表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
週末のんびり異世界冒険譚 ~神様と楽しむ自由気ままな観光とグルメ旅行~   作者: 出雲大吉
第5章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

206/216

第206話 一番偉い当主様じゃろ


 ノーラさんの部屋に飛ぶと、ノーラさんがさっきまでと同じ位置で本を読んでいた。


「久しぶりね、ディーネ」

「そうだなー。ノーラ、いつも本を読んでるな。目が悪くなるぞ」

「あなたは生涯、目が悪くなりそうにないわね」

「健康に生きてるからな!」


 ディーネさんがドヤ顔を浮かべる。


「そう……しかし、転移って本当にすごいわね。水の国にいるはずのディーネが目の前にいるんだもの」


 俺達は世界すらも違うけどね。


「この前、火の国に行ったな。なんであそこは料理が赤いのかねー?」

「そういうお国柄でしょ。それよりもリヴァイアサンに乗ったんだって? 何してんの?」

「歴史に名を残したな。おかげで最近はお客さんも多い」


 ディーネさんがまたもやドヤ顔を浮かべた。


「あんたはそういう看板巫女が向いてるかもね」


 看板巫女……


「勉強や書類仕事よりそっちが良いわ。あ、お土産。ウチの魚」


 ディーネさんがカバンをノーラさんに渡す。


「ありがとう。あなたのところの魚って美味しいのよね」

「それがウチの自慢だからな。サラの奴が持ってくるだろう赤いソースをかけて食べてくれ」


 マグマね。


「合うのかしら……って、サラね」


 ノーラさんが言うようにサラさんを連れたジュリアさんとタマヒメ様がやってきた。


「こんにちは。ノーラさんはお久しぶりです」

「久しぶりね。あなたも元気そうで何より」

「ノーラさんは相変わらずですね」


 サラさんがデスクの方で積まれている本を見て、苦笑いを浮かべる。


「ちょっとね……」

「ほどほどがいいですよ。あと、掃除もしましょう」


 そういえば、サラさんの執務室は綺麗だったな。

 ディーネさんも綺麗だった。

 多分、使ってないからだろうけど。


 その後、巫女様3人が仕事なんかの話をし始めたので俺達も話をしながら時間を潰していく。

 なお、やっぱりサラさんが赤いソースを渡していた。

 そして、しばらくすると、日も沈み、窓の外が太陽の光ではなく、街灯の灯りで照らされている。


「そろそろ行きましょうか。一応聞くけど、あなた達はどこか希望はある?」


 ノーラさんがサラさんとディーネさんに聞く。


「お任せしましょうか?」

「わからないしな」


 2人が顔を見合わせた。


「じゃあ、ちょっと贅沢をして、月の導きに行きましょうか」


 先週とは違う店のようだ。


「良いところなんですか?」


 冒険者ギルドで聞かなかった名前なので聞いてみる。


「ウチが接待とかで使う店ね。こういう時に使わないと」


 へー……


「期待できそうじゃの。では、行くか」


 俺達は部屋を出ると、通路を通り、教会を出た。

 教会を出る際に神父さんがぎょっとした顔でこちらをガン見していたがスルーだ。

 さすがに巫女様3人はびっくりするだろうな。


「涼しいなー。これが昼間だとめっちゃ暑くなるんだろ?」

「夜はむしろ、こっちの方が涼しいくらいですよね」


 ディーネさんとサラさんが顔を見合わせる。


「サラのところも夜は涼しいでしょ。温泉とか辛いものばっかり食べてるからじゃないの?」

「そうですかね? そんなこともない気がするんですけど」

「温泉に入りたいなー。サクヤ様、夜は火の国の方に泊まるから送ってー」


 ディーネさんがサクヤ様に頼む。


「構わんぞ。ただ遅くまでは付き合わないからな」

「大丈夫。今日は温泉にお酒を浮かべて、3人で飲むから」


 風情だなー。


「3人……私も頭数に入ってる?」


 ノーラさんがサラさんに聞く。


「だと思いますよ。せっかくですし、いらしてくださいよ」

「あー、うん。じゃあ……」


 この人達、仲が良いな。


 俺達が話をしながら歩いていくと、徐々に人が増えだし、昼間のように明るい歓楽街にやってきた。


「すごいですね」

「なー? ウチの町にもこういうのができないかね? 飲み屋は多いけど、こういう賑わっているところは少ないんだよな」


 水の国の聖都は静かなバーみたいなところが多かったな。


「ああいう雰囲気も良いじゃないですか。それぞれの顔があるんですよ」

「それもそうか。ノーラ、月の導きはどこだよ?」

「ちょっと行ったところ。案内するからついてきて。間違っても勝手にどこかに行かないでね」

「行かねーよ」


 巫女様3人がアーケードをくぐって歩いていく。


「すんごい仲の良い3人だね」

「ええ。国が違うし、そんなに会うことないと思うんですけど」


 旧友感がすごい。


「同じ苦労を抱えている同士なんじゃろ」

「苦労? あいつら、遊んでいるだけじゃないの?」

「我らが見てないところではちゃんと働いておるんじゃろ。ディーネ以外」

「そうね。ディーネ以外」


 あの人だってちゃんと天気予報してるから……


「こらー。悪口は聞こえるんだぞー。いいから早く行こうぜー」


 ディーネさんが急かしてきたので俺達も続く。

 そして、歓楽街をキョロキョロと見渡しながら歩いていくと、先週行った砂の城を通り過ぎ、さらに奥へと進んでいった。

 すると、綺麗な白い壁の2階建ての建物の前でノーラさんが立ち止まった。


「ここですか……」


 扉の上には月の導きという文字と三日月の絵が描いてあるからそうだろう。


「一応、高級店だから変な酔っ払いとかはいないから安心して」


 ノーラさんはそう言うと、扉を開け、中に入ったので俺達も続いて中に入った。

 すると、綺麗な身なりをしたウェイターが出迎えてくれる。


「いらっしゃいませ、ノーラ様」

「こんばんは。御覧のように大所帯だけど、空いているかしら?」


 よく考えたら男は俺1人だな……

 今さらだけど。


「もちろんでございます。どうぞ、こちらへ」


 ウェイターがそう言って、近くにある階段を昇っていったので俺達も続く。

 そして、2階に行くと、近くの扉を開け、バルコニーに出た。

 外の喧騒や明るさはあるが、大きな丸テーブルがあるだけで俺達以外はいないし、2階なので外から俺達を見ることはできない。


「座ってちょうだい」


 ノーラさんに促されたので皆が席につく。


「本日はようこそいらっしゃいました。当店はコースになります。何か飲まれますか?」

「私はお酒が飲めないからジュースにしてちょうだい。この人達は適当なお酒を」

「かしこまりました」


 ウェイターは恭しく頭を下げると、下がっていく。


「上級だね」

「そうですね」


 あれ?

 あ、ジュリアさんから慣れているオーラを感じる。

 神様方、巫女様方、お嬢様……

 あれ? もしかして、本当にド庶民なのは俺だけ?


お読み頂き、ありがとうございます。

この作品を『おもしろかった!』、『続きが気になる!』と思ってくださった方はブックマーク登録や↓の『☆☆☆☆☆』を『★★★★★』に評価して下さると執筆の励みになります。


よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【新作】
魔法なき世界の異端魔導士 ~冤罪で捕まりかけた大魔導士は異世界で自由気ままに人生をやり直すことにしました~

【予約受付中】
~書籍~
~4/30発売予定~
宮廷錬金術師の自由気ままな異世界旅 ~うっかりエリクサーを作ったら捕まりかけたので他国に逃げます~(1)

~漫画~
~5/12発売予定~
左遷錬金術師の辺境暮らし 元エリートは二度目の人生も失敗したので辺境でのんびりとやり直すことにしました(1)
~6/8発売予定~
その子供、伝説の剣聖につき(1)
web版(カクヨムネクスト)はこちら


【新刊】
~漫画~
35歳独身山田、異世界村に理想のセカンドハウスを作りたい ~異世界と現実のいいとこどりライフ~(1)

~書籍~
左遷錬金術師の辺境暮らし 元エリートは二度目の人生も失敗したので辺境でのんびりとやり直すことにしました(1)
左遷錬金術師の辺境暮らし 元エリートは二度目の人生も失敗したので辺境でのんびりとやり直すことにしました(2)
左遷錬金術師の辺境暮らし 元エリートは二度目の人生も失敗したので辺境でのんびりとやり直すことにしました(3)

覇王令嬢の野望 ~絶対平和主義の少女に転生した最強女帝の帝国再建譚~(1)
web版はこちら

【販売中】
~書籍~
35歳独身山田、異世界村に理想のセカンドハウスを作りたい ~異世界と現実のいいとこどりライフ~(1)
35歳独身山田、異世界村に理想のセカンドハウスを作りたい ~異世界と現実のいいとこどりライフ~(2)

【現在連載中の作品】
元暗部の英雄、再び暗躍する ~娘のために正体を隠して無双していたら有名になっちゃいました~

宮廷錬金術師の自由気ままな異世界旅 ~うっかりエリクサーを作ったら捕まりかけたので他国に逃げます~

その子供、伝説の剣聖につき (カクヨムネクスト)

週末のんびり異世界冒険譚 ~神様と楽しむ自由気ままな観光とグルメ旅行~

左遷錬金術師の辺境暮らし ~元エリートは二度目の人生も失敗したので辺境でのんびりとやり直すことにしました~

バカと呪いと魔法学園 ~魔法を知らない最優の劣等生~

35歳独身山田、異世界村に理想のセカンドハウスを作りたい ~異世界と現実のいいとこどりライフ~

最強陰陽師とAIある式神の異世界無双 〜人工知能ちゃんと謳歌する第二の人生〜

【漫画連載中】
その子供、伝説の剣聖につき
コミックグロウル

35歳独身山田、異世界村に理想のセカンドハウスを作りたい ~異世界と現実のいいとこどりライフ~
カドコミ
ニコニコ漫画

左遷錬金術師の辺境暮らし ~元エリートは二度目の人生も失敗したので辺境でのんびりとやり直すことにしました~
ガンガンONLINE

最強陰陽師とAIある式神の異世界無双 〜人工知能ちゃんと謳歌する第二の人生〜
カドコミ
ニコニコ漫画

【カクヨムサポーターリンク集】
https://x.gd/Sfaua
― 新着の感想 ―
コース料理だとノルン様におつまみ 送れないかも
上級のご飯は途中で料理人がご挨拶にやってきますよ。 そこで上から目線でもの言えるか、へりくだってしまうか 美味しいもの出てきたらつい下から言ってしまいますね。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ