↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無能の器と嗤われた少年は、誓いだけを胸に立ち上がる  作者: 冬城 透真


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
39/42

対峙

黒い結晶の塊から、いくつもの眷属が生まれ落ちた。


昨日戦ったものよりも、さらに禍々しい姿をしている。結晶に体の大半を侵食され、もはや元の魔物の面影を残していない個体もいた。


「囲まれるな、背中を合わせろ!」


フェリクの声に、僕らは互いの背を守るように陣形を組んだ。


「シャナ殿、僕らで足止めします。(こく)の本体は」


「今は、あの眷属を片付けるのが先だ。核自身は、まだ本気を出していない」


シャナの言葉通り、核の塊はまだ、洞窟の中央でうねるように脈打っているだけだった。


*


眷属の一体が、僕へ向かって突進してきた。(ちかい)の力を纏った剣で迎え撃つが、結晶に覆われた体は、以前よりも硬く、剣が弾かれそうになる。


「弱点は変わらない、まだ結晶の薄い場所を探せ!」


シャナの指示に従い、僕は眷属の関節部分――結晶の侵食が薄い箇所を狙った。剣先が僅かに食い込む。渾身の力を込め、そこを貫く。


眷属が、断末魔の声を上げて崩れ落ちた。だが、その隙に、別の一体がフェリクへと迫っていた。


「フェリク!」


「分かってる!」


フェリクが剣を返し、辛くもその一撃を防ぐ。だが、体勢を崩し、片膝をついた。


「フェリク!」


僕は誓の力を全開にし、地を蹴った。フェリクに迫る眷属の側面へ回り込み、剣を叩き込む。二人がかりで、ようやくその一体を沈めることができた。


*


「はぁ……はぁ……このペースだと、いずれ数で押し切られる」


肩で息をしながら、フェリクがそう漏らした。実際、眷属は次々と生まれ落ち、切りがなかった。


「核そのものを止めない限り、意味がない」


シャナが、剣を構えたまま、洞窟の中央を見据えた。


「私が、道を開く。ロナン、お前は核の本体へ向かえ」


「シャナ殿は」


「ここで、眷属を食い止める。フェリク、手を貸してくれるか」


「もちろんです」


フェリクが即座に頷いた。僕は、一瞬の迷いを振り切り、剣を握り直した。


「必ず、決着をつけます」


「信じている」


シャナの言葉を背に受け、僕は核の塊へ向かって、まっすぐに走り出した。誓の光が、これまでにないほど強く、手のひらの中で燃え上がっていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。