↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
48/86

24話 後編 モンスターとの共存

 奏楽はエクスマキナの少女すずとともに霧の町を走っていた。逃亡を図ろうとするモンスターを討伐するのが目的だ。

 モンスターは巨大な狼のような姿で、ギルドではフェンリールと呼ばれていた。


「ペガサスの翼!」


 奏楽は飛翔し上からライフルで狙撃することとする。だが、その時だった。フェンリールを庇うようにタキシードを着た金髪の男が遮る。


「なんだあの人は」


 金髪の男オーウェルは剣を三本引き抜き右手の指の間に挟んで、空を飛ぶ奏楽に投げつける。

 奏楽はライフルを構えるのを止め回避に専念した。


「なんなんだあの人は。モンスターを守っている?」


 降りて地に足を付ける奏楽と相対するオーウェル。


「モンスターを守るなんて、なんでそんなことをするんだ!」


「こちらも言わせてもらおう。なぜ毎度毎度狩る形で終わらせようとするのだギルドの連中は」


 奏楽は彼の発言に言葉が詰まってしまう。


      〇


 フェンリールを追うすずの前にも立ち塞がる者がいた。新たなる魔王である酒井王林である。

 王林は召喚板を左腕に取りつけていて、いつでもモンスターを召喚できる状態だ。

 すずは王林を無視してフェンリールを追い詰めようとするも王林がそれを許さない。


「僕のターン!」


 カードを一枚召喚板の上に配置する。


「僕は雷獣ライオウを召喚!」


 雷が発生し、稲妻が走るとともに現れる雷獣ライオウ。


「あのでか犬は僕の仲間になるのさ。行かせないよ!」


 すずの道を塞ぐように立ち塞がる王林と雷獣ライオウ。


「いけ! ライオウであの女に攻撃!」


 ライオウは電気を纏い駆け出していく。すずはナイフを引き抜いてライオウへと向かっていく。


      〇


 奏楽はすずに合流すると、ライフルを持ってライオウに狙いを定めた。

 王林は「させない!」と叫ぶ。


「僕は、三頭の飛竜を召喚!」


 カードを一枚召喚板に配置する。すると頭が三つあるドラゴンが召喚され奏楽の注意を反らさせた。


「いけ! 三頭の飛竜で攻撃! 閃光のバースト!」


「ペガサスの翼!」


 奏楽はペガサスの翼を展開し翼を前方でクロスし三頭の飛竜のブレス攻撃を防御した。

 ブレス攻撃は強力でガードしているにも関わらず後ろへ体が下がっていく。


「負けてたまるか! 君は何なんだ。なぜモンスターを守ろうとする!」


 王林が答える。


「僕はこの世界の新しい魔王。分からないか? モンスターは仲間になるからだ! 人間と同じで心があるんだ。なんでもかんでも狩ればよいということではない!」


 三頭の飛竜の攻撃により吹き飛ばされる奏楽。そしてライオウとの戦闘でダメージを負い足が動かなくなったすず。勝敗は明確であった。

 王林は「みんなありがとう」と言ってカードを召喚板から外し取る。するとライオウも三頭の飛竜も姿を消すのであった。


      〇


 酒井王林とオーウェルは獣人の血が混ざっているためモンスターの気持ちが分かってしまう。それ故にモンスターを保護している。フェンリールという巨大な狼のようなモンスターも当然保護の対象なのだ。

 なぜ魔王になる必要があったかというと、勇者になってしまうと狩る側になってしまうため必然的にクエストを受けて働くという冒険者職業は理に合わなかったからだ。


 モンスターを統率するという魔王という立ち位置は理にかなっていた。だから魔王になった。ただそれだけのことだった。

 魔王の城でフェンリールとカードの契約を交わすため、真っ白なカードをこのモンスターに向ける。


「みんな生きてていい。狩られなくてもいい。僕がきっとみんなを守るから」


 真っ白なカードにフェンリールの絵が転写されるように描かれる。


「フェンリール。いい名前じゃないか」


 そして巨大な狼型モンスターの体毛を撫でるのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。