曖昧な願い事 2
ピロン、とチャット通知が鳴る。
さっきのヤツか、と身構えて見れば、同期だった。
「"暇かー?ちょっと由依ちゃんの見舞い行きたいからついてこいよ!"」
よりによって、嫌なタイミングで。
でも、どうしよう。
好奇心で行きたい気持ちはあるが、
こいつとはいきたくない。
「"今日は別件で行けません。"」
「"頼むよ!一人で行く勇気ねぇんだよー。"」
そもそもなんでこいつ、その後輩に会いたがるんだ?
「"今日は本当に用事があって無理です。別の日なら行けるかもしれません。"」
「"神代総合病院だから、すぐだろ?チラッと顔見せて、すぐ帰るから!"」
しつこいな。
「"本当に勘弁してください。"」
「"ちぇ、いいよ。俺のネットワークで調べ上げたとっておきのネタ、教えてやろうと思ったのに。"」
ネタ?
「"ネタって、何調べたんですか?"」
「"お?気になる?(笑) 来るのか?(笑)"」
相変わらずうぜぇ。
「"いや、無理なので別の日に。"」
「"ちぇ、いいよ。もう。また明日な!"」
ようやく収まって、ため息をこぼす。
神代総合病院か。
確かに近くだけど、さすがに行きづらいな。
「はぁ。」
結局、ゲームもそこそこにやめた。
【夢の死神】か。
神代女子高出身の女性が目を覚まさない。
神代総合病院にて入院中。
昨夜に心臓停止した騒ぎがあった。
そして、かかわるな。の警告チャット。
まぁ、考えても答えが出るわけないか。
なら、さっさと寝て、会いに行こう。
ワインをぐっと飲み干して、早めの就寝をする。
もし、彼女が【夢の死神】なら。
俺は気に入られたら、悪夢から出られなくなるのか。
不思議と、不安がないのは何故だ。




