#150 帰りにメッコ村へ①
カスミは現在、ビフレストの面々と共にガリュウの背に乗って、サミアンの街への帰路についていた。
かれこれ一週間ほど帝国に滞在をした訳だが、なんだかんだで三国階段の準備や来客との時間を過ごしていたらあっという間で、あんまり観光などはできなかった。
なので、また何か祭りだったりイベント事があったら、今度は観光メインで行くつもりだったりする。
「あ、そうだ。 クリスタさん、帰るついでに久しぶりにメッコ村に寄りませんか?」
それから空の旅を悠々自適に楽しんでいたところ、カスミはふとそんなことを提案した。
メッコ村というのは、この世界でライスの存在をカスミに示してくれたマキという少女がいる村で、カスミはライスを買う時は、大体メッコ村からライスを売りにサミアンの街に来た者から買っている。
そんな背景と通り道ということもあって、久しぶりにメッコ村に行かないかとカスミは提案してみたわけだ。
「私は構わないぞ」
そんな提案に対して、クリスタはあっさりと了承の意を示し、他の面々も同じく了承してくれたので、そのままカスミ達はメッコ村に向かっていった。
*
それから時は経ち、昼過ぎくらいのタイミングでカスミ達はメッコ村に到着した。
それから以前のようにクリスタが念話の魔法で村人に今からガリュウが降りることを伝えてから、ゆっくりと村の近くにガリュウが着地した。
「おお! 女神様だ!」
「また来てくれたぞー!」
「女神じゃないですっ!!」
すると、前回来た時はガリュウにビビって近付いてこなかった村人達が、今回はワラワラと寄ってきてカスミ達を歓迎してくれた。
そして、当たり前のようにカスミのことを女神と呼んできたことに対して、カスミはクワッと目を吊り上げながらツッコミを入れた。
「めが…… カスミちゃん!」
それからカスミ達がガリュウの背から降り、その後ガリュウがポンっと小さくなったことに村人達が驚いていると、カスミと旧知の仲であるマキが駆け寄ってきた。
「マキさん、ご無沙汰してます」
「2ヶ月ぶりくらいですね! また来てくれて嬉しいです!」
カスミとマキは、これまで何度か会ったことでかなり打ち解けており、既に友人と言っていい間柄になっていた。
「今日はどうしたんですか?」
「帝国の方まで出かけてて、帰り道にメッコ村を通りそうだったので、寄ってみました」
「なるほど! おもてなしはあんまりできないんですけど、ゆっくりしていってください!」
「ああ、全然気にしないでください。 皆さんも、私達には構わず、自分達のことをしていてください」
カスミが周りの村人達にそう言うと、村人達は頷いて各々の仕事に戻っていった。
「マキさんはお仕事とか大丈夫ですか?」
「はい! 今日はお休みのローテーションなので!」
「お休みしてて大丈夫ですよ?」
「じゃあ、お休みなのでカスミちゃんと一緒にいます!」
「ふふ、そうですか」
仲良くなる前は一歩引いたような態度を取っていたマキだが、仲良くなってみると、親しい者にはとても元気で割とグイグイくるタイプだと判明した。
そんなマキと共に、カスミ達は畑を見て回ってみることにした。
「結構育ってますね?」
「魔道具で成長を促進させてるんです! 今、凄いライスの需要が高まってるので、自然なペースで育ててると間に合わないんですよ」
「そうなんですね」
「カスミちゃんのおかげです!」
以前は魔道具などは使わず、自然な流れでライスを育てていたが、それだともう供給が間に合わなくなったそうで、ライスを大量に売って得た資金で、高価な作物の成長を促す魔道具や、土壌を肥沃な状態に保つ魔道具なんかを購入したそうだ。
それでもまだ資金に余裕があるらしく、畑の拡張をしたり、他の村からの移住者なんかも受け入れているとのこと。
言われてみれば、以前より目に見えて畑は大きくなっていたし、人も少し増えていた。
そして何より、以前はライスが売れなくなって暗い顔をしていた村人達が、今は皆、活力に満ちた元気そうな表情をしているのが、カスミとしてはとても嬉しかった。
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