エピローグ 魔王、友と最期の約束をする。
外伝、最終話です!!ここまでお付き合い下さいまして、誠に有難うございました!!
本作は、一旦、ここで完結させて頂きます。
ブックマーク、評価を入れて下さった皆さま、日々読んで下さった皆さま、本当に感謝しております。m(_ _)m
ギルファスは、魔王になった。
(異世界から妻を娶れば、もし、生きてるうちにユージを見つけられなかったとしても・・・オレの子孫が再会を果たす時、その助けになる娘が現れるかもしれない。)
ユージと同じ異世界の知識を持つ娘。その娘が、我が一族を救う事になるかもしれないとギルファスは考えていた。
一番上の兄ギイは西の国、二番目の兄ナールは南の国、三番目の兄ヴァダーは北の国、そしてギルファスは東の国を治める事になった。
人間界でも、力を持っていた皇国が滅び、東西南北で、それぞれ国が出来上がった。東国の王は、人間の使者だったルイが、新たに即位したとの事だった。戦争で、上の兄達は既に亡く、王位を継げる直系に近い男子がルイ以外に見つからなかった為だ。ギルファスは、ルイとも連携を取り、互いの国の様子を日々報せ合う事にした。
魔王の城は、ユージが現れる可能性があったので、取り壊した。4兄弟は、それぞれの離宮を王の棲家とし、自分達の大切な家族がユージと会うことがないように、結界を張り、簡単に行き来が出来ない様にした。
(ユージを探し出し、還す方法を見つける。それまでは・・・。)
それから、20年。復興も進み、この世界に平和が戻ってきた。明日で、28歳で魔王になったギルファスと同じ歳になる息子のアルファスは、召喚の儀によって異世界から妻を娶ることになっている。
ギルファスは、執務室にオームを呼ぶ。
「なあ、明日召喚の儀を行うだろ?・・・それでさ、その後の事なんだけど・・・。」
オームには、親友が考えている事がすでに解っていた。この20年、ギルファスはユージを探し続けた。だがなによりも大切な家族のエリーやアルファス、そして他の側近達にもその事を話す事は一度としてなかった。
こうして執務室にオームだけを呼び出す時は、魔王とその側近として、ではなく、幼い頃より35年近く一緒に居た親友として話がある時だ。ギルファスは何かを決意している。漆黒だった髪はグレーになり、顔には皺も増えた。
「ああ、ギル、わかってるよ。お前、若君に王位を譲ったら、ユージを探すつもりなんだろう?」
二人の時だけは、オームも敬語は使わない。
「うん、やっぱりお前はオレの事はお見通しだな。でもちょっとだけ違うんだ。」
オームは、ギルファスがユージを探す旅に出るならば、自分も一緒に着いて行くつもりだった。
「オーム、お前にはこの城と・・・オレの家族を守って欲しいんだ。ユージや、それ以外の色んな事から。アルファスの元で、アルファスを支えてやって欲しい。ユージの事もそうだ。オレが始めてしまった事をお前はよく知ってる。だから、オレがもし・・・ユージを見つけ出す事が出来なかったら、お前の手で全てを終わらせて欲しいんだ。」
オームは、何も言えなかった。それはつまり、ギルファスとの別れを意味する。
「オレは、アルファスに魔王の座を譲ったら、エリーを連れて、昔お前とザックさんと過ごしたあの村に人間として住もうと思ってる。『木こり』になってな。オレはいずれ年を取って死ぬが、お前は・・・この先も生きて未来を見る事が出来るだろう?見た目だって、今はオレに合わせて同じくらいにしてくれてるけど、若い姿に変える事も出来るよな?」
オームはギルファスの言う事が痛いくらいに分かった。老いて死を迎える自分の代わりに、一族を見守って欲しい。
・・・それは、オームにとって唯一無二の友からの最期の願いだった。オームは、泣き虫だった子供の頃以来に溢れ出る涙を堪え、言う。
「ギル・・・いや、我が王。畏まりました。このオーム、心に誓い約束致します・・・貴方様の御心のままに。」
「ねえ、セル様、魔物って、姿を自由に変えられるんですよね?(だってフェイさんもフラーさんもシャンさんも若いし!!!)」
「ああ、そうだ。なぜそんな事を聞く?」
「いや、オームさんだけ、ずっとおじいちゃんじゃないですか。ちょっと気になって・・・。」
「友との誓いがどうのとは言っておったが・・・本人に聞いてみたら良かろう。オーム!」
「我が王、ユリ様。何用ですかな?」
「姿を変えてみせて下さい!!」
「姿を、で御座いますか?・・・まあ、ユリ様の願いとあれば・・・此れで如何で御座いますかな?」
「えっ!?めっちゃイケメン!!やばい好み過ぎる・・・尊い!!!!!(目がハート)」
「ユリ!?オーム!!もう良い、今すぐに元に戻れ!!!」
「えーーーー!?」
「我が王・・・ご案じ召されますな、このオーム、心に決めたお人は・・・唯一人に御座います。」
「えっ!?(それって、恋の相手ってこと!?)知りたい!!」
「ユリ!!」
「そうですな、初めての・・・友、とだけ・・・。」
「へえー、幼なじみって事ですね?すてき!!」
「(・・・その様な話は聞いた事がないが・・・ん?友・・・?)」
「セル様?なにびっくりしてるんですか?」
「ああ、いや・・・。そういうことか。」
「え?どういうこと?」
「いや、後で話そう・・・。」
「セル様、もうこれで最後みたいですよ!?えっと、最後まで読んでくれて、ありがとうございました!!」
「読者よ、またいつか何処かで会えたら私も嬉しい。(勿論ユリと共に、だが。)・・・ありがとう。」
「あ!!セル様、その笑顔です!!はいそれキープで!!」
完。




