どうもAI!」
「最高峰AIですからね。」
しかも群れてるよな。群れてるってことはやっぱリーダー格がいるのか?
まあいるか。村だし。
「ギギギィ!」
ん?なんかまた来た。変な服だな。
「ギギギィ、ギギギギギィ。」
なんか周りをまとめてる?
リーダーっぽいな。
一応能力とか見ておくか。
「万片物検索」
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〈解析結果〉
小鬼呪詛師 LV20
種族:ゴブリン
スキル:発火LV2 調合LV3 小鬼唄LV3
図鑑説明:ゴブリンの中でも魔法を使う珍しい個体。知能は普通の小鬼より高いがパワーは低い。小鬼唄は使われるとゴブリンが強化されてしまうため注意。小鬼呪詛師単体では弱いが群れだと恐ろしい強さになる。唯一の欠点は鼻が悪いこと。
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「…………。」
バフ役兼魔法使いがいるとは聞いていない。
俺は両手をあげて言った。
「投降します。」
そして今、こうなった。
「まじでどうしよう…」
「おい…お前、捕まったのか?」
「うわ!何お前!」
見たらそこには変な男がいた。
なんだよこいつ。
そいつは立ち上がり言った。
「質問を質問で返すなあーっ!」
「疑問文には疑問文で答えろと進○ゼミで教えられていた!!」
「進○ゼミに対する風評被害だろ。」
ん?なんかおかしい……
勢いで会話したが何かが引っ掛かっている。
あ!そうじゃん!
「ってなんでお前進○ゼミ知ってんだよ!!」
「こっちのセリフだ!」
相手も驚いている。
……もしかして
「「お前日本人?」」
(ガシッ)
俺とこいつは熱い握手を交わした。




