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羅刹狩り  作者: HasumiChouji
第2章:絆を断ち切る者(ビラムバー)
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(6)

「あ……えっとさ、お前の兄さん達の時って……最終試験で、えっと、どんな予想外の事が……」

 牧田は、真佐木にそう訊いた。

「知らん。聞いてなかった。興味も無かったしな」

「何でッ⁉」

「だって、私は、3人の兄貴が全員死んだせいで、この学校にブチ込まれたんだぞ。兄貴達が1人でも生きてる内は、普通のドラ娘として好きに生きてくつもりだった」

「そんな……何か……言ってなかった? 何か覚えてない?」

「兄貴達は、ここを卒業してから、ほとんど実家に帰って来なかった。めずらしく帰省したと思ったら、死体になって棺桶に入って帰ってきやがった。3人全員が順番にな。下の兄貴達は、上の兄貴の葬式が終ると、すぐに、仕事とか、この学校とかに戻って行った」

 真佐木の長ったらしい説明を聞いた牧田は、呆然とした表情(かお)になった。

「残念だが、死体は、何も話せないし、死体から思い出話を聞き出そうとするのは阿呆か狂人だけだ」

 真佐木は大真面目な表情(かお)。つまり、こいつにとっては、下らない冗談を言ってるつもり、って事だ。

「お前、自分の兄貴が死んだ時の事を冗談のネタにするか、フツ〜?」

 俺は、流石に、真佐木にツッコミを入れた。

「そんなモノかな? まぁ、家族との関係なんて、人それぞれだ。どこの家庭にだって、問題の1つや2つ有るだろうけど……問題の種類は家によって違う」

「そう言う一般論じゃなくてさ……」

「正直言って、兄貴達と話した事は、あんまりない。普通の家族の兄妹の平均よりは遥かに少なかった……と思う。普通の家族ってのが、どんなモノか、良く判んないけどな……」

 真佐木は、俺の方に顔を向ける。

「言っちゃ悪いが……」

「言うな」

「わかった」

 俺だって、自分の家族が普通じゃないのは自覚している。

 実の親は毒親。

 育ての親は……まぁ、「組織」の「戦士」の中でも最強クラスという……平均から外れまくった人間にしては常識人だったのだろうが……仕事は忙しく、養父(おやじ)が居ない時は、養父(おやじ)の同僚や部下の家に泊めてもらってて……そして、その養父(おやじ)の同僚や部下も転勤やら……ひょっとしたら殉職で、俺が名前を覚えた頃には、別の人に泊めてもらう事になった。

 そうか……。

 そう云う事か……。

「どうした?」

「何でもない……」

「気に触る事を言ったんなら……」

「いや、いい。ちょっと、1人で考えたい事が有る」

「わかった」

 真佐木は、そう言って、牧田を肘で小突く。

「じゃあ、ちょっと、俺も休憩するわ」

 ようやく判った。

 何で、俺が、この学校に自分から入ったのか……。

 多分、俺は……「組織」そのものに育てられたも同じなんだ。

 真佐木は、「組織」と関わりを持たない人生を望んでいたのに……結局は、この学校に入る事になり……そして、俺は……「組織」の「外」で、生きていく方法を知らない……想像した事も無い。

 実の親が生きてる内は、親以外の大人との関わりは、ほとんど無く……そして、養父(おやじ)に引き取られてから関わってきた大人の大半は……「組織」の人間だ……。

 やっぱり、真佐木は空を自由に飛べる鳥で……俺は地面に縛り付けられた人間だ……。空を飛んでた真佐木は遠くに有る「何か」を見る事が出来たが……地面に居た俺は、周囲(まわり)しか見えていなかった。

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