34話 後編 コンピューターじゃない
奏楽はエクスマキナの少女すずと共にモンスターの討伐と魔女の保護と救助をすることにした。いつもの仕事だ。
異世界の霧の町へ行くべくすずと共に町の中をパトロールしている。
キーンと高い音の耳鳴りがするのと同時にエクスマキナの少女すずの反応が感知された。
「危険反応感知。これより任務を開始する」
すずが立ち上がり右手を外して右脇に抱え、右腕を前方へ構えると光の輪が出現する。
奏楽とすずは光の輪を潜って異世界へ行く。
異世界へたどり着いた奏楽とすずは霧の町中を探索した。どこかにモンスターがいるか魔女がいるはずだ。すると女性の叫び声が聞こえた。
――キャアアアアアアア。
甲高い叫び声だ。奏楽とすずは走って現場に向かうと家の前で大きなスライムに襲われている女性がいた。身なりからして異世界の人間だ。
女性の前に立つすず。だがしかしスライムを相手にする場合ナイフも銃も効かない。
奏楽は声を上げた。
「スライムを倒す術が俺たちはない。一旦その女性を連れて避難しよう」
「任務了解。保護対象と共に一時撤退する」
〇
王都の拘留所で侵入者が出た。赤いコートの男たちである。
オールバックの男が拘留所で叫ぶ。
「脱走もゲームの内ってか!」
六人の赤いコートの男たちを止めに警備兵たちがやってきた。警備兵は剣を持ち侵入者たちを牽制するが六人にとって足止めにもならなかった。
鉄の爪を構える赤髪の赤いコートの男。
「ここは俺に任せろ。仲間を頼んだぞ!」
一人が警備兵を相手にしようとしたところ、とある冒険者の邪魔が入る。
サメガールことサメのきぐるみを着たベッシ・アンデイスである。
「ここは私が通さない」
ベッシの周りにはたくさんの冒険者たちが募っていた。
六人の赤いコートの男たちは完全に足止めをくらってしまう。
〇
ベッシがオールバックの男の相手をし、何故邪魔をするのかと問われてしまう。
「何故俺たちの邪魔をするんだ。同じゲームプレイヤーだろ?!」
ベッシは「聞いていたとおりね」と呟く。
「この世界をゲームの世界だと思っている異常者」
集まって脱走の妨害をする冒険者の中にはサメのきぐるみを着て戦闘しているあんたも相当酔狂だけどなと思われるのだった。
「ゲームの世界じゃなければ、こんなことはできねえ」
オールバックの男が詠唱し刀に炎が巻かれる。
「炎刀! これでもくらいな!」
炎に巻かれた刀が振るわれベッシはサメのきぐるみの両ひれで受け止める。
「そんなものであたいはやられないね!」
両ひれで受け止めたまま宙を舞い足の部分の尾びれで蹴りを浴びせる。
オールバックの男は胸に蹴りをくらってしまうが刀を放すことをせずに耐える。
「やるじゃねえか。その身なりでその力。この世界がゲームの世界だからこそできる技じゃないのか?!」
「日々の鍛錬の成果よ!」
刀を放して数歩下がるベッシ。オールバックの男は汗を拭うと刀を構えなおす。
〇
赤いコートの男たちは冒険者と戦うもうまくいかず捕まるメンバーが出てきていた。武器に鉄の爪を使う赤髪の男がすでに冒険者たちにより捕まってしまっていた。
長髪を束ねた男が炎を吐き撤退を促す。坊主頭の赤いコートの男が「撤退するぞ!」と声を上げる。
残りの五人の赤いコートの男たちは逃げることに。
オールバックの男はベッシに「いつか決着をつける」と言って背を向けるのだった。
拘留所から逃げ出す赤いコートの男たち。仲間の脱走がうまくいかず人数は五人になってしまった。




