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31話 後編 赤いコートの二人組

 シルドラが風を纏い赤いコートの男たちに向かって突進していく。二人の男は突進を躱して攻撃の準備に移った。

 オールバックの男は刀を鞘から引き抜いて攻撃する隙を探す。


「風属性のドラゴンなんてよお! 風はダメージの内に入らねえ!」


 長髪を束ねた男が両手で印を組み炎を吐く。風を纏っているせいもあってシルドラの周囲が炎に巻かれた。

 シルドラは苦しそうにもがき苦しんでいて見ていられなかった王林は召喚板に配置していたカードを取り外した。


「すまないシルドラ! 今逃がすから!」


 オールバックの男は「逃がすのかよ」と言って刀を肩で担ぐ。


「戦う気あるのか?」


 次に三頭の飛竜のカードを召喚板に配置する。


「戦う気ならあるさ! いけマイフェイバリット! 三頭の飛竜!」


 頭が三つで翼があるドラゴンが召喚される。王林一番のお気に入りであり戦力である。


「いけ! 閃光のバースト!」


 三つの口から光線が放たれ二人の男は躱すのに精一杯であった。


「なんだよ! すげえのあんじゃねえかよ」


 長髪を束ねた男はオールバックの男に「小言を言っている暇はなくなったな」と言ってさらに両手で印を組んでいく。


      〇


 王林と赤いコートの男たちが戦っているところ、急に光が舞い降りてきた。神オーディオデの降臨である。金の甲冑を身に着けた茶髪のオーディオデ。彼はレッドコートの男たちを見下ろして「雑兵ども」と呟いた。


「何をしているかこの世界を混乱に陥れている屑どもが」


 赤いコートの男たちは見上げるも彼が何者なのか分かっていない。

 オールバックの男はイベントが発生したと感じている。


「なんだあんた? 神みたいな振りして」


「我は神である。神の中の神である。貴様ら雑兵どもを我が直々に退治しに来た。感謝せよ」


 神の中の神と聞いても赤いコートの男たちはイベント程度にしか思っていない。


 オールバックの男が刀を肩に担いで「そうかいそうかい」と呟く。


「スペシャルイベント発生ってことか」


 オーディオデは必殺の槍グングニルを持ちオールバックの男へ狙いを定める。


「死ね」


 グングニルが放たれるもオールバックの男は刀で弾きながら「おうおうすごいの来たじゃねえか!」とテンションが上がっている様だった。グングニルは放たれた後、自動でオーディオデの手へ戻っていく。

 オールバックの男はテンションが上がり刀を担いで踊り出す始末。


「なんだよなんだよ。すげえの来たじゃねえかよ。神討伐イベント!」


 オーディオデの眉がピクリと動く。


「貴様今神討伐と抜かしたな? 生きて返さぬ」


 さらにグングニルを投擲するも刀で防御する。


「あっぶねえ、あぶねえよ!」


      〇


 刀で防御し続けるオールバックの男。そんな中で長髪を束ねた男は両手で印を組んで忍術を発動する。


「火遁豪爆殺の術!」


 炎が蛇のようにくねくねと動きオーディオデへと接近すると体中に巻き付き一気に爆発した。黒い煙に巻かれるも無傷の姿を現すオーディオデ。


「雑兵ども、今すぐ死にたいようだな。殺してやる」


 グングニルを長髪を束ねた男に向かって投げるもオールバックの男が前に出て防御してしまう。


「あっぶねえ!」


      〇


 奏楽とすずは保護した魔女を教会に引き継いでもらうと、元の世界の警察署に一旦戻ることにした。しかし急に真上から女神フリイグが降臨し彼らにまだ行かないでほしいと頼むのだった。


「実は今、オーディオデ様が戦闘を行っています」


「なんだって?!」


 奏楽とすずはこのまま近くの町へ向かうように指示されるのであった。


「すず、急ごう!」


「任務了解。任務を最新に更新しました」


 神々が実体化するのはよっぽどのことがあってのこと。そうでなければ実体化などしない。

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