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#98 海!

 本日、カスミ達はハンソンの街のビーチにやって来ていた。


 今日は先日のランペイジバス騒動が無事終わったことを祝う場として、このビーチが冒険者達の貸切となっており、既に先に来た冒険者達が海で泳いだり砂浜ではしゃいだりしている姿が散見された。


 そんなビーチは観光地としての役割もあるからか、砂浜はゴミ一つ無く、海も透き通っていてとても綺麗だった。


 さらに砂浜から上がったところには、更衣室や休憩スペース、食堂なんかがある綺麗な屋内施設もあって、早速カスミ達ビフレストの面々は、更衣室で水着に着替えて海へと繰り出していった。


 

「海にゃー!」


「いぇーい!」



 まず真っ先に海に飛び込んでいったのは、オレンジ色のシンプルな三角ビキニを着たローニャと、紐がクロスしているカーキ色のホルダーネックビキニを着たレネ。


 ローニャは獣人で暑がりだし、レネも普段暑い空間にいることが多いので、ひんやりしている海は大好きなようだ。



「俺も一泳ぎしてくるか」


「クルルー♪」



 そして、上は白のビキニで、下はホットパンツのような形をしている水着に身を包んだアネッタも、小さい姿で海に入るのは初めてでウキウキしているガリュウと共に海に入っていった。



「暑〜…… 溶ける〜……」


「確かに暑いな」



 真っ先に海に向かっていった面々の後ろには、オフショルダー上下共にフリルが付いた可愛らしい水着に身を包んだフィオと、エメラルドグリーン色のビキニで腰に薄手のパレオを巻いたクリスタもいた。



「うーん、改めて皆さん綺麗ですねぇ……」



 そして、そんな二人の横には、裾がスカートのようになっている水色のワンピースタイプの水着を着たカスミもいた。


 ちなみにこのカスミの水着は、他のビフレストメンバー間での長い協議の末にこれに決まった。


 決める際にもう10着以上は色んな水着を試着させられ、終わる頃にはへろへろになっていたカスミだが、自分のためにビフレストのメンバーが楽しそうに水着を選んでくれたのは良い思い出になった。



「カスミが一番可愛いぞ」


「ん、最高に可愛い〜……」


「あ、ありがとうございますっ」



 カスミ的にはビフレストのメンバーの水着姿は同性でも見惚れてしまうくらい綺麗だと思っていたが、クリスタやフィオはカスミが一番可愛いと思っているようだ。


 それにカスミは照れ照れしながら礼を言い、貴重品が入った荷物などを砂浜に沢山刺さっている大きなパラソルの下にシートを敷いてそこに置いておき、海に浸かっているローニャやレネに合流した。


 ちなみに、絶世の美女、美少女集団であるビフレストの面々なので、それはもう周りの冒険者からの視線…… 特に男性からのものが飛んできていた。


 が、自分達よりも圧倒的に強いビフレストの面々に他の冒険者達が声などかけられる訳もなく、むしろ怒らせて水着姿が拝めなくなることの方が痛手と判断したようで、皆ありがたやありがたやと不快に思われない範囲で遠目から拝んでいた。



「わ、冷たいですね」



 それからカスミが海に足を入れてみると、中々に冷たくて、日差しで熱を持った肌には丁度良い冷たさだった。



「カスミちゃんこっち来なよー!」


「はーいっ」



 カスミの胸下まで浸かるくらいの場所にいたレネに呼ばれたので、カスミはそちらまで歩いていった。



「それっ!」


「きゃっ」



 すると、バシャっとレネがカスミに水をかけてきた。



「やりましたね、お返しですっ」


「わー!」



 なので、カスミもレネにお返しで水をかけていった。



「冷たいねー!」


「そうですね、心地良いです」


「クルゥー♪」



 そんなカスミ達の近くに、犬かきのような泳ぎ方でスイスイ泳いでいるガリュウがやってきた。



「ふふ、ガリュウさんも楽しそうですね」


「カスミは泳げるにゃ?」



 カスミが楽しそうなガリュウほっこりしていると、貸し出しされていたビーチボールを抱くようにしてぷかぷか浮かんでいるローニャがそう聞いてきた。



「うーん、全く泳げないっていうわけでもないですけど、50mくらいがいいとこですね」


「なら、ガリュウに掴まって泳いでもらうといいにゃー」


「いいんですかね?」


「クルッ!」



 話を聞いていたのか、近くで泳いでいたガリュウがカスミの近くまでやってきて「掴まっていいよ!」と言わんばかりに背中を差し出してきた。


 なのでカスミは、ガリュウの体にビート板に掴まる要領で体を預けてみた。



「クルゥー♪」


「わぁ、速いですっ」



 すると、ガリュウはジャブジャブと水をかき分けながら中々のスピードで泳ぎ始めた。



「深いところまではいくなよー」


「クルルー!」



 クリスタの忠告にガリュウは「分かってるー!」と言わんばかりに鳴き声を上げ、他の冒険者の間を縫うようにして、ビーチを泳ぎ回っていった。


 そんな風にしていたら、当然周りの冒険者達の視線も集まってきたが、ワイバーンの子供(本当はドラゴン)の背に可愛らしい少女が乗っているという何とも微笑ましい姿に、皆ほっこりとした気持ちにさせられるのであった。


 そうして10分ほど海を泳ぎ回った辺りで、カスミはガリュウに降ろしてもらった。



「ふぅ、ガリュウさん、ありがとうございました。 楽しかったです」


「クルル♪」



 カスミがそう礼を言うと、ガリュウも楽しかったのか嬉しそうに喉を鳴らし、泳ぎ足りなかったのか今度は深いところで泳いでいるアネッタの元へと泳いでいった。



「ん〜、意外と極楽〜……」


「ほいっ」


「それにゃっ」



 そうしてカスミがビフレストの面々のところに戻ってくると、浮き輪に体を預けてぷかぷか浮かんでるフィオや、ビーチボールで遊んでるローニャとレネがいた。



「あ、おかえりカスミちゃん! 楽しかった?」


「はい。 とっても楽しかったです。 あれ、クリスタさんはどこに?」


「あっちの方で潜ってるよ! 水中でも息ができる魔法があるから、それのテストしてるみたい」


「カスミと一緒に潜りたいらしいにゃー」


「そうなんですか。 ふふ、楽しみです」



 その後もしばらくカスミは、前世を合わせても久しぶりな海をビフレストの面々と共に満喫しまくるのであった。


 


 

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