魔王の子、DKと友達になる。
「おい・・・ほんとに、治しちまったのか・・・?」
「はあ・・・そうみたいです・・・。」
ザックとオームは、互いに目を合わせる。目の前の光景が、信じられない。ギルファスは、またも嬉しそうだ。
「・・・せっかく、良いところだったのに・・・徹夜してたからな・・・寝ちゃった、のか?うわぁっ!?誰だ!?」
「生き返ったな。良かった!オレ、ギル。」
「はあ!?誰だよ!!なんで人の部屋に勝手に・・・・・えっ!?ここどこだ!?」
その後も、少年は叫んだ。混乱している。ギルやオーム、ザックですらも分からない単語や言葉。落ち着くまでにそれから1週間は掛かった。
「ゲームやり過ぎて、頭がおかしくなったのか?いや、でも夢じゃない。夢ならとっくに覚めてもいい頃だ。なんだ、なんでファンタジーの世界なんだ・・・。」
「なあ、ユージ。お前が異世界から来たって言うのはわかったけどさ・・・なんで来たのかはオレらにも分からないんだって。」
「ってかそもそも、なんでオレはお前らと話せるんだ?お前、魔王の子って言ったよな!?魔王って、ラスボスだろ!?」
「らすぼすって、なんだよ。だからさあ、何度も説明したろ?お前は、オレの魔素で生き返ったから、オレらの言葉が理解できるんだってば、たぶん。」
始めこそ混乱し、絶望していたユージだったが、元ゲーマーのユージが魔術を使える事に歓喜し、この世界を楽しむ様になるまでに、そんなに時は掛からなかった。
「ギル、オーム、見てくれ!この聖魔法どうだ!?」
森の中で、ユージが新しい魔術を2人に見せる。これまで操っていた小さな魔術とは、比べ物にならない。大きな光の球だ。オームは、漠然と不安を感じた。
(ユージの魔力は日に日に上がってるな・・・ギルが自分の魔素を与えたから、そのせいもあるんだろうが・・・でも、こいつは元々人間だ。その器は、増え続ける魔力に果たして耐えられるのか・・・?)
「ああ・・・すごいな。だが、お前はそんな魔術を使って、どうするつもりなんだ?」
ギルファスも同じ事を思っていたのだろう。心配そうに、ユージを見ている。
「え?どうって・・・ゲームならレベルアップは基本中の基本だからな・・・。まあ、最終的にラスボス倒せるぐらいかな?」
(また、げーむの話か・・・。ギルにもユージにも、何も起こらなければ良いけど。)
二人とも、オームにとってはかけがえのない友だ。どちらも失いたくはなかった。
「うーん・・・。魔素を、上手く放出したら多少お前に負担はかからないかも、な・・・。なあ、ユージ、それならさ、オレ達と一緒に冒険してみないか?実は父上に、魔素が増えすぎてやばい魔物達の討伐を頼まれてるんだけど。」
「えっ、それまじ!?やった!ドラ○エみたいだ!!」
喜ぶユージ。しかしオームの不安は的中する事になる。この時はまだ、魔素がその身体と理性をゆっくりと蝕みつつある事に、ギルファスもオームも、ユージ本人ですらも気付くことはなかった。
「ねえねえ、セル様?」
「ん?」
「東国で買い出しもしたし、これからハネムーンだし、ちょっと気になったんですけど、東国と日本語以外のセル様の魔族語って、あんまりちゃんと聞いたことないなって。」
「ああ・・・そうだったか?」
「はい、ちょっといつもの感じで、しゃべってみてくださいよ!せっかく分かるようにしてもらったし!」
「うむ・・・よし。『ユリ、きょうもかわいいね〜!いますぐキミを食べちゃいたいくらいだよ〜』・・・とかか?」
「え?」
「え?」
「なんか・・・チャラくないですか?(魔族語だとそんな感じのテンションなの?違和感しかない・・・。)」
『なんで引いてるの〜?そんなに変?食べてしまいたい、とか?いやどっちも一緒だよね〜』
「ちょっと、キャラと合ってないんで、もう大丈夫です・・・なんかすいませんでした。」
「ユリ!?なぜ離れて歩くのだ!!(きゃら、とはなんだ!?)」




