雑な世界設定とキャラ紹介
■世界設定
■ゲール
ローズレッド王国北方――ハヴィー伯爵家領地内に存在する山麓の街。
深い雪に閉ざされる冬季は人の往来も大きく減り、冒険者達も依頼より酒場や宿で時を過ごす閑散期へ入る。
しかし春が近づけば雪解けと共に人々が戻り、街は再び活気を取り戻していく。
幕章における主な舞台であり、“閉ざされた雪国”と“世界へ続く旅路”の境界となる土地。
領地へ入る際には入場料制度が設けられており、
一般人は150G、冒険者は100Gを支払う必要がある。
ただし冒険者ギルド登録者は本来免除対象であり、現在徴収されている50Gは半ば強引に取り立てられている状態。
この制度は、王都へ近づくほど強くなる女神教への献金政策の一環でもあり、旅人や商人の減少による経済停滞が問題視され始めている。
それでも街の人々は、雪解けの春と共に再び賑わいが戻ることを願っている。
■角人の集落
ゲール近郊の山中に隠されるように存在する、角人たちの隠れ里。
外界との接触を避けながら暮らしており、長い間、近隣の古代遺跡を守護する役目を担っていた。
族長制を採用しており、戦士としての誇りや独自文化を色濃く残している。
角人達の祖先は、かつて亜人達による国家を築き、支配者として栄えていた。
しかしその繁栄はやがて傲慢へ変わり、耳人――エルフ達によって地位を追われ、国を失うことになる。
その後、女神の慈悲によって旧国への居住だけは許された。
だが、その真実は後世へ伝えられなかった。
残されたのは、“二度と増長しないための戒め”のみ。
彼らは罪を忘れぬよう、自ら角を折り続けた。
その影響か、現代では額に僅かな突起が残る程度となっている。
だが時折、ヴィラのような“先祖返り”が生まれることもある。
集落では外の世界へ興味を持たせない教育が行われているが、それは角人達を守るためでもあった。
なお、実際の外界では亜人差別は地域差が大きく、国によっては受け入れられている土地も存在する。
■古代遺跡
角人の集落近くに存在する建造物。
内部には角人達の祖先に関する壁画や碑文が残されており、失われた歴史の痕跡が眠っていた。
地下には巨大な“魔力溜まり”が形成されており、高純度の属性魔石が自然生成される特殊地帯となっている。
しかし、そこへ棲み着いた魔物が属性魔石と融合したことで状況は一変。
魔物を喰らえば魔物型の異形が、人を喰らえば人型の異形が生まれるという異常な循環が形成されていた。
さらに時間が経てば異形達は周辺の生態系を侵食し、山そのものを崩壊寸前まで追い込んでいただろう。
現在はアイオンと角人達によって異形の大半が討伐され、脅威はほぼ消滅している。
だが、失われた自然環境と魔力循環が元へ戻るには、長い年月が必要だと考えられている。
■デルキオラ
“魔導都市”と呼ばれる、中立の学術都市。
世界中の魔法使い、魔道具師、研究者達が集う、アストライア最高峰の魔法研究都市である。
国家へ属さず、政治や戦争へ一切介入しないことを絶対原則としており、同時に外部勢力による都市運営への干渉も認めていない。
長い歴史を持つ都市であり、代々“指導者”と呼ばれる存在が管理を行っている。
魔法理論、魔道具研究、属性魔石技術など、世界最先端の知識が集約されており、多くの研究者達にとって憧れの地でもある。
魔道具師テオルが目指している場所でもある。
■エキドナ(B級→A級)
幕章最大の脅威となった、“異形の女王”の素体。
本来はB級相当の魔物だが、属性魔石との融合によってA級へ変異した危険個体。
不定形の肉体を持ち、周囲の魔物や生物を取り込みながら異形種を生み出していた。
さらに高純度属性魔石を核へ融合させていたことで、莫大な魔力を獲得している。
一方で知能は低くなり、膨大な力を持ちながらも高度な魔法制御までは行えず、攻撃手段も少なかった。
もし人を喰らい成長を続けていれば、
・人語の習得・高度魔法の使用
・異常繁殖能力・組織的統率
などを獲得し、最終的にはS級――災害級へ到達する可能性もあった。
最終的にはアイオンによる風魔法の斬撃によって討伐された。
なお、融合していた属性魔石と同質化していた影響により、討伐時にアイオンは“水魔法の因子”を獲得している。
■エキドナ変異体(C〜E級)
異形の女王に取り込まれ生まれた異形種。
四足獣型、蜘蛛型、人型など、元となった生物の特徴を色濃く残している。
女王の支配下では統率された危険集団となるが、女王を失った後は統率能力を喪失。
現在はアイオンとヴィラ、角人達による討伐で大半が排除されている。
なお、残存していた尖兵個体には繁殖能力や高度知能は存在しておらず、一定以上の実力を持つ冒険者なら対処可能。
■ストーン・バイト(E〜D級)
灰褐色の毛並みと、岩すら噛み砕く強靭な顎を持つ狼型魔物。
主に山岳地帯で群れを形成し、強い縄張り意識を持って行動する。
単体ではE級程度だが、群れとして行動した場合はD級指定されることもある。
本来は人里へ降りることは少なく、山中の生態系を支える存在として認識されている。
しかし幕章では、異形種によって縄張りを奪われたことで山を降り、冬にもかかわらず活動が活発化していた。
異形側からは“餌”として認識されている。
冒険者ギルドでは、無闇な駆除ではなく「山へ追い返す対応」が推奨されている。
※なお、アイオンが女神から与えられた基礎知識にこれらの魔物の情報が存在しなかったのは、女神が世界への観測と干渉をやめた後に発生・派生進化した存在だったため。
ストーン・バイトは本来のウルフ種から環境適応によって変異し、新たな名を与えられた魔物であり、異形種の素体となったエキドナについても同様に、既存種からイレギュラー進化した特殊個体だった。
そのため、“観測されていない時代”に誕生した魔物に関しては、女神側にも情報が存在していない。
アイオンの知識は万能ではなく、あくまで“女神が観測していた時代まで”の基礎情報に限られている。
■属性魔石
魔力が長期間滞留する場所で自然生成される特殊鉱石。
火、水、風など様々な属性を宿しており、純度によって性能と価値が大きく変化する。
魔道具技術の中核を担う重要資源であり、地域の生態系や魔物の行動にも大きな影響を与えている。
魔物の体内に存在する“魔石”とは根本的に異なる存在であり、純粋な資源として扱われる。
かつて御使ゲンゲはこの属性魔石技術を発展させ、数々の魔道具を生み出した。
だが、既得権益を脅かす発明の多くは潰されており、その末に完成させた最高傑作こそ“飛空艇”である。
■魔導回路
魔道具を機能させるための制御回路。
属性魔石や魔石を組み込むことで、様々な現象を人工的に発生させる。
本来、人間が体外魔法によって行う“事象への干渉”を、外付けで再現する技術とも言える。
優れた魔導回路を作れるかどうかが、魔道具師としての力量を決定づける。
■融雪の魔導回路
フィギル領の主要街道へ敷設されている特殊な魔道設備。
石畳の下へ二層式の魔導回路を埋め込み、内部から熱を発生させることで、積雪を下から溶かす仕組みとなっている。
これにより、豪雪地帯でありながら冬季でも街道機能を維持することが可能。
本来、雪国では除雪だけで膨大な人手と時間が必要となるが、フィギル領ではこの設備によって物流速度を大幅に向上させている。
ただし、雪が降る季節のみにしか利用されないため、費用対効果の問題から他領地への普及は進んでいない。
なお、街や村の内部までは敷設されておらず、除雪は現在も人力で行われている。
■伝令魔法の触媒柱
フィギル領の街道沿いへ等間隔に設置されている伝達用魔道設備。
石柱内部へ小型魔導回路と魔石が組み込まれており、触れることで近隣の私兵待機所へ異常を伝達できる。
待機所側には専用の信号盤が設置されており、どの街道区間で異常が発生したのか即座に判別可能。
動力には低級魔物の魔石が使われているため、使用者側の魔力は不要。
一般人や商人でも利用できる点が特徴となっている。
また、一部はダミー設備だが、“どこからでも通報される”という印象を与えることで、盗賊や犯罪者への抑止効果も発揮している。
定期的な魔石交換や点検も必要なため、街道整備員や巡回役などの雇用創出にも繋がっている。
■特別ギルド員
冒険者ギルドにおける最上位権限候補者へ与えられる、極めて特殊な立場。
通常のギルド員や支部長とは異なり、“ギルドそのものを管理する側”へ至るための資格とされている。
その権限は冒険者ギルドだけに留まらず、商業・銀行など各種ギルド組織にも及ぶと言われ、一部では“ギルドの王族”とも呼ばれている。
選定条件は極めて厳しく、
・管理能力・政治的判断力
・交渉能力・利益創出
・他組織との折衝能力
など、多方面での成果が求められる。
中でも最重要視されるのが、“専属冒険者”の存在。
莫大な利益や影響力を生み出す冒険者を、自身の管理下へ置けるかどうか――それこそが、特別ギルド員として更なる上位へ進めるかを左右する最大の条件となっている。
そのため、有望な冒険者を巡る情報戦や囲い込みは日常的に行われている。
特に、実力はあるが知識や後ろ盾を持たない新人冒険者は狙われやすい。
将来的な利益を見込める原石であれば、専属契約、恩義、借金、保護、情報統制など、あらゆる手段で囲い込もうとする者も少なくない。
中には強引な手段や、半ば脅迫に近い方法を取る者すら存在している。
一方で、どれほど優秀な特別ギルド員でも、有望な冒険者と巡り合えるかは運の要素も大きい。
十分な実力と権限を持ちながら、最後まで“逸材”を得られず、特別ギルド員の立場のまま終わる者も存在する。
また、ローズレッド王国ではギルド上層部と王家・女神教との癒着も問題視されており、一部の特別ギルド員達は組織改革を進めようとしている。
だが当然、全てが理想主義者というわけではない。
権力や出世のために冒険者を利用しようとする者も多く、“優秀な特別ギルド員”ほど、冒険者から警戒されやすい立場となっている。
■担当制
Bランク以上の冒険者へ与えられる特権制度。
気に入ったギルド員を専属窓口として指名し、依頼調整や情報収集を担当させることができる。
冒険者と共に他都市へ同行することも可能であり、その際の移動費用や給料はギルド側が負担する。
移動に連れ出すこともできる。
同行中、担当ギルド員は“ただの同行者”扱いとなるため、食費や護衛費用などは後からギルドへ請求される仕組み。
制度としては便利だが、ギルド員側の利益は少ない。
さらに“専属冒険者候補にはなれない冒険者向け制度”という認識も一部に存在しており、実際に利用されるケースは少ない。
いわば、存在はするがあまり使われていない特権制度である。
■小型伝令魔法の触媒
二つの触媒間でのみ連絡可能な、小型特殊水晶。
通常の伝令触媒より性能は低く、表示される文字も小さい。
その代わり携帯性に優れており、犯罪組織や裏取引などで頻繁に利用されている。
違法流通も多く、闇市場では一定の需要が存在する。
■第四兵団
ローズレッド王国の実働部隊。
平民出身者を中心に構成されており、国境警備、小競り合い、危険地帯対応など、実戦任務を担当している。
現場経験豊富な兵士が多く、“王国の現実”を支える存在とも言われる。
しかし貴族社会では下働き兵団と見下されることも少なくない。
第一騎士団、第二騎士団、第三魔法師団が各王子勢力の影響下にある一方で、第四兵団のみは現在フォスター公爵家が強い指揮権を持っている。
そのため教皇ベゼブは第四兵団を警戒しており、表立った排除ではなく、水面下で妨害工作を進めていたが、効果は薄かった。
なお、バルトスは第四兵団第三大隊長を務めている。
■戒めの炎
第四章で発生した大事件。
教皇ベゼブが“ベゼブ教”への改名を宣言した直後、大教会で突如炎が発生。
炎は女神像の装飾品とべゼブの肖像のみを焼き払い、それ以外には一切燃え広がらなかった。
不可解な現象として王国中へ噂が広がり、多くの民衆が“女神による否定”だと受け止めている。
結果として改名計画は撤回。
さらに、これまでベゼブやルドバ枢機卿が行ってきた圧政や献金政策への不満も重なり、反新女神教感情は急速に拡大している。
■アイオン(15)
主人公。
オルババ村出身の少年であり、別世界で二十五歳まで生きた青年“司”の魂を宿す転生者。
黒髪と整った顔立ちは母セアラ譲り。
現在は冒険者ランクBへ昇格し、上位冒険者の一角へ足を踏み入れた。
ただし王国における高ランク昇格には、王族・貴族からの指名依頼や政治的評価も関わるため、実力だけで到達できるものではない。
それでも、純粋な戦闘能力だけなら既に同格冒険者とも遜色ない実力を持つ。
体内魔法への適性は異常なほど高く、五メートル圏内であれば“消えた”と錯覚される速度で移動可能。
さらに火・風・水の三属性の体外魔法を扱う稀有な存在でもある。
特に風魔法の能力は突出しており、極限まで圧縮した風を斬撃として解放する高等技術を会得。
これは現役最強格のSランク冒険者“瞬迅”が使用する技術系統と酷似しており、今後は無関係にもかかわらず弟子と誤解される機会が増えていく。
現在の武器は刀。
第四章で入手した古い刀だが完全に慣れ、自然に扱うようになった。
どれだけ乱暴に扱っても刃毀れひとつ起こさない異常な頑丈さに多少の違和感は抱いているが、深く考えないようにしている。
信条は「やれることをやる」
損得ではなく、“自分がどうしたいか”を優先して行動する性格であり、その結果として面倒事や貧乏くじを引くことも多い。
一方で、自分の知らない場所で監視・干渉されることを極端に嫌っており、感じる嫌悪感は異常なレベルに達している。
そのため、自分の意思を踏み躙られたと判断すれば、冒険者としての地位すら簡単に捨てる覚悟を持つ。
幕章後はヴィラ、メルと共に旅へ出発。
次なる目的地は、ククルス自由経済国家に存在する“ヘルケイル山”。
師ライアの師匠である、“雷轟”との邂逅を目指している。
■テオル(23)
カイバル海上国家出身の若き魔道具師。
軽い「〜っす」口調で話す青年で、普段は飄々としている。
しかし魔道具の話になると人が変わったように熱弁を始める。
故郷の村を襲う深刻な日照り問題を解決するため、“雨を降らせる魔道具”の研究を続けている。
目的のためなら危険な手段にも踏み込むが、根底にあるのは“人を救いたい”という想い。
幕章では属性魔石を求め、アイオンを半ば騙す形で遺跡調査へ同行。
異形の女王との戦闘では、霧を発生させる魔道具を用いて戦闘支援を行った。
事件後は、更なる技術を求めて魔導都市デルキオラへ旅立つ。
なお、六千Gという大金を簡単に支払えたのは、優秀な魔道具師としていくつかの権利収入を持っているため。
しかしヴィラの遠慮のない食べ歩きへ付き合わされ続け、財布への危機感から旅立ちを早めた。
■ヴィラ(18)
額から二本の角を持つ、角人の“先祖返り”。
浅黒い肌と鋭い目つきが特徴で、人間離れした遠視能力を持つ。
二刀の短刀を操る戦士であり、相手の力を利用して受け流す持久戦を得意とする。
最大の切り札は、眼へ魔力を集中させることで発動する“極限視認”。
効果は絶大で周囲の光景が緩やかに認識される。
しかし凄まじい負荷を伴い、短時間しか使用できず、使用後は両目から血を流し視力が低下する。
口数は少なく、感情を直接肯定しない独特の話し方をする。
「怖くない」「怒ってない」など、否定形で感情を表現する癖がある。
エルフによる迫害の歴史を持つ角人集落で育ち、その中でも最強の戦士として知られていた。
当初は外の世界へ興味を持っていなかったが、アイオンとテオルとの出会いをきっかけに、人の街や未知の文化へ惹かれていく。
幕章後は冒険者登録を行いDランクとなる。
本来の実力はそれ以上だが、ゲールの登録試験が採取中心だったため正式評価が低くなった。
今後はアイオンと旅をしながら、“外の世界”そのものを知ろうとしている。
なお、食への興味が非常に強い。
■ヴィラの兄(角人の族長)
角人集落を束ねる族長。
退化した小さな角は布で隠せる程度まで小さい。
冷静かつ現実主義的な性格で、感情ではなく集落全体の未来を見据えて判断を下す。
長年、角人達を縛り続けていた“戒め”の壁画を、自ら壊しに行く決断をした人物でもある。
そのうえで、完全に外界を拒絶するのではなく、ゲールとの連携も選択した。
ただし正式に表へ出れば納税義務や管理問題が発生するため、今後も隠れて暮らす方針は変わらない。
■アメルダ(30)
ゲール冒険者ギルド支部長。
短くまとめた髪と鋭い視線が印象的な女性。
感情を表へ出さない実務主義者であり、常に損得を計算して動く。
打算的ではあるが、無意味な嘘は好まないタイプ。
アイオンの価値を早い段階で見抜き、特別ギルド員メリッサと水面下で連携。
目的は、“次期ローズレッド王国冒険者ギルド管理者”となるメリッサへ恩を売ることにある。
■メル(20)
ゲール冒険者ギルド所属の受付嬢。
生まれも育ちもゲールの街。
真面目で責任感が強く、丁寧な仕事ぶりから周囲の信頼も厚い。
一方で、“外の世界を見てみたい”という憧れを密かに抱えている。
その願いにつけ込まれる形で、アイオンの担当ギルド員として同行することになった。
表向きは旅の窓口役。
しかし裏では、メリッサへアイオンの情報を流す役目も担っている。
幕章後はアイオン、ヴィラと共に旅へ加わるが、現時点では“仲間”というより同行者という立場が強い。
■バルトス(37)
ローズレッド王国第四兵団第三大隊長。
平民出身者が多い第四兵団の中でも、特に部下から厚い信頼を集める指揮官。
実戦経験が豊富で、冷静かつ実務的な判断を得意とする。
ラクトとは旧知の仲。
そして旧女神教の隠れ信徒。
二十年前の戦争時のオルババ村での体験から、そうなった。
ラクトには会わず村にも数度訪れている。
レアやベティへ王都や新女神教の情報を流していた人物でもある。
現在は第四兵団内部へ入り込んでいる新女神教側の間者を警戒しており、特にジェダへ疑いを向けている。
ただし決定的な証拠はなく、あえて泳がせながら監視を続けている。
また、ジーナ王女やフォスター公爵の意向を受け、フィギル領への第四兵団拠点設置も進めている。
■ゼアス(18)
アイオンの兄。
オルババ村出身で、父ラクトへ強い憧れを抱き兵士となった。
大柄な体格と両手剣を用いた豪快な戦闘スタイルは父譲り。
性格も誠実で面倒見が良く、村では“結婚相手にしたい男”として女性陣から評判だった。
一方で不器用な面もあり、アイオンを今でも“守るべき弟”として扱ってしまう。
さらに「兄は弟より強くあるべき」という妙な意地も強く、アイオンへ負けまいと鍛錬を続けている。
現在は第四兵団第三大隊へ所属。
大隊長バルトスの部下であり、ジェダとは同期として行動を共にしている。
今後はフィギル領へ建設される兵団拠点で活動予定。
■ジェダ(21)
第四兵団所属の兵士。
ゼアスの同期であり相棒でもある。
巨大な斧を扱う前衛戦士。
新女神教の信徒であり、幼少期に司祭へ拾われた恩から情報提供役として生きてきた。
故郷の村は飢餓と略奪によって崩壊しており、“守れなかった”後悔を今も抱えている。
現在は第四兵団内部の情報を新女神教側へ流すため暗躍中。
バルトスから疑われているが、決定的証拠は掴まれていない。
■メリッサ(26)
パルキノン冒険者ギルド本部所属の特別ギルド員。
若くしてその地位へ到達した才女。
しかし、たった一度の機会を逃したことで、
“雪月花を逃した優秀者”“運だけがなかった才女”
と呼ばれるようになった。
高い能力を持ちながら、その出来事以降は表舞台から姿を消していた。
実際は各地を巡り、専属冒険者候補を探し続けていた。
しかし理想とする逸材には出会えず、半ば出世欲を失いかけていた時にアイオンと遭遇する。
そのため、彼を専属冒険者として確保したい執念は非常に強い。
現在はローズレッド王国冒険者ギルド改革にも深く関与しており、既に将来的な出世はほぼ確定している。
それでもなお、過去の後悔を拭うため、“アイオンを得ること”へ異常な執着を見せている。
ただし当の本人からは、“自分を利用しようとする敵”として強く警戒されている。
■アウラ
栗毛の牝馬。
アイオンが馬商から購入した旅用の馬であり、一頭引きの小型馬車を牽引している。
穏やかな気性で長距離移動にも強く、扱いやすい優秀な馬。
名前はヴィラが付けた。
ちなみに、アイオンはかなりの動物好き。
ここまでお読みいただき、本当にありがとうございました。
今回の幕章は、“次の世界へ繋がる物語”として、できるだけテンポよく進めるつもりで書いていました。……ですが気づけば、いつも通りしっかり時間がかかっていました。
幕章という形ではありますが、自分の中ではかなり大切な章になった気がしています。
次章についても、やりたいことや描きたい景色は少しずつ見えてきています。
ただ、どれくらいの長さになるのかは、今のところ自分にも分かっていません。
なので、これからも変わらず気ままにやっていこうと思います。
改めまして、ここまで読んでくださりありがとうございました。
それでは、また次の章でお会いしましょう。
m(_ _)m




