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第1話「女神と酒とサトウキビ」

「あ、ども」


「……え?」


俺が見たのは美しいほどに白く荘厳な部屋で座っている絶世の美少女だった。


現世でもし居たら多分ファンが12万人ほどいるレベルだ。


ただしパジャマ姿だった。


「ちょっと待ってに着替えるから!」


目の前の美少女は、そう言うとパジャマが光りあっという間に羽衣に変化した。


ところでこれってさ、多分異世界転生ってやつだよな。


じゃあ自己紹介しといた方がいいよな。


「俺の名前は佐藤稔。みんなからは砂糖が実るからサトウキビって呼ばれている。なんでサトウキビなんだよ。サトウキビ自体には砂糖は実らねえだろ!」


「なんでこの人はナレーション的なのをやってんの……というか今日は休暇のはずじゃ……」


美しいその女性はそう言うとタブレットのようなものを取り出し何かを確認し、読み上げた。


「デュオニュソス様から……『俺酒飲みたいから今日の仕事頼んだー。テンプレは送ってるからよろー』」


(バキッ)


なんかタブレットらしきものがえぐい壊れ方した。


すっごい怒ってるわ。


「…………」


なんか気まずい。そうだ場を和ませよう!


「やめて!ローマの豊穣神の特殊能力で、リインカーネーション・コアディネーターズ・スピリットを焼き払われたら、闇のワークで精神と繋がってる女神様の魂まで燃え尽きちゃう! お願い、死なないで女神様! あんたが今ここで倒れたら、他の神様や転生の約束はどうなっちゃうの? ライフはまだ残ってる。ここを耐えれば、残業に勝てるんだから! 次回「女神様死す」デュエルスタンバイ!」


そうボケた瞬間謎の美少年が現れた。


何を言ってるか分からないだろうが、俺も何を言ってるのか分からない。


――が、一つだけ確実に言えることがある。


その少年は謎の神々しさを帯びていた。


そして美しかった。


「美しい」というより、「神秘的」と言った方がいいと思う。


純白の部屋が紫のトーガを際立たせ、特有の美しさ、神秘を感じさせる。


そんな美しさだった。


その少年はゆっくり口を開いた。


一体何を言うのか。


この神々しい少年が何を言うのか。


俺は固唾を呑んで見ていた。


「サーケサケサケwおwまwえwおwもwろwすwぎwww気に入ったから少し転生時サービスしてやるよ」


前言撤回。全然神々しさなんてない。


あと笑い方の癖が強すぎて一瞬で正体がわかった。


酒の神だから笑い方もサーケサケサケってか。


は?


というか酔っ払ってるだろ。あれ。


「いるなら働けよ。」


女神様が真面目な顔で言い放った。


そう言われた瞬間逃げるように黙ってデュオニュソスはフェードアウトした。


「…………」


あ、すっごい怒ってる。


女神様キレてるわ。


女神様は淡々と事務的に話し始めた。


「あなたは死んでしまいました。そこであなたは神界の規則に従って転生していただきます。ですが……もうそろそろ人類を進化すべきという声が多いため俗にいうチート能力を授け、転生させます。」


「すっごいカンペ感」


「何か文句でも?」


「いいえ。」


「よろしい。」


「あなたへの転生特典はこちらです。」


(大きなスクリーンにだいだいと表示される)


「チャットDBTのチャットを元にチート能力を授ける」


「は?」


俺は人生最大の疑問符を頭に浮かべた。


死んでるから人生ではないのかもしれないが。

部下に仕事押し付ける上司ってやだよね。

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