曖昧な願い事 1
朝から雑誌を仕舞ってる本棚を漁る。
ここにあるのはゲーム雑誌で、今あるゲームを探して、片っ端からひっくり返しては見直す。
だが、やはり最近のゲームではない。
次はスマホからネット検索をかける。
「見つけた。」
ようやくお目当てのゲームを見つけた。
「10年前だったか。」
彼女が話したゲームの内容が気になって、プレイ動画を探す。
レトロゲームのために、なかなかやってる人が少なかったが、見つけた動画を見る。
「内容は、勇者が姫を助けるゲームかな?」
何とも可愛らしいドット絵のゲームで、
内容も懐かしい感じのファンタジー冒険アクションゲームだった。
「こういうのが、好きなんだな。」
熱心に語っていたので、やはり好きなんだろう。
「しかし、やるにも実家だな。多分。」
昨日の今日で行くのはマザコンとか言われそうなので、あきらめた。
「今あるやつをやり込めば、夢で遊べるかな。」
ゲーム機を見つめて、そんなことを考える。
「あっ、ゲームっていえば。」
親友とはゲームでよく遊んでいた。
実家の近くに住んでた頃は、うちに来ては、二人プレイができるゲームをよくやった。
スマホを見る。
今日は誰からも通知が来ない。
「"おーい。前に遊んだゲームなんだけど。"」
とチャットを送ってみたが、反応がなかった。
既読にはならないので、研究に忙しいのかもしれない。
「まいっか。」
ひたすら、お気に入りのゲームをやり込む。
久々に起動したゲームが思いの外ハマって、昼近くになってた。
今日も休みでよかった。
ピロン、とチャット通知が鳴る。
スマホを見たら、非通知になっていた。
「"ユメノシニガミニカカワルナ。"」
ただ、その一文だけだった。
一瞬にして、背筋に悪寒が走る。
「何だよ、これ。」
内容はともかく、非通知だし、カタカナだし。
「第一、会ってすらいねぇよ。」
夢の彼女は無関係だ。
そもそも、夢なんだぞ?
夢は自身の記憶の整理みたいなもんで、俺がたまたま何かで見たものを、都合のいいように変換されてる可能性だってある。
ふとそう考えついた。
だとすると、俺は今、何やってるんだ?
夢なんだろ?記憶の整理なんだろ?
途端にバカバカしくなってきた。
そうだろ、自分で都合のいいものに改変されたものなのに、何でここまでしてるんだ?
コントローラーを投げて、ベッドに寝転がる。
でも、もし、
今夜、夢で会えたら、信じてみよう。
それが叶ったら、彼女が【夢の死神】であることになる。
「それでもいいかな。」




