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意図の読めない贈り物

※この小説は「古代◯ーマ風の架空の帝国」を舞台にしているので、史実とは色々相違があるかと思いますが大目に見ていただけると幸いです。


※この小説の主人公は「彼女」です。

ある朝、彼女が目覚めると机の上に見慣れない物が置いてあった。美しい金細工が施され、眩く輝く赤い宝石が埋め込まれたネックレスであった。

これ程のアクセサリーを贈られたら、女性のみならず男性までもが大喜びするような、そんな代物だった。ただし、贈られる側が喜ぶには"贈り主と貰う側の間の関係が良いものであれば"という前提条件が必要であるが。


以前にも記したが、彼女にとって将軍は内縁の夫ではなく「故郷から突然遠い地へ連れ去り、自分の意思を無視して襲って痛め付けてくる憎き敵」なのである。しかも、最近「丹精込めて作った私物を無断で持ち去る泥棒」という評価が加わったのである。

そのような相手から施しを受けても、喜ぶどころか意図が読めなくて不気味でしか無かった。


「…まさか、私のことを『高価な物をねだるために体を売る女』だとでも思ってる?」

そう思った途端、女性として、いや一人の人間として侮辱されたような気がした。

全身から湧き上がる怒りの感情で、ワナワナと震えた。気が付いたら、ネックレスを掴み、腕を振り上げ、そして床へと投げ付けていた。


ハッと我に返った時は、既にネックレスは壊れていた。幸い、その場にいたのは彼女専属の女召使いだけだったので、急いでネックレスを拾い、衣装箱の底へと隠した。



その日の夜は、将軍が遠征から帰宅したために久々に宴が開かれた。自室から大広間に向かう途中、リヴィアが立っていた。

彼女と目が合った途端、

「アンタばっかり愛されて、ズルイ!」

「本妻の座でも狙ってる訳!?」

「大人しい顔してとんでもないわね!」

と一方的にまくし立ててきた。


…愛されている?本妻?

彼女は言われている言葉の意味が分からなかった。


彼女が無言で立ち尽くしていると、リヴィアは涙目で睨みながら「ふん!」と言い、大広間へと向かっていった。


彼女は、上流階級の女性にも負けないほどアクセサリーを身に付け髪型を整えられ、お酌係など一切やらされないリヴィアを見ながら、本気でこう思った。

「リヴィアのほうが丁寧に扱われているのに…一体何を勘違いしているの?」

※「私物を無断で持ち去る泥棒」とは何か知りたい方は、前回を是非お読みくださいませ。


…うーん、彼女自身は日々将軍に対して「他の妾と違い、私に対する扱いが粗雑」「愛情など一欠片も感じない」と感じていて、それが多大なるストレスとなっているんですけどね…夜に安眠できなくなる程に。


リヴィアはリヴィアで何か思うところがあるようで。それは機会があったら語ります。


それでは最後まで読んでくださった方々、ありがとうございましたm(_ _)m


【追記】

多分、この回を読んでくださった方の中には「え、素直に『ありがとう』とか『豪華なプレゼントもらえてラッキー!』とか思えばいいじゃん」と思われる人もいるかもしれません。そんな方には"ダブルバインド"というキーワードを置いていきます。

ダブルバインド、自分もやられた事があるのですが、本当に混乱するんですよ…マジでキツイ。

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