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博物館

 とある博物館には、英雄が吐いた嘘が保管されているという。他にも様々な物がその博物館に収められているという。

 止まった季節を閉じ込めた冬時計があるという。その針はちょうど12時で止まっているそうだ。

 農夫のクワの先は空だという。空を耕すクワがある。なぜ、空を耕せられるのか誰も分かっていない。

 錆びた聖剣と呼ばれている剣が保管されている。かつてドラゴンを倒したケットシーがいたらしい。

ネガティブな勇者から聖剣をひったくって、ドラゴンの眉間に突き刺したと伝えられている。 

 雲を醸造する機械を持っていた醸造家がいたらしい。その雲は雨雲を呼び寄せたのか、強烈な日差しを遮ったのか。本当のところは分からない。だが、機械は博物館に収められているという。

 とある地図職人の地図は迷子の旅人を生み出してしまった。その先に宝は無く、魔王城へと導く物になってしまった。

迷子の来客者が来るたびに、魔王は護衛しながら元の森まで送っていくらしい。そんな地図職人の地図が博物館に収められていた。

 影は消えた。光に当てられて影だけは見えない。どうしてだろうか。その記述が記された本もまた博物館に収められているという。

 100年前の時計がある老時計守は、その時計を大事そうに持っていた。しかし、老いた身であるがゆえにいつ亡くなるのか分からなくなっていた。

亡くなる前の遺書に時計を博物館に寄贈するように書かれていた。それ以来、博物館には100年前の時計があり、今も時を刻んでいるのだという。

 英雄が吐いた最後の嘘。それは魔王が死んだというもの。本当は生きている。ただ人間側の都合で、倒そうとしたのだ。何も悪いことはしていないのに。

黒幕であった魔王の側近の1人を討つことによって、戦争は終わりを告げたのである。その真相を綴った書物が博物館の最奥に保管されているという。

 その博物館に行くための方法は誰も知らない。そこで働いている清掃員は口を固く閉ざしている。場所を知られたくないがために。 

 生気の手段を経るならばその博物館に行けるだろう。しかし、誰も知ることはできない。

ただ魔王だけは知っている。隠された扉の渦の中に入るならば、行けるらしいけども。

 どこに隠されているかは魔王ですら分からないのだ。ただ空と雲が交わる場所とだけしか知らない。どこかの山の頂にあるのか。しかし、どこの山の頂なのか、位置すら不明なのである。

 ホラ吹き詩人ならば何かを知っているのかもしれない。あるいは、ホラ吹き集の中に書かれているのかもしれない。どこで出版されているのかは知らないけれども。もしかしたら博物館の中に収められている可能性すらある。

 ホラ吹き詩人を捕まえることができればいいのだが。彼はどこからともなく現れて、ホラ吹きな話をした後、どこかへと去っていく。誰かが言った。神出鬼没な存在だと。

 聞き出すことができればいいのだが。そう上手くいくことはないだろう。だが、上手く聞き出せたなら、結果は違ってくるかもしれないが。

 ホラ吹き詩人の与太話に付き合える者がいるだろうか。それこそまさに偽神のみぞ知るということかもしれないーー。


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