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踏み出した気持ちを 6
おばさんからもらったメモをしまいこみ、俺は病院の出入り口から出ようとした時だ。
「おい。」
突然声がかかり、腕を捕まれて、引っ張られた。
掴んできたのは男、全身真っ黒のスーツに身を固めた、見た目強そうだった。
グイグイと裏口側に連れていかれるのを察知して、慌てて抵抗する。
「やめろ!何するんだ!」
「いいから来い。」
よくねぇよ!
「騒がれたらまずいのはお互い様だからな?」
「ッ!」
かなり強引な抵抗をしてるんだが、一向に腕は捕まれたまま、病院の裏側のマンションの隙間にたどり着いた。
ようやくそこで立ち止まった。しかし、腕はがっちり捕まれたままで、男は俺に向き直る。
「いいか、アンタが一番知りたい情報を提供するから、逃げるなよ?」
「は?何のことですか?」
「【夢の死神】のことだ。」
「!」
確かに知りたいが、こいつ何者なんだ?
何も言わずに黙っていたが、相手が困った顔をしたあとに、
「詳しく知りたいだろうから。」
くいっと指差さしたのはカフェ。
「一杯おごれ。」
ニヤッとしたので、俺は一瞬ためらったが、はぁとため息をついて観念した。
「わかりました。」




