第221話 すかー
マージェリーさんと別れ、3層に戻ると、図書館に行き、本を読む。
魔法の本は楽しいが、今日は連休最終日のため、午前中で帰り、ジュリアさんと手分けして家のことをしていく。
そして、夕方になると、夕食を食べ、ノルン様とタマヒメ様がゲームをしているところを眺めながら地図を広げた。
「そろそろ風の国に行こうかなって思っているんだよ」
「そうですね。巡礼の旅、最後の地です」
「まあ、なんとなく、冬に入る前に行きたいのう」
寒いからね。
土の国は年中暑いようだけど。
「ルートとしてはダルト王国に戻り、それから列車で北上だね」
「確かレンダーの町まで行って、そこから風の国でしたね」
確かにノーラさんがそう言っていた。
「どうする? いつもならフロック王国に戻り、カーティスやギルドで情報を集めるが……」
サクヤ様が聞いてくる。
「マージェリーさんからの伝言もありますし、話を聞きに行こうと思っています」
「あ、そういえば、魔法ギルドでドリスさんが帰る時は寄ってくれって言ってましたね。配達の仕事があればお願いしたいからって……」
あー、言ってたわ。
「じゃあ、そこに寄ってからフロック王国に帰ろうか。土曜日でいい?」
「そうですね。良いと思います」
今週末はそんな感じかな?
「あ、そういえば、剣はどうだったの?」
ノルン様とレースゲームをしているタマヒメ様が聞いてくる。
「マージェリーさんにお願いしました。黄金の剣よりも魔剣だから高くなるって言われましたね」
「へー……それは良かったわね。私も見に行ったけど、成金ソードって名付けてあげた」
嫌な名前だなぁ……
「ノーラさんのところに行ったんですか?」
「ええ。ご飯を食べながら研究してた」
ノーラさん、大丈夫かな?
「栄養ドリンクでも差し入れしてあげようか」
「そうですね」
俺達は来週の予定を決めると、風呂に入り、寝室でアニメを見て、就寝した。
翌日からは仕事であり、頑張らないといけない。
濃密な3連休だったし、その冒険とのギャップでちょっと辛かったが、帰ったら愛する奥さんがいることと、次の風の国への期待で乗り切った。
まあ、4日しかないこともある。
そうやって1週間を終えると、金曜の夜になり、寝室でゲームをする。
「最近のゲームって映像がすごいね」
もはや映画じゃん。
「ですね。スマホもそうですよ」
ジュリアさんはベッドに寝ころびながらソシャゲをしている。
さっきSSRを引けたって喜んでいた。
「ソシャゲって面白い?」
「面白いやつは面白いですよ」
それは他のゲームもそうだな。
「今、どれくらいやってるの?」
「1つですね。昔はもっとやってましたが、就職してからは1つに絞りました」
「あ、そうなんだ。就職してからの方が課金できるし、増えるかと思った」
お金が自由に使えるし。
「まあ、時間ですね。ソシャゲってログインボーナスとか日課のクエストとかあるんですよ。要は繋ぎ留めておくためのものなんですけど、就職する際に整理したんです。よく考えたら惰性でやっているものもありましたからね」
へー……
「惰性なのにやめなかったんだ?」
俺なら飽きた時点でやめる。
「そこがソシャゲの怖いところで義務感というか、やらなくちゃって気持ちになるんです。私は卒業と就職という良いタイミングがありましたが、もし、就職した後だったらやめなかったもしれませんね。あ、結婚のタイミングでやめますかね」
そういうきっかけがいるのか。
そういや40歳を超えた上司連中もたまに休み時間にやってる。
「なんか怖いね」
「面白いは面白いんですけどね。ただ、おすすめはしません。ハルトさん、きっちりやる人ですもん」
宝箱を全部取る人間だからね。
「どうしても気になってしまうんだよ。取り返しの利かない要素が多くてね」
「まあ、それで本や剣も取れましたね」
確かにちゃんと隠しアイテムはあったな。
「風の国もあるかなー?」
「どうでしょうねー? 着いてからのお楽しみですね。ハルトさん、明日は早いですし、寝ましょうよ」
まだ10時だけどね。
「そうだね」
ゲームを終え、テレビを切ると、布団に上がる。
「そういや、タマヒメ様って浅井の家に帰ってるの?」
今でもなんかリビングから文句の声が聞こえている。
ノルン様に甲羅をぶつけられたっぽい。
「なんだかんだでタマヒメ様もゲームが好きみたいですからね。まあ、夜には帰っているみたいですよ」
よくノルン様とやってるな。
俺の目から見ても下手くそだが、楽しそうだ。
「ならいいか。今更だけど、浅井の神がウチにいるのが不思議でね」
「そもそも今までなかったことですからね」
浅井とウチは仲が悪かったからな。
まあ、今はそんなことないけど。
「良いことか」
「そうですよー」
俺達は騒がしい音を消すために防音の魔法を使い、就寝した。
翌日、土曜だけど、早めに起きると、リビングで朝食を食べる。
ノルン様はいつものようにひたすらゲームをしているが、タマヒメ様の姿はない。
「サクヤ様、昨日は何時まで?」
食卓についているサクヤ様に確認する。
「あのレースゲームはタマちゃんでも勝てるから楽しんでおったようだぞ。さすがのノルンも空気を読んでおった」
ノルン様が接待プレイか……
「帰ってお休みですか?」
「浅井の実家の屋根裏か蔵かのう? 案外涼しいし、快適って言っておったぞ」
へー……
「普通に布団で寝てほしいんですけどね……」
ジュリアさんは特にそう思うだろうな。
「タマちゃんなら土の国のリビングで寝てますよ」
ノルン様が教えてくれる。
「あ、そうなんですね。だったら安心です」
どうだろ?
「掃除に来た教会の者がびっくりするの」
座敷童が寝てる!?
いや、座敷童はないか……
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