第3話「ラノベの記憶とサトウキビ」
俺はあの美しい純白の部屋の真ん中で正座させられていた。
何故かって?それはもちろんーー
あのガキに喧嘩に負けた。
別に本気で戦ったわけじゃないからね。
うん。子供相手に大人気ないもんね。
本気で戦うなんて。
花を持たせてやったんだ。
うん。
「落ち着きましたか?」
女神様が優しく言ってくれた。
優しいし、ありがたい。
女神様の顔を拝もうと思ったら。
「あ、すっごいゴミを見る目。」
「そんな事はないですよ。」
「そんなことある目なんですけど。」
「そ、それより早く転生の手続きを……」
「あ、話逸らした。」
「いい加減にしろ。有機物。」
「それで転生の手続きでしたっけ?どんどんやりましょう。」
別にあのガキにビビってるわけじゃなくて話を進めないと女神様に申し訳ないからね。うん。
「そ、それでは転生の手続きを開始します。」
「有機物、あの円の中に立て」
「あの、すっごいあれ禍々しいんですけど」
円の中には謎の模様や呪文らしきものがびっしり書かれていた。
「これからあなたの魂に能力と言語知識を刻みます。」
「ねえ女神様、それって副作用ある?」
俺はこれと似た展開のラノベを見たことがある。
そのラノベには運が悪いと頭がパーになるっていう副作用があった。
「特に副作用はないですよ。」
「よかったぁ……。」
これで副作用があったらどうしようかと……
「ただ、運が悪いと魂が不安定な状態になり転生した瞬間に死亡するかもしれないだけですから。」
「副作用ガチガチにあるじゃないですか。」
「どうせ死んでもまたこっちに戻るんだから良くないですか?」
「良くないですが?」
「そうなんですか?」
「そうなんですが。」
「まあいいじゃないですか。」
「いくないですが?」
「黙れ有機物」
ガキがキレてしまった。
「は、はい。」
別にガキが怖くて従ったわけじゃないからね。そうに決まってる。
そんな俺に女神様は慈悲の目を向けられながら言われた。
「じゃあ円の中にーー」
そこであのガキを見ると
(あ、すっごい睨まれてる。)
「イエッサー!」
光の速度で俺は円の中に立った。
「じゃ、じゃあ始めますね……」
女神様はそう言うと何か操作し始めた。
(ギギギギギギィ)
うん?
なんか変な機械音がしーー
「ぎゃああああああぁっ!」
俺は人生最大の痛みに襲われた。
例えるなら中国4000年の武術を使われて金的されたような痛み。
いや、もっと恐ろしい痛みだった。
(バタッ)
俺は気を失ったようだ。
死んでるのに。




