第207話 (^_-)-☆「ごめーん」
話をしながら待っていると、前菜、スープ、肉料理と順番にやってきたのでお酒を飲みながら堪能していく。
前菜は何かを何かで巻いたものですごく美味しかったが、一口で食べ終えてしまい、もうちょっと食べたいと思った。
スープは冷製のポタージュで軽い口当たりなのにしっかり味があり、美味しかった。
そして、肉料理を一口食べたのだが、ガツンとくるタイプのものであり、前菜やスープで煽られた胃が大変に満足するものだった。
もちろん、ノルン様にも送ったし、ノルン様から可愛い笑顔の似顔絵も頂いた。
「うん、美味いな」
ディーネさんが慣れた手つきでフォークとナイフを操り、肉を食べる。
さすがは貴族令嬢だ。
所作が綺麗。
「そうですね。もうちょっと辛みがあっても良いと思いますけど」
「さすがに店で例のソースはかけるなよ。シェフがぶち切れるぞ」
「そんなことしませんよ」
サラさんが苦笑いを浮かべた。
「……ジュリアさん、マナー合ってる?」
不安なので聞いてみる。
「合ってますよ。というか、そんなに気にしなくても良いと思います。ここには私達しかいませんし」
「そうじゃぞ。マナー云々を言うなら酒をこんなに飲んでいる時点でダメじゃろ」
「そんなに飲んでるのはあんただけね」
タマヒメ様がすでに5杯目のサクヤ様にツッコむ。
「うるさいのう……ハルト、気にせんで良いぞ。誰とは言わんが、この世界で一番偉い奴は今頃、送った料理を摘まみながらゲームをしておる」
ノルン様ね。
「わかりました。ノーラさん達は風の国にも行ったことがあるんですか?」
そう聞くと、巫女3人が顔を見合わせた。
「行ったこと自体は皆、あるわよ。ただ、巫女は……サラ、シルフィに会ったことあるっけ?」
ノーラさんがサラさんに聞く。
「1回だけですね」
「私は2回」
ディーネさんが2回か……
2人共、あまり会ったことがないようだ。
「なんで……あ、若いんでしたね」
「そうね。まだ18歳で巫女になって1年ちょっとくらいなのよ。私はそこそこ近いから数回くらいは会ったことがある」
それでも数回か。
「風の国ってどんなところなんですか?」
「峡谷ね。たくさんの岩山があるんだけど、かなり険しいわ。まあ、正規のルートがあるからそこから行けばそこまで大変じゃないけどね。トロッコ列車があるし」
列車があるなら楽だな。
「ダルト王国から北に行けばいいんですよね?」
「ええ。北に行けばレンダーって町がある。そこから列車で行けるわよ」
なるほど。
「風の国って言うくらいですから風が強いんですかね?」
「そうね。時期によるけど、基本的には強風が吹いてるって思っていいわ。別世界から来たあなた達にこういうのもなんだけど、別世界みたいね」
うん、確かに俺らに言われても……
「やっぱり次はそこかな?」
ジュリアさんに聞く。
「そうですね。ここまで来ましたし、風の国にも行きましょう」
そして、ノルン様に降臨してもらおう。
……これがRPGだったらノルン様が降臨して聖なる剣とかをくれるんだろうけど、この世界に魔王はいないし、なんなら女神様は家にいる。
あ、いや、というか、聖剣はもうもらってたわ。
「シルフィによろしくー」
ディーネさんがそう言って、お酒を飲む。
「いや、こんな感じで招待しますよ」
「風の国ねー……むしろ、向こうがウチに来たがりそうだ。海で遊びたいって言ってたし」
気持ちはわからないでもないが……
「すみません、風の国に行くのは早くても来月以降なんですけど、シーズンは大丈夫です?」
10月後半か11月くらいじゃないかな?
「全然、大丈夫じゃない。まず泳げないな。ハルトさんとジュリアさんが興奮して熱中していたクルージングかな?」
あれは楽しかった。
「海ねー……私はいいや。そもそも馴染みがないから怖いのよね」
「わかります。私にしたら泳ぐって何って感じです」
ノーラさんとサラさんが苦笑いを浮かべる。
「皆、楽しそうだぞ」
ん?
「ディーネさんは泳がれないんですか?」
そういえば、釣りとかは付き合ってくれたけど、泳がなかったな。
「水着になるのが恥ずかしい。楽しんでいたハルトさん達には悪いけど、あれ、下着じゃん。無理無理」
あ、この人、貴族令嬢だった。
水着とかにはならない清純派のアイドルだったな…………清純派?
「それはそうかもしれませんね。まあ、リヴァイアサンに乗ったわけですし、泳ぐより貴重な体験をしていますよ」
「まあなー。今度、ドラゴンライダー煎餅を作るんだ」
商魂たくましいね。
多分、売れると思うよ。
「リヴァイアサンに乗ったっていうのが意味わからないんですけど……」
「それは私もだから安心して」
サラさんとノーラさんが顔を見合わせた。
「あ、そうだ。サラに聞きたいことがあったんだった。ちょっといい?」
タマヒメ様がグラスを置きながらサラさんに聞く。
「はい、何でしょう?」
「火の国の火山にルブルムドラゴンっているの?」
「あー……いますね」
え?
「いるの!?」
「何と言いましょうか……ほら、神殿の横に展望台がありましたよね? あそこから火山が見えるんですが、ドラゴンが見えたでしょう?」
確かに見えた。
「何かいたわね。先週見た」
タマヒメ様はサラさんを誘った時に展望台から見たんだろう。
「たまーにですけど、遠目から見ても大きなドラゴンが見える時があるんです。皆はあれが伝説のルブルムドラゴンって言ってますね。でも、誰も近づいて見たわけはないので、何とも言えません」
ほー……
「えー……否定したかったから聞いたのにいるんかい……」
いるみたいですね。
「シーサーペントはいた……ルブルムドラゴンもいそう……タマヒメ様、デスワームもいますよ」
来週、探すか。
「おらん、おらん。この前、ノルンが絶滅したって言っておったぞ」
「え?」
「例の洪水で流れたんだと」
「えー……」
すんげーネタバレを食らった……
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