26話 後編 徹夜でアンデッド討伐
次の日の朝、アンデッドを倒し終えた彼らはギルドへ戻るとカフェで休憩した。
吉塚は椅子にもたれかかり疲労困憊な態度で首を曲げる。
「さすがに疲れた……」
奏楽も同じようで椅子にもたれかかって肩を落としている。
「疲れたね……」
サメのきぐるみを着たベッシはまだまだ元気な様子でカフェラテを飲んでいる。
彼らのところへノワールとナナがやってきて「おはよう」と挨拶をするも、空も吉塚も元気なく「おはよう」と返す。
ノワールは不思議そうに問う。
「なんでそんなにお疲れ気味なの?」
椅子に座り直し吉塚が答える。
「実は、アンデッドの討伐をしてて徹夜なんだ」
「なるほどー」
納得したようである。
ナナは彼らの分の珈琲を頼んできてくれるようで注文をしに行った。
ノワールはサメのきぐるみを着たベッシが目に入って「この人はどなた?」と聞いてきた。
奏楽は気だるそうに紹介する。
「この人はファイターのベッシ・アンデイスさんです」
するとベッシはこう付け加える。
「サメガールです」
〇
カフェで珈琲を飲み軽食を摂るとエクスマキナの少女すずとの待ち合わせ場所で一度元の世界に帰還することに。警察署に寄って異世界での活動記録のため報告しに行かなくてはならないのだ。
警察署に行き報告が終わる頃には夕方になっていた。家に戻ると母親が待っていて「お疲れ様」と迎えてくれた。
疲れ切った奏楽は自分の部屋に戻って横たわる。しばらく眠ることにするのだった。
三時間ほど仮眠をとった後、母親が夕食を作ってくれていたのでそれを食べることに。
母親は「うまくいってる?」と聞いてくる。
「何が?」
「そりゃあ色々よ」
奏楽は「そりゃあ色々うまくいってるさ」と言いながら焼き鮭を口に運ぶ。
「そうならええよ」
「ああ、そうならええね」
〇
次の日、また異世界へ行くために警察署へ行く。現在エクスマキナのワープ装置でしか異世界へ行くことができない。
しかしながら今日の警察署は殺伐としていた。事件が起こっていたのである。
奏楽は大島警部に何が起こったのか聞くと、殺人犯の立てこもりであった。一軒家で立てこもり住人を人質にとっている。
自分にもできることはないかを問うが専門外でできることは何もなかった。奏楽にできることは空を飛ぶこと、ペガサスとなること、そして狙撃だ。だが狙撃は警察のもっとうまい人がいるため役に立たない。
「ペガサスの翼!」
奏楽はペガサスの翼で上空から観察しようとするもペガサスの翼は展開しない。どうやら使えるのは異世界のみらしい。悔しい思いに苛まれるが、結局この世界では力を持つことができないからこそ、魔女の原初の呪いは意味を失ったのだ。だとしたら如何に異世界で力を振るおうとこちらの世界では無力ということになる。
〇
昼になると立てこもり事件は解決し犯人は無事警察署に連行されていった。
奏楽はエクスマキナの少女すずとともに異世界へと向かう。異世界へとたどり着くと、アンデッドが支配する町へとたどり着いた。いつも通り霧が発生しており幽霊やアンデッドたちが町をゆらゆらと歩いている。教会もあるが、つるが建物を囲んでおり人の手が加わっていないことが分かる。廃町である。
奏楽は詠唱しペガサスの翼を背中から生やし空を飛ぶ、すずはナイフを引き抜いて接近戦の体勢をとった。
「翼で打つ!」
空から急降下しアンデッドへと向かって翼で打って攻撃する。すずは幽霊退治をするために背中から拳銃を取り出しカートリッジを銀の弾丸に変更した。
すずが拳銃で幽霊を撃ちその姿は爆散するように消えていく。奏楽の方はアンデッドたちを翼で打ってスケルトンを解体していく。
二人の息は合っていてそれぞれ自分のやるべきことを遂行しており、アンデッドや幽霊は次々と討伐されていく。




