近づく足音 2
同期とカラオケを3時間した後、昼御飯となったのだが。
「俺、彼女が飯作って待ってるから帰るわ。」
というムカつく理由で別れた。
まぁ、気分は持ち直したからいいや。
書店を回り、気になる本を選びながら、ブラブラしてみる。
会計を済ませた後。
ピロン、とチャット通知が鳴る。
お袋からだ。
「"やすみだからごはんたべてないでしょ?"」
何故かバレてた。エスパーか?お袋。
「"今日は朝が遅かったから、これから食べます。"」
「"いまからいえにきたらただですよ。"」
「"帰ります。"」
金がかからないなら、集るしかない。
持つべきは同期ではなく、お袋だ。
「おかえり。」
素っ気ないが内心嬉しそうなお袋が、スリッパの音を立てて出迎えてくれた。
久々の実家、ぶっちゃけると家から電車で3駅しか離れていない。
「昼御飯は?」
「イタリアン。」
と出てくるのは、ミートソースパスタ。
解ってた、さすがお袋。
文句言わずにもくもくと食べる。
「昨日のチャットで話した子ね。」
唐突に始まった話は、昨日の話だ。
……………気分持ち直したのに。
「ん?」
「昨夜、大騒ぎだったのよ。」
こっちもそうだったのか。
「寝ながら絶叫したらしくて、点滴外れるわ心臓が止まるわで大変だったみたいよ。」
同じ、か。つか、パスタ食ってんだけど?
「その子、亡くなったの?」
「持ち直したみたいよ。また同じことがあったらわからないけどね。」
お茶をすすりながら、お袋は話を続ける。
「まぁ、あの子なら仕方がないわよ。」
「ハァ?」
「だから、あの子ならそうなっても仕方がないわよ、っていったの。」




