36話 前編 組織レッドコートメンバーの確保
赤いコートを羽織った首輪をつけた男が吉塚に勝負を挑んだ。吉塚は剣先を彼の方に向ける。
首輪をつけた男が刀で斬り付けようとするもその攻撃を吉塚は剣で受け止める。
「俺はNPCじゃないが、相手が俺でもいいか?」
「舐めやがって、同じゲームプレイヤーなのに何故お前らは俺たちの味方にならない!」
吉塚は剣で刀を弾くと剣を構えなおして問いで返す。
「何故君たちはこの世界がゲームの世界であると歪んだ物の見方をする?」
首輪をつけた男も同じく刀を持ちなおし質問に答えた。
「ゲームの世界じゃないと説明がつかないことだらけだからだ」
「それは君たちが世界を知らないだけだ。足りないことを想像で埋めているだけなんだ」
そう言われると腹が立つのか刀を吉塚へ向けて怒りの籠った表情となる。
「偉そうに。お前は全てを知っているというのか? 悟ったつもりか?」
「何故張り合おうとするんだ? 悟ってなければ話したり教えちゃいけないのか? 何故怒る? 何に怒っているんだ?」
首輪をつけた男は刀を振り上げると吉塚は一瞬の隙を狙って剣の柄で突く。
「うっ」
みぞおちを突かれ咳き込みながら倒れこむ。
吉塚は剣を鞘へしまうと「もう終わりだ」と呟いた。
〇
赤いコートを羽織る坊主頭の男は薙刀を振るい、ノワールの植物を召喚する魔法攻撃から身を守っていた。
「この! だったらこれはどう?!」
ノワールは詠唱をしモンスターを召喚する。
「来なさい! ローズドラゴン!」
薔薇の姿をしたドラゴンだ。赤いコートの坊主頭を狙い棘の生えた無数のつるで動きを封じようとする。だが拘束する途中で赤いコートの長髪を束ねた男が両手で印を組み炎を吐いてつるを焼き尽くしてしまった。
拘束されそうであった坊主頭の男は長髪を束ねた男に「ありがとう」とお礼を言う。
長髪を束ねた男は今度は王林の三頭の飛竜の相手をし始め炎を吐いて攻撃する。
ローズドラゴンは炎に巻かれ苦しそうにもがいている。
ノワールは魔法を詠唱し水の流れを作り宙に水の渦を作り出す。
「ウオーターハザード!」
水の渦をローズドラゴンに浴びせ消火していく。
その間にもノワールを狙って坊主頭の男の薙刀が振るわれようとしてしていた。すると今度は奏楽が立ち塞がりペガサスの翼で防御しノワールを守った。
「大丈夫かノワール!」
「おかげさまで」
ナナがピンチに駆けつけ人差し指を坊主頭の男へと向ける。
「サンダーライト!」
人差し指から雷が飛び坊主頭の男に命中し体を震わせながら倒れるのだった。
〇
長髪を束ねた男が王林の三頭の飛竜と戦いを繰り広げていた。上級のドラゴンを相手に長髪を束ねた男は身軽に攻撃を躱しながら戦っている。
王林は三頭の飛竜に指示を出す。
「お前の力を見せてやれ! 閃光のバースト!」
三つの口から光線が放たれるも僅かな隙間を探し躱していく。まるで空を飛んでいるかのように身軽な動きであった。
さらに両手で印を組み攻撃する姿勢をとる。
「火遁豪爆殺の術」
炎が蛇のようにくねくねと動き三頭の飛竜へと接近し体中に巻き付き一気に爆発した。
悲鳴を上げる三頭の飛竜。
「三頭の飛竜!!」
炎を操る長髪を束ねた男。彼は強いと確信する。三頭の飛竜の攻撃は当たらず的確に遠距離攻撃を当ててくる。
王林はさらにモンスターを召喚した。カードを一枚召喚板に配置する。
「いでよ! 雷獣ライオウ!」
雷を纏って現れた獣ライオウは走って長髪を束ねた男へと向かっていく。
長髪を束ねた男は手で印を組んで炎を吐いた。
「火遁豪爆殺の術」
再び炎が蛇のようにくねくねと動いてそれがライオウ目掛けて進むもライオウは全身から放電し、炎はライオウに届かず爆発した。
「なんとっ?!」
長髪を束ねた男はライオウに嚙みつかれ、そのまま雷撃をくらってしまう。
「ああああああああ!」
身体を震わせそのまま倒れてしまった。王林がカードを召喚板から着脱するとモンスターは消えていったのだった。
「ありがとう、ライオウ、三頭の飛竜」




