潤、6日連続そば地獄の翌日にまさかの“そば屋行き”を宣告される
6日連続で父のそばを食べ続けた広瀬潤(39)。胃袋は“そばの形”になり、心は乾いていた。
翌日、昼休み。潤は佐伯の席へふらふらと歩いてきた。
佐伯はコーヒーを飲みながら言った。
「潤……その顔、完全に何かあっただろ」
潤は椅子に座るなり、深刻な声で言った。
「佐伯……僕……父さんのそばを……6日連続で食べたんだよ……」
佐伯は吹きかけた。
「6日!?そばってそんな連続で食べるものじゃないだろ!!」
そこへ局長・佐藤が通りかかった。
「ん?そばの話か?」
潤は弱々しく頷いた。
「はい……父がそば打ちに目覚めて……毎日そばで……」
佐藤は満面の笑み。
「いいなぁ〜! 最近そば食べてないんだよ、そば食いに行こう! 佐伯、お前も行くだろ?」
佐伯は一瞬固まった。
「え、いや……潤が……そば続きで……」
佐藤は押し切った。
「決まりだ! 3人でそば屋に行くぞ!」
佐伯は申し訳なさそうに潤を見た。
「……すまん、潤……俺も断れなかった……」
潤は遠い目をした。
「……僕の胃袋……またそばと向き合うのか……」
◇そば屋へ到着
3人は近所のそば屋へ入った。
潤はメニューを見て絶望した。
『もりそば』『ざるそば』『天ぷらそば』『かけそば』
しかし——その中に光る一行があった。
『かつ丼』
潤は震えた。
「……かつ丼……! 僕を救ってくれる存在……!」
佐伯も言った。
「潤、今日はそれ頼め」
潤は力強く頷いた。
「かつ丼ください!!」
◇しかし“救い”は一瞬で裏切られる
注文を受けた店員がニコニコしながら言った。
「かつ丼のお客様、サービスで“大盛りそば”が無料で付きます!」
潤は固まった。
佐伯は固まった。
佐藤は喜んだ。
「おお! ラッキーじゃないか!」
潤は震える声で言った。
「……そば……またそば……しかも大盛り……」
そして運ばれてきたそばを食べて、潤はさらに絶望した。
「……父さんのそばより……ずいぶん味が落ちる……」
佐伯はそっと言った。
「潤……それはつらいな……」
佐藤は豪快に食べながら言った。
「そばはうまいなぁ!」
潤はかつ丼を食べながら、横に置かれた大盛りそばを見つめた。
(……僕……そばから逃げられない運命なのかな……)




