朝食と出発
遅くなって申し訳ありません。
家に入ってソファー近くで横になり眠った。
ソファーで眠るディレスティナさんの寝顔を見ながら寝れるいい場所だった。床は硬かったけど。
目が覚めたらいつの間にか白くモフモフしたポーラを枕にしていて、ちょっとだけ獣臭かった。
最近本当夢見ないな・・・。
ええんやで?夢の中でくらい女の子とイチャイチャさせてくれても。
ディレスティナさんの可愛い寝顔を一目見て、朝食と外で食べる分を準備する為にキッチンに向かう。
とりあえず、朝食は軽めにと思ったけど、後ろから熱い視線を送ってくる腹ペコモンスターズが食べるだろうと思い、軽めなものとガッツリしたものを作ろう。
まずはプレーンオムレツを作る。洋食の専門店とかだとオムレツ専用にフライパンがあるらしい。他の料理の臭いが付くからとか、オムレツにバターのいい匂いが付くからとかの理由らしい。一度油の代わりにバターで作ったら風味が良くなったので間違いではないはず。
オムレツは半熟の物としっかり焼いた物の二種類作った。やっぱり好みがあるからね色々取り揃えておけば安心だよね?
ついでに生クリーム少し入れ、焼く際にかき混ぜるように焼かずにヘラで集める様に焼き、ふわふわに仕上げたスクランブルエッグも一応準備し、カニの身を使ったサラダにパンを準備して、ワイルドボアやホーンバッファローのステーキなどを焼き上げていく。
作り過ぎな気もしなくはないが、余ったらアイテムボックスに入れておけばいいかと思い、途中から何も考えずに焼き上げていった。余り物を気にせず好きなだけ作れるのはいいと思う。
ステーキを焼いている途中腹ペコモンスターズの要求に負け、ステーキを一枚ずつ食べさせた。
一枚くらい食べても問題ないだろうと思って与えたけど、瞬時になくなるステーキを見ると、考えは間違っていないと思えた。
一時間ほどステーキを焼いたり、包丁でミンチを作ったりしていると、ディレスティナさんがキッチンに入ってきた。
「おはようございます。料理手伝いますね」
「おはようございます。その様子だとぐっすりと眠れたみたいですね」
「・・・はい。この二日間はぐっすり眠れました」
「それは良かった。あ、料理はもう出来ているんで、座っててください」
「え?出来てるんですか?」
ディレスティナさんはキッチンの中を見回した後、俺の手元のミンチに目がいった。
「これは暇潰しなんで気にしないでください」
そう言い、アイテムボックスに収納して手を洗いリビングに向かい、ディレスティナさんと腹ペコモンスターズと朝食を食べた。
ポーラはいいとして、メイとキーは自分の体以上食べているけどどうなってんの?うん。大量に焼いてて良かった。
朝食を食べ終わり食器を洗い、ソファーに座り一休みする。
ディレスティナさんや従魔達の間にのんびりした時間が過ぎていく中、俺はそわそわ・・・いやどきどきしている。だって今からこの美女を誘おうとしてるのよ。今住んでるとこから「俺と一緒に住もう」ってもうそれ同棲のお誘いですよね?・・・同棲しと事ないけど。
そんなお誘いをしようとしている俺の心臓の鼓動がうるさくてしょうがない。
何故学校は節目節目のこんな大事な事を教えてはくれないのだろうか。触りでも教えて欲しい。・・・あれか?本当に大事な事は教えられるものじゃない、自ら行動しなけば大事なものは手に入れれないことを気付かせる為なのか?深い、深いぞ・・・。
仕方がない、断られたら物凄く凹むし、めちゃくちゃ緊張してきて喉がからからになってきたが、言うしかない。
「ディレスティナさん一緒に暮らそう」
いかん!緊張し過ぎてやんわり言うつもりがドストレートに言ってしまった。
「・・・」
ち、沈黙が辛い。どっちなんだ?一緒に暮らしてくれるのか?それとも一人で生きていくのか?
実際には一分も経っていないはずだけど、もう何時間も経った様な感じになる。
やがてディレスティナさんの口が開いた。
「私が一緒だとご迷惑をかけてしまいます」
「迷惑?どうせ危ない宗教国家がいちゃもん付けてくるってだけでしょ?そんなものはどうとでもする。だから俺と一緒に暮らして欲しい!」
「・・・・・・」
ダメか?俺が嫌われてて一緒に行くのは嫌ってのじゃないよね?
そうじゃなければマジでバレンシア神王国とその宗教団体潰して憂いを無くしてこようかな・・・。
「よろしくお願いします」
「こちらこそよろしくね、じゃあ、早速だけど、帰ろう俺達の家に」
「はい!」
とりあえずすぐに使う着替えなんかはカバンに入れてもらい、アイテムボックスに収納してもらい、その他家具については一個一個収納していくのめんどくさいなと思ってたら閃いた。家ごと持っていけばいいじゃないかと。
全員外に出てもらい、家を収納しようとすると、結構大きめな家が一緒で消えた。一度出してみたが特に問題ないようなのでそのまま収納し直した。
何も無くなった更地を見た後、昨日のうちに出しておいたトランスポーターに股がりキーを差し込みエンジンを起動し、トランスポーターを見て驚いているディレスティナさんとメイを乗せ、ディレスティナさんにしっかり掴まってもらい(ここ大事)スロットルをゆっくり回し発進する。
並走するキーとポーラを確認しながら、ディレスティナさんの道案内で森の中を進んでいった。
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