09話 後編 2人目の魔女
魔女は何をもって魔女というのか。魔法を使う女性はただの魔法使いらしく魔女とは少し違うらしい。魔女とは呪いが関係しているのかもしれない。
呪われた魔法使いが魔女。そうなると呪いの発生源はどこなのか。
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こうしている間にもギルドに羽虫のモンスターが集まってきている。様々な冒険者が対応に追われている。奏楽も何もしないわけにはいかない。
ギルドの建物から出るとペガサスの翼を唱え翼を生やし飛翔する。
エクスマキナの少女も背中のホルスターから拳銃を取り出し戦闘に参加する。
兵隊のように数多くの羽虫のモンスターがギルドを囲んでいる。魔女の影響により羽虫のモンスターが集まるためギルドの周りの家々に住む人々はとっくに避難していた。自分のせいで多大な迷惑が掛かる。そんなプレッシャーを感じながらも高笑いするノワール。一見いかれているようにも思えるが、そんなプレッシャーに耐え切れずトイレに行って嘔吐していた。
ノワールは魔女の呪いで精神が壊れているのである。
様々な冒険者、ただ住んでいるだけの人々、ありとあらゆる人々に迷惑をかけている。それだけではなく異世界とは関係ない人々が巻き込まれ遭難したりモンスターに襲われたりするのだ。異世界に無関係な人たちを呼び込んでしまい迷惑がかかる。場合によっては死ぬ。
自分のせいで多大なる迷惑がかかるこの事実がノワール・セブーンの心を追い込み壊していったのだった。
霧も魔女のフェロモンもコントロールできないものらしい。
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戦闘が終わり奏楽は嘔吐し続けるノワールの背中を撫でた。
今の問題は何をすれば正解なのかが分からないことだ。どうすればいいか誰にも分からない。魔王は魔女を倒さねば終わらないという。霧自体が召喚魔術になっているらしく、そのコントロールをすることが難しいのだから殺して終わりにしたらいいと魔王は言いたいのだろう。コントロールができないことで異世界への遭難者が出てしまったりモンスターが召喚されたりする。
だが魔王が言うように倒すわけにはいかない。倒さなければ続くと言っていたが、倒せるわけがない。魔女と言われているがどう考えても呪われた魔法がコントロールできないだけの被害者だ。
霧の町に魔女あり。だがモンスターを倒すこと以外対処のしようがない。
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ノワールに「魔王に呪いをかけたのはあなたなのか?」と聞く。彼女は首を縦に振った。
「そうよ。危ない人だったんだもの」
そして「私も危ない人なんだけどね」と付け加えケラケラ笑う。
魔王は世界を征服しようと目論んでいた。その妨害をノワールも彼女以外の魔女たちも行ってきたのだという。できることがそれくらいしかなかったからだという。
だがその呪いも他の魔女によってかけられたもの。皮肉なものだ。
奏楽は頭を抱える。
「訳わかんなくなってきた」
まとめると魔女は世界征服を企む魔王の邪魔をしていて、魔女たちは己の呪いで霧を発生させモンスターや他の世界の人間を召喚してしまう。さらにその呪いは他の魔女からかけられたものだという。
魔女と言われている彼女たちを救うには呪いを解除しなければならない。
呪いを与える能力そのものが呪いで、しかも分布していくといった厄介さ。
まるでホラー映画のような実態だ。
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深夜に吉塚は病院のベッドから起き上がると、忘れられない夢で出会った女性を想う。
「また逢えたらいいな」
その外見はショートヘアでカチューシャを付けた十代後半くらいの黒い服を着た女性。つまりナナ・アルファスのことだった。




