26話 前編 徹夜でアンデッド討伐
ペガサスとなった奏楽は吉塚を乗せ空を駆ける。そしてシルフとドラゴンの混血のモンスターシルドラを追い詰めた。
吉塚は更なる追い込みをかける。
「シャイニングエキストラソード!」
ペガサスに乗る吉塚の姿は八体にまで増え、シルドラに剣による斬撃を浴びせていく。
シルドラはあまりの猛攻に耐え兼ねてしまい落下していく。
そして落下したシルドラを前に王林は白いカードを向ける。白いカードはシルドラの絵柄へと変わり王林は「よし」と納得する結果に満足した。
だが吉塚はそうではないようだ。ペガサスが地に降りると背から降りて王林へ言った。
「弱ってからじゃないと仲間にならないのであれば一体何のための保護活動なのか」
王林はその言葉に対して何も答えなかった。
ペガサスが奏楽の姿へと戻っていく。奏楽は自分の手を開いたり閉じたりと指を動かして自分の姿が元に戻ったか確認する。
「まさか、俺にこんな力があるとはな」
〇
ギルドに戻ると一人のモンスター使いの少年がシルドラを保護したことを報告する。
討伐が目的のクエストのため、この結果はあまりギルド職員にとってよいものとはいえないらしい。そんな顔をしていた。
報告が終わると奏楽に吉塚は「あんな顔しなくてもなあ」と言い苦笑い。結果として報酬を払われるかといわれると難しいところでもある。結局今回は報酬を支払われたが、次があるとは思えない。
そんな二人の前に突如として現れた変な人。サメのきぐるみを着た謎の女性。サメの口から顔だけが露わになっている。
「やあやあ君たち。私の名前はサメガール。よかったら一緒にモンスターの討伐クエストをしないかい?」
無視していいかどうかも分からない。奏楽は「あなたの名前は?」と聞く。
「サメガール」
吉塚は「そっちの名前じゃねえよ」と突っ込む。
「ああ、サメガールじゃダメかあ」
どうやら自己紹介においてサメガールという別称は問題ないと思っていたらしい。
〇
彼女の本当の名前はベッシ・アンデイス。こんな見た目でも冒険者らしい。
とりあえず今回はクエストが終わったばかりなので次の日の約束をすることに。
ベッシは「そのことなんだけど」と言い出す。
「実は夜なのです」
どうやらクエストの案件はアンデッド討伐らしい。奏楽と吉塚はこのまま次のクエストに向かうこととなった。
〇
奏楽と吉塚そしてベッシはアンデッドに狙われている戸建ての住宅へとやってきた。なぜ狙われているのかも分からず、家の主人と家族は身を守るために毎夜地下に籠っているらしい。
吉塚はさわやかに笑って「任せな」と依頼人の家の主人に声をかけた。
「今夜でその悩みともおさらばさ」
ベッシもうんうんと頷く。
夜になり白骨化した動く遺体が武装して家を取り囲んだ。
奏楽と吉塚とベッシは外に出てこの家を守るべくアンデッドの群れの前に立ち塞がった。
吉塚は剣を引き抜き気合の籠った声を上げる。
「さあ、やってやろうじゃないの!」
奏楽はペガサスの翼を広げ飛翔する。彼の姿を見てベッシが「すげえ」と声を漏らす。そんなベッシの武装は何もない。何故ならファイターだからだ。武器は拳だ。
〇
アンデッドの群れに奏楽が急降下してペガサスの翼で打つ。ペガサスの翼が命中したアンデッドは骨組みがバラバラになり動かなくなる。
吉塚は剣を振るってアンデッドの骨を切りバラバラにしていく。
ベッシも拳をアンデッドに撃ち込み次々と倒していく。彼女は己の戦闘に興奮して声を上げる。
「サメガールは強いのだあ!」
アンデッドの群れは確実に減っていっている。家の中で隠れていた家の主人と家族も彼らの活躍を見て興奮していた。
一気に決めるべく吉塚は詠唱をする。
「シャイニングエキストラソード!」
吉塚は八人に分身し次々とアンデッドを両断していく。アンデッドの討伐完了まではすぐであった。




