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街人  作者: 橋本樹実
26/33

鏡の国

朝が来た。

「う~ん、いい朝だ」

と風雨は先に寝袋から出ていた。

「帆咲起きて!」

と帆咲を起こす。

「何?」

「何じゃないよ。次の街に行くんだろう」

「うん」

バサッと寝袋を適当にたたんでリュックにしまう。

地図を見ながら帆咲は言う。

「次は鏡の街だ」

「鏡の街? 面白そうだね」

「行ってみよう」

ここから歩いて五分の距離にある。

「行くよ」

てくてく歩いて、到着。

「ここが鏡の街か」

風雨がきょろきょろあたりを見渡す。

「鏡一つもないね」

そんな時だった。

どんっ

「すみません」

「すみません」

二人とも鏡のごとくお辞儀をした。

そして行ってしまった。

「僕分かった」

「私もだ」

「鏡って個々の人々が鏡化しているんだ!」

「面白くない、行こう」

「ああ」

二人とも鏡の国を後にしたのだった。

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