潤、VTuberになろうとして休日が丸ごと消える
休日の午後。広瀬潤(39)は、突然思い立った。
「……VTuberになったら、僕の人生……変わるんじゃないか……?」
昨日の婚活パーティで営業を受けすぎて疲れた潤は、「もう人間と直接話すのは疲れる」という理由で、なぜかVTuberデビューを目指し始めた。
◇午後まるごと使って調べ始める潤
潤はパソコンの前に座り、検索を始めた。
『VTuber始め方』『VTuber必要なもの』『VTuber顔出ししない方法』『VTuber壺売られない』
検索履歴がすでに不穏だった。
そして潤は気づいた。
「……ソフトが必要なのか……モデルも必要なのか……なんか……いっぱいあるな……?」
◇ソフトを入れてみるが、すぐに混乱
潤は無料のVTuber用ソフトをダウンロードした。
起動。
画面に大量の設定項目が並ぶ。
「フェイストラッキング……? リップシンク……? バーチャルカメラ……? なんだこれ……?」
潤は説明を読む。
読む。
読む。
読んでもわからない。
「……僕……なんでこんな専門用語と戦ってるんだ……?」
◇モデル作りにも挑戦
潤はさらに調べて、「自分のアバターを作る必要がある」と知った。
「よし……作るぞ……!」
キャラメイク画面を開く。
「髪型……目……服……なんか……全部難しい……」
潤は自分のアバターを作ろうとしたが、なぜか全く自分に似ていない謎の青年が出来上がった。
「……誰……? 僕……こんなイケメンじゃない……」
潤は心が折れた。
◇配信設定で完全に詰む
「……あとは配信設定か……!」
潤は配信ソフトを開いた。
「ビットレート……? エンコード……? 仮想カメラ……? なんでこんなに難しいんだ……?」
潤は30分ほど格闘したが、画面は真っ黒のまま動かない。
「……僕……VTuber向いてないのかな……?」
◇最終的に気力ゼロ
夕方。潤は椅子から立ち上がり、そのまま布団にダイブした。
「……VTuberって……こんなに大変なんだ……もう今日は……終わりだ……」
気力ゼロ。あの軽いやけどの時と同じパターンである。
◇翌朝、結論が出る
翌朝。潤は布団の中でつぶやいた。
「……VTuber……やめよう……」
そしてパソコンを見て言った。
「僕には……郵便配達とカレイの煮つけのほうが向いている……」




