第208話 ヤッ
巫女様方と食事を楽しみ、最後のデザートも食べ終えると、会計をし、店を出る。
なお、料金は俺がすべて出したのだが、巫女様割引を使っても金貨10枚を超えていた。
普通に払ったらいくらだったのか気になる……
店を出た後は奥に行こうとするディーネさんをサラさんとノーラさんが止め、教会まで帰ると、タマヒメ様が御三方を火の国の別荘に連れていった。
俺達はサクヤ様の転移でビルの20階まで飛ぶ。
そして、タマヒメ様が帰ってくると、順番にお風呂に入り、ゆっくりと過ごしていった。
翌日の日曜日はサクヤ様の要望で水の国に行き、魚釣りを楽しみ、水の国の別荘でマイナスイオンに包まれて、仕事で疲れた心と体を癒した。
祝日である3連休最後の月曜日は家のことをし、買い物以外で特に出かけることもなく、家で過ごしていく。
「2週連続の3連休が終わっちゃうね」
夕食も終え、お風呂も上がったのでリビングで盛り上がっている神様方を尻目に俺とジュリアさんは寝室で一緒にゲームをしていた。
「仕方がありませんよ。それに来月も3連休はあります。それも2回もです」
10月は半ばに祝日があるので3連休がある。
他にも序盤に東京に行くので有休を使った3連休があるのだ。
「まあ、楽しみなことが多いよね。来週は遺跡ツアーだし」
「ええ。お宝を見つけましょう」
ロマンだね。
デスワームはいないみたいだからお宝探しに切り替えよう。
俺達はゲームを終えると、就寝した。
翌日からは仕事が始まり、頑張っていく。
部長からは『お前は結婚したら頑張る奴だったんだな……』というお褒め(?)の言葉を頂きつつ、業務をこなしていった。
そして、1週間を終え、土曜日の朝となる。
「タマヒメ様は行かれないんですか?」
朝食を食べながら聞く。
「行かない。今日はノルンとお出かけするの」
あ、だからノルン様が珍しくゲームをせずに朝食を一緒に食べているのか。
「出かけるんですか? 珍しいですね」
「最近は気温も下がり始めたからね。引きこもり廃神ゲーマーもようやく外に出る気になったみたい」
この夏はほぼ家でゲームをしていたからなー。
結婚して、この家に引っ越してからはさらに拍車がかかり、朝起きても会社から帰ってもゲームをしているノルン様の背中ばかり見ている気がする。
「どこに行くんですか?」
「さあ? ノルン、どこに行くの?」
「この家にはパソコンがないので結婚のお祝いにプレゼントしようと思っているのです。それの下見ですね」
あっ……
「パソコン? ジュリアのノートパソコンがあるじゃないの」
「スペックが足りません」
PCゲーというか、ネトゲをするつもりだ……
「ス、スペック? 私、パソコンに詳しくないけど、あれではダメなの?」
「あれはあなた方がアニメを見たり、ネットを見たりする分には問題ないですけど、FPSをするには性能が不足しているんです」
ノルン様ー、一応言っておきますけど、あなたは女神様ですよー。
「そ、そうなんだ。全然わかんない」
「その辺は私が選びますので大丈夫です。選び終わったらあんみつでも食べに行きましょう」
「う、うん」
微笑ましいような?
「サクヤ様は行かれますよね?」
「そりゃのう……おぬしらだけで行かすわけにもいかんし、我もちょっと気になる」
遺跡だもんね。
俺達は朝食を食べ、洗い物を済ませると、異世界の装備に着替えた。
そして、準備を終えると、ビルの1階に飛び、歩いて教会に向かう。
「冒険日和ですね」
「まあの……しかし、雲がない国じゃの」
空は雲一つない晴天だ。
やっぱり暑い。
「冬にこの国に来たら感覚がバグりそうですね」
「逆にノーラを冬の地域に連れて行ったら面白そうじゃ。雪を見たことあるのかの?」
どうだろ?
冬に火の国に行ってたら見てそうだけど。
俺達は話をしながら歩いていき、教会までやってくる。
そして、教会に入ると、ノーラさんが待っていた。
ノーラさんはいつもと同じ服装だが、カバンを背負っている。
「おはよう」
「あ、おはようございます。奥かと思ってました」
「今日は調査だからね。やる気に満ちているわ」
好きなんだなー。
「のう、砂漠の中の遺跡に行くんじゃろ? どうやって行くんじゃ?」
サクヤ様がノーラさんに聞く。
「去年までだったら歩きか馬って答えましたね。でも、昨年、魔導帝国から馬がいらない馬車を寄付してもらったんです」
あ、車か。
「車ですね。俺達も魔導帝国で乗りましたよ。でも、砂漠でも行けるんですか? 砂ですよね?」
浅井のオフロード車でも行けるか微妙だぞ。
「そういう専用の車よ。遺跡調査ばかりしている私のために先代の巫女様が実家に連絡してくれたの」
先代の巫女様ってすげーな。
浮世離れだけど、めっちゃ良い人だ。
「先代の巫女様と連絡を取っているんですか?」
「ええ。お隣だし、列車があるから簡単に手紙のやり取りができるからね」
なるほど。
「なんか良いですね」
「そうね。よし、じゃあ、遺跡に行きましょうか。車は西門に止めてあるからそっちね」
「わかりました」
俺達は教会を出ると、西門に向かって歩いていく。
道中で歓楽街の前を通ったが、全然わからないけど、すっきりした男性が歓楽街から出てくるのが見えた。
僕は全然わからないけど、本当に朝までやっているんだなって思った。
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