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終わりが始まり 2

俺は一晩入院した後、栄一の研究室に顔を出したが、忙しいようで後日話すことになった。


数日後、3人で会おうとチャットがきて、俺達はあのカフェに集合となった。


夕方だったせいか、少し客がいたみたいだが、前回と同じ部屋に通された。

美味しいコーヒーに一息ついたところで、栄一から話を始める。


「結局、"ドリームダイバー"は完全に復帰しなかった。茉莉花の臨床試験データだけすっぽり抜けてやがった。」


「やっぱりナイトメアのせいか?」


ああ、と頷いて頭を押さえる栄一。


「まぁ、そのおかげで茉莉花と俺が行ってた復讐は立証できない。加害者たちもあれは夢という認識のようだから、何もなかったままにした。」


ナイトメアはそこまで見越してたのか。


「茉莉花の方は?」


「ああ、リハビリを始めたよ。何せ、聖光魔法、だったかの使い手が診察したら体調面は問題なくてな。同じ日本人なのに魔法使いとか羨ましいもんだった。」


ああ、マナリスの世界でも使い手が少ない、日本でいう医療行為みたいな魔法だったか。


「歩くのとかは出来るが、運動は徐々に慣れていくしかないそうだ。いや、5年寝てたんだから本来だったら立つのすら怪しいのにすごいもん見ちまったぜ。」


「異世界の技術はやっぱ違うな。」


俺は栄一が興奮する気持ちがわかる。

何せ、異世界人相手の商売していると、取引先であるあっちにいくこともある。

魔法をよく見かけるから、やはり興奮する。


「あ、あと、俺はフラれたよ。」


暁斗はさらっと失恋宣言をする。

脊髄反射のように栄一がニヤニヤして、


「ざまぁ。」


と笑いながら言った。


「まぁ、シスコン兄貴がいたら無理だしな。」


「持ってきた依頼料返せ、このやろう。」


栄一のことも心配だったが、やり取りを見てたら大丈夫そうだな。

チャットで暁斗が任せろ、と言ってたからフォローできたんだろう。


「そっちはどうなんだ?」


「大丈夫。会社の上司から有給休暇たまりまくってて、消化しろってうるさかったからちょうど良かった。」


俺がそういうと、二人はそうか、と納得した。






「とりあえず、これで終わりか。」


「だな。」


コーヒーを堪能した俺達は、まったりとしているところに。



ピロン、とチャット通知が鳴る。


全員がスマホを確認している。



「"今、会いに来て。"」



ガタッと俺は立ち上がった。


「ん?どうした?」


栄一が声をかけたが、ガサガサと支度を始める。


「すまん、用事を思い出した。」


そのまま、代金を机においてカフェから出た。

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